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【イディオム】From the flying pan into fire マックの苦境

2015年02月10日 | 英語・経済

昨日(2月9日)四半期決算を発表したマクドナルド。予想を大きく下回る売り上げ減少で、株価は1.35%下落した。1.35%の株価下落は騒ぐほどのことはないが、このことを報じたFortuneの記事に幾つか食に関する単語を使ったイディオムが散りばめられていて、おもしろかったので書き留めてみた。

FortuneのタイトルはMcDonald's deserves a break today. Deserve a breakは直訳すると「休みに値する」だが、「たまには息抜きをして」というほどの意味だ。この言葉は1980年代の米国で、マクドナルドのキャッチフレーズだった。たまには息抜きをしてマックへ行こう、という訳だ。

それが逆手に取られて、記事のタイトルに使われた。サブタイトルの中にはWith Monday's quarterly earnings release, McDonald's has gone from the flying pan into the fire.という一文があった。「月曜日の四半期業績報告の発表により、マクドナルドは一難去って一難の状態に陥っていることが分った」という意味だ。From the flying pan into fireは「フライパンから飛び出して火の中に飛び込む」という意味で、日本語の「一難去ってまた一難」に相当する。ただし英々辞書を見ると「悪い状態からさらに悪い状態になる」とあるから、一難去ってまた一難の後の一難は前の一難より悪いと考えておくべきだ。

さてマクドナルドの場合は、実は「一難」ではなく、複数の難があった。一番は「食肉の品質問題」だ。2011年に著名なTVシェフのジミー・オリバーが「マクドナルドが、脂肪分の多い肉の切れ端に水酸化アンモニュウムを加えて、ハンバーガーの食材にしていること」を知り、TVで反対キャンペーンを張ったことだった。その後マクドナルドは負けを認め、水酸化アンモニュウムの使用をやめたが、2014年6月のCnsumer Reportsは「マクドナルドは米国で最低のハンバーガー」と発表した。

次に中国でマクドナルドが抗生物質など薬漬けの鶏肉を使っていたことが明らかになった問題だ。

四半期報告書によると、マクドナルドの既存店売上は、4.8%減少(市場予想は1.2%の減少)で、アジアの売上減少は12.6%(同8.4%)だった。

更に高品質・高価格路線に転換したことも、低価格にこだわる客層の離反を招き、カスタマイズ化路線は商品提供の時間を長引かせ顧客の不満を買うという裏目にでた。

MaDonald's is the big cheese in this market「マクドナルドはこの(ファストフード)業界の大物である」

Big cheeseは「大物」というイディオム(俗語)だ。しかしその大物は、今ウエンディーズなど他のハンバーガーチェーンの激しい攻勢を受けている。マクドナルドのbreak(休み)は息抜き程度は終わりそうもない。

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イディオムを理解すると、英語の経済記事を楽しく読むことができる。英語の経済記事を楽しく読むことができると、投資の地平線が広がる。投資の地平線が広がると、利益を上げる機会が増え、リアルな世界の地平線が広がる・・・・

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