小林紀興の「マスコミに物申す」

第三の権力と言われるマスコミは政治家や官僚と違い、読者や視聴者の批判は一切無視、村社会の中でぬくぬくと… それを許せるか

読売新聞に追随してNHKも日本国民を犠牲する側に回ったのか。

2021-07-06 03:09:39 | Weblog
NHKが公共性をかなぐり捨てた。すでに公共放送ではないことは何度も指摘してきたが、ここまでやるとはと、あぜんとした。
5日の『ニュース7』で、東京オリンピックの開催についての世論調査の結果を報道した。私は食事中で数字は多少うろ覚えであることをご承知いただきたい。ただ、食事が終えた直後の7時半ころ、NHK「ふれあいセンター」のスーパーバイザー某に電話をして、世論の動向について10分ほど話をした。
私のつたない記憶ではNHKの世論調査の結果は、「予定通り開催」が21%、「無観客での開催」が38%だったと思う。合わせると「開催派」が約60%になる。その数字が、実は確認できない。『ニュースウォッチ9』では世論調査については一切触れなかったし、ネットで調べても記録がない。どういうことか。(※世論調査ではなく、都知事選での出口調査の結果であることが判明しました。なお数字は正確でした。7日訂正)

●NHKは読売新聞と同体化することにしたのか?
私のブログの読者ならご存知と思うが、6月8日付でアップしたブログ『読売新聞の世論調査はフェアと言えるか?』で指摘したことがある。
ほぼ1か月前で、まだ再延期の可能性はかすかに残っていた時期だ。が、読売は6月4~6日にかけて行った世論調査を7日に公表したが、すでに再延期はないという前提で世論調査を行った。
通常、オリンピック問題についての世論調査は「予定通り開催」「再延期して開催」「中止」の3択で行う。この時期すでに「予定通り開催」の場合でも「観客数を制限しての開催」と「無観客での開催」で世論は分かれていたから4択での世論調査もありえた。
が、読売は「観客数を制限しての開催」「無観客での開催」「中止」の3択で調査した。要するに「再延期での開催」を意図的に外したのだ。当然「再延期派」は「開催派」と「中止派」に二分される。実際、読売の調査結果は同紙によれば「『開催する』が50%、『中止する』は48%で、世論が二分された」という結果になった。そういう結果を導くための世論捜査を目的とした調査であることは、メディアの関係者なら百も承知だろう。
読売や産経が政府の御用新聞化していることは常識だから(ただし、政治家のスキャンダルは与野党を問わず追及はしている)、読売ならオリンピック開催に世論誘導するような記事を書いたりアンケート方法を非常識なものにしたりすることには驚かないが、NHKまでが、ということになると話は違ってくる。
私がNHK「ふれあいセンター」のスーパーバイザーに申し上げたことはかいつまんで書くとこういうことだ。

世論はちょっとしたことで大きく動く。たとえば4日に投開票が行われた都議選。1週間前の世論調査では自公が圧勝するはずだった。
が、自公は過半数を取れず、惨敗が予想されていた都民ファーストが自民に迫る議席を獲得した。小池都知事は選挙を知り尽くしている。投票日の前日に突如、競り合っている選挙区を走り回って候補者を応援した。演説はしなかったが、それも小池の選挙戦術だったかもしれない。
オリンピックに関していえば、ここまで来たら「中止」は物理的にも不可能だろう。が、東京都の感染者数は増え続けている。いまさら中止は不可能ということになれば、「無観客派」が増えるのは当たり前だ。いま「無観客派」は38%であっても、このまま感染者が増え続ければ1週間後には「無観客派」が50%を超えるかもしれない。世論調査自体を否定するわけではないが、世論の動向が変化する要因をフェアに報道すべきだ。

ざっと、そういうことを話した。たぶん『ニュースウォッチ9』では、そうした調査結果の分析もするだろうと思っていたが、世論調査の結果さえ報道しなかった。先に述べたように、ネットからも消されていた。どういうことか。

●感染リスクは観客ではない。海外の選手団や関係者だ。
何度も書いてきたが、東京オリ・パラのコロナ感染リスクは観客問題ではない。実際、プロ野球やサッカーは有観客で試合をしているが、そのことによってクラスターが発生したという話は聞いたことがない。
日本人は比較的規律を守る。外国人(集団行動をする観光客は除く)が日本に来て最初にカルチャー・ショックを受けるのは、電車やバスの整列乗車だという。どうやら海外では電車やバスに乗る際、整列乗車はしないようだ。我勝ちに乗車しているのか?
同様に、日本の野球場やサッカー場では観客の大半はマスク着用、発声応援禁止といったマナーをちゃんと守っている。マナー違反をしたら、ほかの観客からつまみ出される。
今回のオリ・パラはいち早く海外からの観客入国を禁止した。さすがにバカ丸出しの組織委も、海外の観客を入れたらどういう事態が生じるかくらいはわかっていたようだ。実際、ブラジルやイギリスで行われているサッカーの大会では、これがコロナ禍での行動かと思えるほど観客は自由奔放に騒ぎまくっている。その結果、クラスターが爆発的に発生しているようだ。だから東京オリ・パラに海外の観客を入れたら大変なことになると、私は相当前からブログで警告を発していた。
幸いバカ丸出しの組織委も、海外のそういった状況はわかっていたようだ。だから、組織委としてゆいつ日本国民のために行った決断が、海外からの観客は入れないということだった。
だから、ブログでも書いてきたように、日本人観客だけだったら、一定の人数制限で感染対策は充分である。なにも1万人上限とか5000人上限といった人数制限をする必要はない。1座席ずつ空席を作れば収容人数の半分まで観客を入れても問題はない。
これも何度もブログで書いてきたが、最大のリスクは海外からの選手団や関係者(報道陣やスポンサーなど)が持ち込むリスクである。前回のブログで書いたように、すでにウガンダの選手やコーチに感染者が複数出ている。彼らはアストラゼネカのワクチンを2回接種して、その証明書も提出しているという。なのに、なぜ成田で感染者が見つかったのか。ウガンダの選手団は総数9名。しかも残りの8名は隔離もせず泉佐野市の合宿ホテルに専用バスで移動させたという。そして合宿先でまた選手一人に感染が見つかり、さらにバスの運転手や選手のコーチにまで感染が判明した。こんなずぼらな受け入れ態勢で、果たして安全・安心な大会を開けるというのか。
日本側は海外からの報道陣に対して行動制限をかけることにしているが、すでにアメリカなどの報道陣から猛反発が出ている。
報道陣だけではない。アメリカではバイデン大統領が必死になって米国民にワクチン接種を呼び掛けているが、トランプ信奉のアメリカ人がワクチン接種に猛反発し、民主党支持者との間で小競り合いも生じているという。報道陣やスポンサーなども含めると、アメリカからの入国者は万を超えそうだ。たった9人のウガンダ選手団さえコントロールできない日本の受け入れ態勢で、どうやってアメリカからの感染者入国を防ぎきることができるのか。
報道陣は「報道の自由」をタテにとって自由行動を要求するだろうし(もうすでにしている)、どうやって彼らに短時間で「日本的規律」を守ることを説得できるのか。できるわけがない。なにせ広島・長崎に原爆投下した「正当な理由」を今でも「戦争の早期終結」「米兵の犠牲防止」のためと信じている国民が大多数の国だ。が、広島に投下した原爆はウラン型、長崎に投下した原爆はプルトニュウム型。どっちの原爆が原子兵器として有効かの人体実験を行った国だ。ベトナム戦争では枯葉剤の人体実験も行った。私は中国・習近平政権の香港の自由剥奪や新疆ウイグル族への弾圧を擁護するつもりはないが、アメリカに人権擁護を主張する権利はないと思っている。
さあ、日本政府よ、「日本のルールに従えないなら、東京オリ・パラへのアメリカの参加は認めない」と言え。