小林紀興の「マスコミに物申す」

第三の権力と言われるマスコミは政治家や官僚と違い、読者や視聴者の批判は一切無視、村社会の中でぬくぬくと… それを許せるか

小保方晴子氏のSTAP細胞作製は捏造だったのか、それとも「突然変異」だったのか ?

2014-03-11 06:31:17 | Weblog
 昨日NHKの『ニュース7』の報道で初めて知った。びっくりした。ニュースをご覧になっていた方は、皆さんびっくりされたと思う。理化学研究所のユニットリーダー・小保方晴子氏が世界で初めて作製したとして世界中の話題になったSTAP細胞が捏造だったという疑惑が持ち上がったというのである。
 STAP細胞とは、あらゆる細胞に分化させることができる「万能細胞」の一種で、今年1月30日、小保方氏のグループがマウスの細胞の作製に成功したと、世界でも最高権威とされているイギリスの科学誌『ネイチャー』に発表したもので、自分の細胞の一部から自分の皮膚やあらゆる臓器を作れる究極の医療革命と話題になっていた。昨年はips細胞の発見で京都大学の山中伸也教授がノーベル賞を受賞したばかりなのに、STAP細胞はips細胞よりはるかに簡単な方法で作成でき、しかも細胞がガン化する可能性も低いと世界を驚愕させた研究成果だった、はずだった。
 が、NHKはニュースで、共同研究者の山梨大学教授の若山昭彦氏にインタビューして、STAP細胞研究についての疑惑が生じたと報道した。若山氏によると「研究データに重大な問題が見つかり、STAP細胞が存在する確信がなくなった。研究論文に名を連ねた研究者たちに論文の取り下げに同意するよう働きかけている」という。一方、研究の舞台になり、世界中に名をとどろかせた理化学研究所は「研究の本質的な部分については揺るぎないものと考えている」と発表した(公式発表の責任者は不明)。
 私はこのニュースを見てびっくりして、すぐネット検索してみた。結果はNHKのスクープでもなんでもなく、日本中が大騒ぎし始めた直後の2月中旬には研究者たちの間で「STAP細胞作製研究は捏造ではないか」という疑惑の声が生じていたようだ。また1週間前には肝心の理化学研究所の論文(発表者不明)が、当初は細胞に変化が生じたとしていたが、その後の再現研究では変化が生じなかったとしているようだ。再現性が認められなかったら、なぜ「研究の本質的な部分については揺るぎがない」と言えるのか。
 自然科学の分野における新発見や発明は、再現性の確認がきわめて重要な要素を占める。生物学の分野においては「突然変異」という現象が生じることはよく知られている。私も多分中学生のころ理科の勉強で学んだと記憶している。なぜ突然変異が生じるのかは、私の中学生時代にはもちろん解明されていなかった。ただ、科学的に説明不可能な変化が生物界にはたびたび生じていて、その現象を「突然変異」と称することになったようだ。
 今は、なぜ「突然変異」が生じるのかの研究がかなり進んでいて、DNAあるいはRNAの塩基配列に原因不明の変化が生じる「遺伝子突然変異」と、染色体の数や構造に変化が生じる「染色体突然変異」に大別されているようだ。こうした変異が生じる原因を特定できれば、同様の状況を遺伝子や染色体に作用さ
せれば、それは「突然変異」ではなく人工的に同様の変異を作り出すことが可
能になるはずだ。
 実は農作物の新種改良は、意図的に突然変異をたまたま作り出すことに成功した結果である。種無しブドウや種無しスイカなども、たまたま突然変異で生じた種無し果物を何世代にもわたって掛け合わせて創り上げたもので、研究室の中のフラスコやビーカーの中で作られた新品種ではないのである。遺伝子操作による品種改良の最初の商用栽培は1994年にアメリカで発売された「フレーバーセーバー」で、熟しても皮や実が柔らかくならないトマトである。
 で、問題はSTAP細胞が原因不明で生じた「突然変異」だったのか、それとも研究者としては絶対に許されない捏造研究だったのか、ということに絞られるのではないかと私は見ている。
 突然変異的現象は、実は物理現象にもみられることがあるようだ(私は物理学者ではないので確信を持って言っているわけではない)。1989年の春、世界を驚愕させるビッグニュースが飛び出した。実験室のフラスコの中で核融合が生じたというのである。普通の実験室の中で生じた現象だから、当然「常温」である。真偽が明らかでない状況だったが、友人が社長をしていた出版社(早稲田出版)から、社長に勧められるままに『核融合革命』と題する本を緊急上梓した。そのまえがきで私はこう書いた。私自身の懺悔と思って読んでいただきたい。

「ノーベル賞100個分に相当する大発見かもしれない」と言われている常温核融合――。
 そもそも人類究極のエネルギーといわれる核融合は、太陽のエネルギー源を地上で作り出そうというものだ。公害の心配がなく、かつその資源も海水中に無尽蔵に含まれている。核融合エネルギーを人類が手に入れることができれば、石油や石炭、天然ガスなどの化石エネルギー資源が枯渇したとしても、エネルギー問題で悩まされることは二度とない。
 さらに核融合は、地球温室化(※当時は「温暖化」ではなく「温室化」と言っていた)や砂漠化の進行も一気に食い止めてくれる。いま世界各国で反原発運動が盛んだが、実は火力発電も大きな問題を抱えており、地球温室化の原因である炭酸ガスや、砂漠化の原因である酸性雨の発生源となっているのである。
 ところが、この核融合エネルギーを地上で手に入れることが、また至難の技なのだ。重水素や三重水素を1億度以上の超高温に加熱し、磁場の力などを利用して容器の壁に触れないよう空間に閉じ込めなければならない。日欧米ソはその研究にしのぎを削っているが、実現は早くても40~50年後と予測されている。一方、地球温室化がこのままのペースで進めば南極や北極の氷が溶け出し
て、50年後には東京やニューヨークをはじめ世界の臨海大都市は、かなりの部
分が水没してしまう。富士山麓に広がる広大な樹海も、その大半が砂漠化しているだろう。
 いま、直ちにエネルギー問題に有効な手を打たなければ、地球と人類は大変な危機を迎えることになってしまう。
 そんな矢先に1989年の春、降って湧いたように飛び出したのが、常温核融合という“大発見”だった。常温で、しかも中学生の電気分解実験装置に毛が生えたような道具立てで核融合が生じるというのだ。世界中の科学者や産業界、マスコミが大フィーバーしたのも当たり前であった。
 常温核融合を発表した米ユタ大学のグループは、特許問題がからんでいるせいか、実験の詳細を現段階では公表していない。
 だが、産業界のユタ大学詣では、すでに盛んである。日本企業数社を含む200社以上が、ユタ大学グループに共同研究や技術提携を申し入れており、大学当局はその対応に大わらわとなっている。
 そうした動きの中で、7月に入って、ユタ大学と米GE社とが常温核融合の研究協力を行うことにしたと発表し、産業界にショックを与えた。すでにGE側研究陣の一部はユタ大学グループと合流し、大がかりな実験装置の開発に着手したと伝えられている。
 人類の夢を大きく膨らませた常温核融合。ユタ大学グループによれば、20年後には核融合発電が実用化されるという。そうなれば、2年前に大フィーバーした超電導をはるかに上回るインパクトを、政治・経済・社会のあらゆる分野に与えることになる。
 2010年、我々の世界はエネルギー問題を克服してバラ色に輝いているのか。それとも、エネルギー問題の解決と引き換えに、深刻な政治社会問題を抱え込むことになるのだろうか。
 人類の知恵が問われる時代が、間もなくやってくるのである。

 常温核融合の見果てぬ夢に世界中が沸き立ったのは、隅田川の上空に打ち上げられた大輪の花火のように一瞬で消えた。現在の原子力発電は核分裂の際に生じるエネルギーを利用している。原爆も原理的には同じく核分裂を利用している。核分裂とは、一つの原子の原子核が複数の原子核に分裂する現象。それに対して複数の原子核がくっついて一つの原子核になるのが核融合である。実は太陽は核融合によって巨大なエネルギーを地球のもたらしてくれている。核融合の原理を利用した原子力発電が「地上の太陽」と呼ばれるゆえんである。
 核融合型原発の利点はたくさんあるが、原材料が無限にあり、「核のゴミ」の
ような汚染物質を一切出さないことが最大の利点とされている。が、実用化は、
当時で2030年ごろと考えられていたが、今はまったくめどすら立っていない。常温核融合という世界中の物理学者たちが予想すらしたことのない現象を偶然「発見」したのはユタ大学の化学科主任教授のスタンレー・ポンズ博士である。重水を満たしたガラス試験官にパラジウムと白金の電極を入れて、しばらく放置したのち電流を流したところ、電解熱以上の発熱が得られ、核融合の際に生じたと思われる三重水素、中性子、ガンマ線が検出されたという。
 ポンズ博士はユタ大学の化学科主任教授をしていたくらいだから、研究自体を捏造するような人物ではない。しかし、世界中の科学者、物理学者たちが再現実験を試みたが、成功したという確実な報告はどこからも出なかった。かといって、今回のSTAP細胞問題のような「捏造ではないか」といった疑問が出た形跡もない。実際、ポンズ博士は92年にはフランスにわたり98年までトヨタ系の研究所で常温核融合の研究をつづけたというから、彼自身は必死に再現条件を見つけようと頑張ったが、徒労に終わったようだ。
 もし、ポンズ博士のような研究者がSTAP細胞の作製に成功したと発表していたら、世界中の研究者が再現研究で成果が得られなかったとしても「捏造」呼ばわりされることはなかったであろう。だが、STAP細胞の場合は、単に再現性が確認できなかったというだけでなく、小保方氏の研究グループが発表したSTAP細胞の写真に何らかの人工的な作為の形跡が見られたようだ。そうなると、再現性が確認できたかできなかったかというレベルの問題ではなくなる。
 物理的現象でも、必ず再現するとは限らない。私自身の経験でいえば、40年近く前のことだが、妻が東芝のスチームアイロンを使っていた時、アイロンの注水口から突然熱湯が噴出して娘の足に飛び散り大やけどしたことがあった。私は直ちに県の試験場にアイロンを持ち込み調べてもらった。実験の結果、再現が確認できたため、試験場は記者会見を開いて公開実験をした。公開実験は失敗だった。熱湯が噴出さなかったのである。が、熱湯が噴出した瞬間を写した写真を記者に配布していたため、かなりの新聞が大きく取り上げ、スチームアイロンは危ないという認識をかなりの人が持った。これは40年近く前の話で、現在のスチームアイロンが危険だなどと言うつもりはない。
 いま一番困っているのはパソコンのトラブルである。私が使っているのはウィンドウズ7で、オフィスは2010である。このブログもワード2010で書いて貼り付け投稿しているが、はっきり言ってOSの7もワードも欠陥だらけである。XPは使いやすいOSだったし、ワード2007の学習機能もそれなりに使い勝手がよかった。2010で、マイクロソフトは小学生以下の「人工知能」なるものを変換技術に入れたため、誤変換率は間違いなく2007より高くなった。が、マイクロソフトは、自分たちのプログラム・ミスを絶対認めようとしない。私が技術サポートの担当者に「どうして、こういうおかしな変換をするようにしたのか」としつこく聞くと、「開発者の意図は私にはわかりませんが、ミスではありません」と言い張る。技術サポートの担当者が、開発者の意図を説明できないようなおかしな変換がミスでないなら、なぜバグが発見されるたびに修正プログラムを送ってくるのか。その修正プログラムなるものも、ほかのプログラムにまで影響して、かえって操作性が悪くなってしまうことも少なくない。いまでもXPファンが多いというのも、マイクロソフトが長期にわたってバージョンアップを重ねてきたし、オフィスも03から07へとバージョンアップして、かなり使い勝手のいい組み合わせに育てて来たからである。スマホのユーザーを取り戻そうとして8を出したのだが、スマホのユーザーがパソコンに戻るわけがないことくらいわからなかったのだろうか。
 それはともかく、私が困るのは、ワードが常に同じ誤変換をしてくれるとは限らないことである。つまり「気まぐれ変換」なのだ。だから、私がマイクロソフトにクレームの電話を入れて画面を共有して操作しても、必ずしもおかしな変換をしてくれるとは限らないのである。おそらくワード2010をお使いの方は、私と同様な腹立ちをしばしば感じられているだろうと思う。
 話が横道にそれたが、ある種の状況下でSTAP細胞ができたというのは事実だろうと思う。しかし再現実験をすると同じ結果にならなかった。そこで「再現性がある」ことを証明するために写真に人工的な作為を施したとしたら、マイクロソフト並みに悪質と言わなければならない。ポンズ博士は10年にもわたって常温核融合を再現できる条件を見つけようとしたが失敗した。だが、研究者の姿勢はポンズ博士のようでなければならないと思う。ひょっとしたら、100年後に常温核融合を確実に再現できる方法をだれかが見つけるかもしれないし、STAP細胞にしても100年後に確実に再現できる方法をだれかが見つけるかもしれない。自分たちの研究成果を、いま間違いないものにするための細工をすれば、その研究に手を染める人はいなくなってしまう。そのことの方が、失われるものは大きい。
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