小林紀興の「マスコミに物申す」

第三の権力と言われるマスコミは政治家や官僚と違い、読者や視聴者の批判は一切無視、村社会の中でぬくぬくと… それを許せるか

「森友文書」が改ざんされたのはいつか…佐川氏の国会答弁の前か後か?

2018-03-16 03:26:49 | Weblog
 「森友文書」と言われている文書は複数存在する。それらの文書がいつ「改ざん」されたのかについて、私は少し前から疑問を持つようになった。
 私が疑問を持つにいたったきっかけは、麻生財務大臣が「国会での佐川答弁と齟齬を生じないために財務省理財局が勝手にやった。当然文書改ざんの責任者は理財局トップの佐川局長(当時)だ」と記者会見で断定的に言い切ったからだ。
 佐川答弁とは、昨年2月の国会で「森友学園側との交渉記録は一切破棄した」「売り渡し価格についての事前交渉は一切していない」「政治家などの関与は一切ない」などと断定して森友疑惑を闇に葬ろうとしたことを指す。
 この佐川答弁で、いったん森友疑惑は闇に葬られるかと思ったが、最初に森友疑惑(国有地を破格の価格で森友学園に払い下げようとしたこと)を最初に報じた朝日新聞が、今年3月2日、再び「森友文書書き換え疑惑」を執念でスクープしたことから再度火を噴いた。
 そして文書の書き換え(もはや「改ざん※」と言って差し支えないが…)の事実が次々と明るみに出て、上から書き換えを命じられたとみられる近畿財務局の職員が自殺したことが明るみに出た時点で事態は一変する。
  ※「改ざん」とは厳密な意味では自分に都合がいいように元の文書を書き
換えることを意味するが、実際には「書き換えた」のではなく、都合の悪い個所を削除したようだ。
 とりあえずNHKを除いてほぼすべてのメディアが「改ざん」という表現で統一しているので(NHKだけが「書き換え」と言い続けている)、このブログでも「改ざん」として扱うが、麻生氏の主張によれば財務省理財局が「独断で」(つまり官邸は関与せず自分たちだけの判断で)改ざんしたことになるが、その主張にはどう考えても論理的に無理がある。
 というのは、なぜ理財局が改ざんする必要があったのかということで、そのことはメディアの記者たちも麻生氏を追及したが、麻生氏は「私は分からん。佐川(※この記者たちへの発言から佐川氏を呼び捨てにするようになった)に聞いてくれ」と逃げた。「私は分からん」という以上、麻生氏をそれ以上追及できないように見えるが、理事局が勝手に改ざんしたとすると、「理財局に改ざんする必然性があるのか」という疑問が生じる。
 麻生氏は「佐川の国会答弁との齟齬(そご)をきたさないように改ざんしたのだろう」と想像をたくましくした見解を述べたが、果たして佐川答弁との齟齬をきたさないために複数の文書を財務省総がかりで改ざんしたのだろうか。
 もしそうだとすると、前回のブログで書いたように佐川氏は国会答弁で数々のウソをついたことになる。佐川氏は、なぜ国会でウソをつく必要があったのか。もし官僚の人事権を握る官邸から「国会答弁でウソをついてくれたら国税庁長官に昇進させる」というエサをぶら下げられていたとすれば、佐川氏ならずとも喜んで虚偽答弁をするかもしれないが…。
 その場合、佐川氏は国会で確信的にウソの答弁をしたことを意味する。実際国会答弁のときの映像を昨日(15日)のテレビ朝日『報道ステーション』が放映したが、何度も何度も部下からサジェッションを受けたり、メモを見せてもらったりしながら答弁していた。このことは何を意味するか。なにかとの齟齬をきたすことがないように慎重に答弁していたからではないだろうか。
 実は、そうした事情をうかがわせる要素を、やはり昨日のNHK『ニュース7』が報道した。その個所をネット配信したNHKのニュース原稿を転記する。

関係者の取材で、この職員(※自殺した近畿財務局の職員)が、上からの指示で文書を書き直させられた、といった内容が書かれたメモを残していたことがわかりました。このメモは数枚にわたって書かれていて、決裁文書の調書の部分が詳しすぎると言われ上司に書き直させられたとか、勝手にやったのではなく財務省からの指示があった、このままでは自分1人の責任にされてしまう、冷たい、などという趣旨の内容も書かれていたということです。
このほか、去年2月以降の国会で財務省側が学園との交渉記録は破棄したとする答弁(※佐川答弁のこと)をしていることについて、資料は残っているはずで、ないことはあり得ない、などと疑問を投げかける内容も書かれていたということです。

 このNHKの報道が事実とすれば、文書の書き換え(改ざん)は昨年2月の佐川氏の国会答弁の前に行われていたことになる。そうだとすれば、すべての疑問が氷解するのだ。事実関係が不明なのに、なぜ麻生氏が「佐川答弁と齟齬をきたさないように(佐川答弁の後で)文書の改ざんを行った」と言い切った理由もはっきりする。
 そもそも財務省は官庁中の官庁と言われ(予算を握っているため、他の官庁は財務省に頭が上がらない)、財務省官僚はそれなりの矜持を持っていると言われる。その財務省官僚が、なぜ森友学園のために常識的にはあり得ない便宜を図ったのか。また決裁文書を改ざんしてまで、累(るい)が権力に及ばないような忖度をしたのか。実際財務省OB(旧大蔵省も含め)はメディアで全員「あり得ないこと」と発言している。現職の自民党議員もだ。
 そもそも忖度というのは、忖度した相手に、その意が伝わらなければ意味をなさない。当然財務省が誰かのために格別の配慮をしたのであれば、その意を相手に伝わるようにしていたはずだ。ひとりよがりの片思いで、ストーカーまがいの「忖度」をするほどのバカ集団ではありえない。
 ここからは私の推測だが、昨年朝日新聞が森友学園への国有地払い下げで異例の便宜を近畿理財局が行ったことをスクープし、国会で野党から追及されるハメになった時点で、財務省と官邸がこの危機を乗り切るために、共同作業で文書の改ざんに取り組んだと考えるのが一番自然だ。
 そう考えれば、佐川氏が国会で部下にいちいちサジェッションを受けたりメモを貰ったりして、官邸に累が及ばないような答弁をした理由も納得がいくし、佐川氏の国税庁長官への昇進についても総理や麻生氏が「適材適所」とかばい続けた理由も納得がいく。
 佐川氏の国税庁長官就任で、現場の税務署職員が納税者との対応で窮地に陥っていることは総理や麻生氏も報道で熟知していたはずで、佐川氏の個人的能力は別としても、現場の部下たちを窮地に追い込むような人事を「適材適所」と言い切れる神経に、前にもブログで書いたが私はあきれていた。権力者というのは、そのくらい図太くないと地位を保てないということなのだろう。
 さらにあきれるしかないのは、文書の改ざんが明らかになった途端、これまで「適材適所」とかばい続けてきた佐川氏を、たちまち「文書改ざんの張本人」と決めつけて“トカゲのしっぽ切り”に走ったことだ。「かばうなら、最後までかばってやれよ」と、言いたくなる。
 こうなったら、どの道佐川氏の「これから」は断たれてしまったのだから(佐川氏の身の振り方についてはメディアが徹底的に追いかけるから、はっきり言ってどうにもならない)、佐川氏としてはもう洗いざらいぶちまけて、官邸と差し違えするところまで腹をくくってもらいたい。そうすれば、佐川氏の新しい「これから」の道も開けるかもしれない。私は、そう願う。

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
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