小林紀興の「マスコミに物申す」

第三の権力と言われるマスコミは政治家や官僚と違い、読者や視聴者の批判は一切無視、村社会の中でぬくぬくと… それを許せるか

でかした、朝日新聞。いじめ自殺中学の実名報道によくぞ踏み切った。

2013-06-11 07:30:12 | Weblog
 朝日新聞がついにタブーに挑戦した。6月10日の夕刊の記事だ。
 今年4月、神奈川県の中学校の2年生が同級生からのいじめを苦に自宅で自殺した事件で、学校名を初めて公表したのである。

湯河原町立 湯河原中学校

 いじめ自殺の舞台になった学校である。同日の読売新聞夕刊は学校名を公表しなかった。学校名どころか、「神奈川県西部」という極めてあいまいな地域の表記にとどめた。これではネット検索すらできない。
 NHKはニュース7で「神奈川県湯河原の中学校」と地域を特定した。当然ネットですぐ検索できた。ニュース7では流さなかった湯河原町教育委員会と学校側の保護者に対する説明会の動画もユーチューブで流されていた。もっともNHKは8時45分からの首都圏ニュースでは説明会の映像を流した。

 私は以前から、いじめ自殺を防げなかった学校名を公表すべきだとブログで何度も主張してきた。私が初めていじめ問題をブログで取り上げたのは2012年8月8日である。それまで2年半、体調を崩してブログ活動を中断していた。
 8月6日、NHKがニュース7でいじめ自殺を報道した。学校名は伏せたが、仙台市の高校という場所を明らかにしたため、すぐネットで仙台育英高校がいじめ自殺の舞台であることが分かった。私はブログでこう書いた。
「このニュースを見た直後、私はNHKのふれあいセンターに電話し、チーフに代わってもらって『なぜ校名を明らかにしなかったのか。これほどいじめが社会問題化している時期に加害生徒を処分せず、逆に被害生徒に自主退学を迫るという悪質な学校名を明らかにしなかったのはなぜか』と苦情を述べた」
 続いて11日には『いじめ社会の復活に手を貸した大手マスコミの罪』という過激なタイトルのブログを投稿した。このブログは大津市立皇字山中学校でのいじめ自殺事件を題材にしたものだった。この事件の時もすべてのマスメディアは学校名を伏せた。が、大津市という場所を特定した報道だったためすぐネットで事件の舞台が明らかになった。このブログで私はこう主張した。
「文科省のいじめ対策に限界がある以上、大手マスコミにはすでに社会問題化し、学校も教育委員会も手が付けられないところまで来てしまったいじめ社会の根絶に腹を据えて取り組む責任と義務がある。被害学生に対する配慮も大切だが(中略)、現在のネット社会が持っている社会的影響力が、もはや大手マスコミの思惑やマスコミの社会にしか通用しなくなった自主規制を完全に過去のものにしてしまったことに、そろそろ気づいてもいいころだ。
 あえて言う。いじめ事件の増大にストップをかけ、被害学生を守る最善の手段はニュース報道で学校名を明らかにしてしまうことだ」
 マスコミが学校内の不祥事を実名で報じた事件が今年に入って生じた。大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将の2年生男子が、顧問の男性教諭の体罰を受けた翌日自宅で自殺した事件である。この事件については校名を実名報道し、仙台育英高校や皇字山中学のいじめ自殺については校名を伏せたのはなぜか。私はNHKと朝日新聞、読売新聞に対し、報道基準を明確にするよう求めた。明確な答えはまったくなかった。で、私は1月24日に『桜宮高校を実名報道し、仙台育英高校や皇字山中学の校名を伏せたマスコミの報道モラルの基準はどこにあるのか』と題するブログを投稿して、こう書いた。
「確かに実名報道はジャーナリズムにとって悩ましい問題であることはわかる。仙台育英高校や皇字山中学の事件は、いじめと無関係な在校生や進学予定の学生に与えるであろう精神的影響や、地域周辺からの、事件を生じた学校に対するいわれのない非難が集中しかねないことを危惧したのかもしれない。だとしたら桜宮高校の場合も実名公表にはしかるべき配慮がされるべきではなかったか」(中略)
「私は桜宮高校の実名を公表すべきではなかったと主張しているのではない。実名を公表する場合、何を目的に公表するのかの基準についての報道機関の無見識を問題にしているのだ。
 日本だけではなく世界的にいじめ問題は社会問題化している。そうした状況の中で生じたいじめ問題を報道する場合、先に述べたような問題点はあるにせよ、いじめを根絶することが報道機関にとって最大の社会的責務であるはずだ。いじめ事件が生じても学校名が公表されないとなると、他の学校や教育委員会は危機感を抱かない。学校が危機感を持って生徒指導に当たるような報道をしない限り『事なかれ主義』の学校や教育委員会の無責任体質は存続されてしまう。報道機関は自らの社会的使命と責任感を自覚して実名報道の基準を明確にしてほしい」
 さらに私は2月3日、『桜宮体罰自殺事件の実名報道をマスコミは重く噛みしめよ』と題するブログを投稿した。「しつこいなぁ」と言わないでほしい。このブログで私はこう書いた。
「桜宮高校の部活体罰が、桜宮高校だけでなく全面的に不可能になったのは、ひとえにマスコミが学校名を実名で報道したからである。つまり部活動体罰が明らかになると学校名が実名で報道されるという危機感を、スポーツに力を入れている学校がいっせいに抱いたという意味合いが、この実名報道の最大の成果だった。
 確かに仙台育英や皇字山中学のいじめ事件を実名報道しなかったマスコミが抱いた『実名報道すると大混乱が生じる可能性』が、桜宮高校の実名報道で検証された。桜宮高校の在学生やその父兄、体罰を行っていなかった部活動顧問教諭や普通科教諭も肩身の狭い思いをしたであろうことは想像に難くない。
 また桜宮高校の『悪名』は当分消えないだろうから、今年の入試は桜宮高校に絞っていた中学生は桜宮高校を受験するだろうが、来年度以降、桜宮高校の受験生が激減することはほぼ間違いない。場合によっては近い将来、桜宮高校は廃校になる可能性すら否定できない。
 そういう意味では非常に大きな犠牲を伴う実名報道だったが、私は『一罰百戒』の効果の方を重視する。この実名報道によって、すべての学校(中学から大学まで)で、スポーツ系部活の在り方が一変することは疑いを容れない。(中略)
 この教訓は学校の体育系部活だけではない。プロ・スポーツの世界でも大きな変化が期待できるし、これまで負のアナウンス効果を恐れて実名報道を避けてきた報道機関にとっても大きな課題を突きつけたといえよう」
 実際、桜宮高校事件の実名報道をきっかけに体育系部活やスポーツ界の体罰が次々に明るみに出て、日本の「しごき」的指導法が完全に見直されることになった。
 いじめ事件の実名報道も、一時的には大混乱を生じるだろうが、長い目で見れば日本の学校からいじめを根絶する最善の方法だと思う。またいじめを根絶するということは、ただいじめがなくなるにとどまらず、スポーツ指導法が「しごき」重視から科学的トレーニング法に転換しようとしているように、社会的弱者に対する思いやりを子供たちの心に育むことにつながるのではないかと思う。また教師の教育目的の中にそういう意識が組み込まれていくことが必至になる。ことさらに「道徳教育」なる教科を設けなくても、いじめを根絶する過程で、子供たちの心にやさしさや思いやりの気持ちが自然に生まれるようになれば、私たち世代は安心して日本の将来を子供たちに託すことができるだろう。
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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2014-03-08 00:57:21
なんかな、こうやってネット検索ですぐに学校名がわかってしまう時代って怖い。 今度の高3生の男子生徒はもはやサジェスト汚染・・・もはや重大事件の少年は事実上成人と同じ扱い。 いいような悪いような。 ちょっとした事件ならば、(私もその母校でちょっとした事件を少年が犯したことを読売やネットで暴かれた被害者だけど、もう他人のうわさも数年くらいで、噂されていた当初も少年の悪口はあっても、事件が小さかったから学校は悪く言われないですんだ!)別にいつまでも話題になったり特別な白い目で見られたり、何かと話題にされなくてすむと思うけど。。。 例えば榊原事件の中学校の特に同じ学年の生徒とかネット時代いつまでもネットに残って、なんかずっと話題にされそうで、ある意味哀れにも感じる。こういう考え方もあることもわかってほしい。
Unknown (Unknown)
2014-03-08 01:08:15
汚名というのは、加害者だけならまだいいけど、そうでない人まで差別的なめや白い目で見られるのはかわいそうに思えてならない。 サジェスト機能は問題ありまくりでネガティブワードでマスコミ非公表なモノはさくじょされるべきで、サジェスト機能自体、ゼロから考えるべき。
 学校名をさらすのは関係ない生徒まで巻き込み、特にマスコミは(あなたとは真逆なところが少しあって)確かに重大事件はさらす必要があると思うけど、晒すメディット、デメリット、一回晒したらいつまでもネットに残り、市町村を書くだけでもすぐ特定される恐ろしい時代であることを考慮してよく吟味して発表するべきだとあなたの投稿を見てますます想いました。新聞にはこれから意見を言おうと思っているし、少年による物凄いサジェスト汚染、サジェスト機能は名誉毀損になるから一度廃止も含めてゼロから考えるように(せっかく、ヤフー会社などを取材したことあるから)今度ヤフーや裁判所、などを取材するときは私の意見を伝えて欲しい。私もサジェスト汚染ではないが、サジェスト機能でプライバシーの侵害の被害を感じて、ヤフーに差し止めを命じても応じてくれなかったこと、裁判所は名誉毀損を認めない悪者であり、それこそ殺人版やいじめ人にもなること、警察を含めた法の未整備で個人情報が住所などさらされていても、さばけない抜け穴があり、だから朝日の声欄は読者の意見を都道府県までにとどめ市町村はかけなくなったことを攻撃的に興奮して思わず怒ってしまいながら真摯に伝えました。 一回冷静になって考え直して欲しいです!
Unknown (Unknown)
2014-10-25 19:40:21
なんというか、知ったかぶりだなぁ

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