小林紀興の「マスコミに物申す」

第三の権力と言われるマスコミは政治家や官僚と違い、読者や視聴者の批判は一切無視、村社会の中でぬくぬくと… それを許せるか

「安倍・加計面談」は加計学園事務局長のでっち上げではない。事実だったことを証明する。

2018-06-23 02:10:20 | Weblog
 22日のBS日テレ『真相NEWS』を見た。テーマは「加計問題で与野党激論…理事長緊急会見の疑問」である。国民の多くが重大な関心を寄せている問題だけに、かなり多くの人が視聴したのではないかと思う。
 討論(?)の参加者はタイトルの大袈裟さとは裏腹に、テリー伊藤氏を別にすれば自民党政調会長代理の片山さつき氏と共産党書記局長の小池晃氏の二人だけ。これで「与野党激論」とは……?
 局が野党代表として小池氏だけを選んだとは考えにくいので、立憲民主党や国民民主党はなぜ逃げたのか?
 その追求は置いておくとして、ほぼ片山氏と小池氏のバトルに終始した番組だったが、ある意味、人身御供にされた片山氏がちょっと気の毒だったような気がするバトルになった。
 こういう番組を制作する場合、局は政治家個人に直接交渉することはまずない。出演者の人選は政党に任せるのが通例だ。自民党が片山氏を選んだのは、たぶん彼女の印象面の好感度のためだろう。片山氏が断らなかったのは「ご立派」と言いたいところだが、彼女の「争点そらし」の術は成功したのだろうか。
 争点は、19日に地元記者だけを呼んだ加計学園理事長の加計孝太郎氏のたった25分の緊急記者会見で、果たして加計問題の疑惑は解消できたのかという一点だった。片山氏は「疑問は解消できたとは言えない」としながらも、愛媛県今治市に獣医学部を新設したことの是非を問うという戦術に出た。「争点そらし」と私が書いたのはそのためだ。ま、彼女としてはそうするしかなかったのかもしれないが…。
 が、小池氏も番組キャスターたちも、「それは争点そらしだ」と片山氏の戦術を封じることはしなかった。なぜなのかは、わからん。
 もっとも、加計氏会見の翌日20日の朝日新聞も1面記事だけでなく「時々刻々」や社説まで総動員して論評したが、加計氏発言の最大の問題点には気づいていなかったくらいだから、小池氏が肝心の問題点を指摘できなかったのもやむを得なかったのかもしれない。
 これから書くことは、20日に朝日新聞の「お客様オフィス」に電話した内容である。電話に出た方は「大変重要なご指摘です。報道局に伝えます」と言ったが(そういう言い方をした場合、必ず報道局に伝えている)、その後の紙面にはこの重大な視点が反映されていない。外部からの指摘で批判の視点を変えることを、恥だと思っているのかもしれない。が、これから書くこと、つまり朝日新聞に伝えたことに、反論できる人は絶対にいない。安倍総理も加計氏も、反論しようのない重要な指摘だ。

「本人(加計学園事務局長で、愛媛県に安倍・加計面談の内容を報告した渡辺良人氏)が、前に進めるために申しあげたとのことでございます」

 これが実は加計氏の記者会見での発言における最大の「キーワード」だった。朝日新聞も小池氏も、総理発言や柳瀬氏の発言とのつじつまが合っていないことに批判を集中したが、この重要なキーワードが持つ意味が分かっていない。
 もし渡辺氏が、加計学園の獣医学部新設計画を「前に進めるために」安倍・加計面談をでっち上げたとしたならば、その捏造話を持ち込む相手は加計学園の獣医学部新設についてそれなりの権限を持っている相手でなければ意味がない。文科省だったら、それなりの意味を持ったかもしれないが…。
 愛媛県は加戸前知事時代から10数回にわたって文科省や構造改革特区のプロジェクトチームに働きかけてきた。が、そのつど「岩盤規制」とやらに跳ね返され涙を呑んできた。
 ちょっと話が横道にそれるが、医療界は極めて保守的な体質である。最近も専門医が初期がんを見落として患者が命を失い、病院が謝罪会見をする羽目になった事件が報道されたが、AIによる画像診断技術は専門医による画像診断技術をはるかに上回るレベルに達しているが、AIによる画像診断の導入には医療界は否定的だ。自分たちの仕事がAIによって奪われかねないからだ。
 同様に、四国には獣医学部がなく、何とか招致したいという加戸時代からの念願の前に立ちふさがったのも、競争相手が増えることを恐れた獣医師会という圧力団体であることは明らかだ。獣医師会とつるんだ農水省が文科省にくちばしを突っ込んで、愛媛県の念願を踏みにじってきたことも間違いない。
 ついでに、別に文科省の天下り事件を弁護するつもりはないが、ちょっとかわいそうな面もある。というのは、文科省は他の省庁と異なり、傘下の外郭団体が極めて少ない。霞が関では、外郭団体への「転職」は「天下り」とは考えていないようだが、文科省はキャリア官僚でも次官レースから外れた人材をおしこめることが出来る外郭団体が少ないため、OBを利用して私立大学などに「転職」の世話をせざるを得なかったのだろう。国家公務員を目指す学生諸君は、事実上の「天下り」先である外郭団体を傘下にたくさん持っている省庁を選んだほうがいい。財務省や経産省、おっと厚労省も悪くないよ。地方に行くことをいとわないなら、自治省も悪くない。
 話を本筋に戻す。加戸時代の経験から、加計学園の事務局長が安倍・加計面談話をでっち上げてまで、獣医学部新設にまったく権限がない愛媛県に報告しても何の意味もないことは、赤ん坊でもなければ誰にでもわかることだ。
 実際、この「でっち上げ話」を聞いた愛媛県は、まったく行動を起こしていない。その証拠に、安倍・加計面談についての愛媛県文書はごく最近、国会に提出されたことで明らかになった。柳瀬氏(元総理秘書官)の国会答弁に疑惑がもたれなかったら、この文書は永遠に闇に葬られていた可能性が高い。
 頭が悪い人のために、もう一度、整理しておく。
 安倍・加計面談は100%、実際にあった。そして話の内容は加計氏が事務局長に伝えたのだろう。また愛媛県にあいさつに行って来いという指示も、加計氏が出したはずだ。
 これは加戸氏の国会での証言だが、愛媛県と加計学園との関係は「たまたま愛媛県の獣医学部招致計画の担当職員が加計学園の有力者と知り合いで、そこから話が進んだ」ということだ。つまり10数年にわたって愛媛県と加計学園は二人三脚で獣医学部新設プロジェクトに取り組んできた。
 安倍総理の力添えが期待できるという状況に至った時、加計氏が真っ先にこの朗報を愛媛県に伝えようとしたのも、人情としては十分理解できる。
 
 この問題は四国に獣医学部が必要か否かの問題ではない。たとえどんなに必要であったとしても、獣医学部新設に至るプロセスに、すでに「一強」体制を作り上げていた安倍総理が直接関与していたことが問われている。安倍総理が柳瀬氏に指示して、獣医学部新設計画を構造改革特区ではなく、自らが率いる国家戦略特区に変更させ、柳瀬氏自ら加計学園の担当者を官邸に呼んでいろいろ指導してきた経緯も、また加計学園担当者が柳瀬氏との面談に愛媛県と今治市の担当者を同行したにもかかわらず、柳瀬氏の念頭には加計学園の担当者のことしかなく、「愛媛県や今治市の方とは会ったことはない」と記憶の外だったことも、すべて合理的に説明がつく。
 柳瀬氏がおかした致命的なミスは、国家戦略特区プロジェクトの主体は、事業者ではなく地域であることを熟知していなかったことだ。この初歩的ミスを柳瀬氏がおかしていなかったら、柳瀬氏が官邸に呼ぶ相手はまず愛媛県の担当者でなければならない。その際、愛媛県担当者が最大の事業者候補として加計学園の担当者を同行するという経緯であれば、安倍総理の関与も表面化しなかったかもしれない。
上手の手から水が漏れた。

 この件については5月29日と6月7日に投稿したブログでも詳しく分析しているので、そちらも参考にしていただければ幸いである。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「骨太の方針」はアベノミク... | トップ | いま、日本が直面する四大危... »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事