追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

東京都知事選・小池氏圧勝のなぜ?

2016年08月03日 | 政治・経済
 
7月10日の参議院選、東京都の比例得票数は自公与党と野党4党はほぼ
拮抗している。
従って与党が増田、小池に分裂した時点で野党が支持する鳥越氏が圧倒
的に有利だったはずだが、結果は小池氏の得票が増田、鳥越両氏の
得票数を合算したのと同程度の圧勝だった。増田、鳥越両氏ともそれぞれ
の組織が参院選で獲得した数の半分程度に止まった。すなわち残りの半分
が小池氏に流れたと考えればわかりやすい。

何故小池氏がこのような大差の勝利をかち得たのか。その理由は政界の
渡り鳥と言われた彼女が自らの政治活動の中で掴み取った勝利の方程式
を確実に実行したからに他ならない。
攻撃する相手を仕立て上げ守旧派・抵抗勢力のレッテルを張って、自らを
改革派とするイメージ戦略である。
 
これこそ小池氏が初めて政界入りした新進党細川氏と小沢氏に依る非自民
7党の連立の政権奪取劇の際にとられた戦略であり、これにより平成5年、
38年振りの連立政権の支持率は70%に達した。
鳩山・小沢による民主党政権も強烈な改革路線を打ち出し、改革政党の
イメージが国民の大きな期待を生み無党派層を動かした結果であり、小泉
政権が郵政民営化を進める為、自民党の中の反対者迄抵抗勢力に祭り上
げ多数の刺客を立て小泉劇場を成功させのたが、その刺客の一人が小池
氏そのもの、当に劇場のメインキャストだったのである。

このように考えれば小池氏が自民党の事前了解も取らずに先出じゃんけん
で立候補を名乗り出た理由もよくわかる。政党色・組織色を消し去ること
によって自公都議団を守旧派、抵抗勢力、ブラックボックスに仕立て上
げることができたのである。
東京都選挙民は政党支持者と云えども風の具合でいつでも無党派層になり
うる人物が多い事も幸いした。

更に敵失も大きく味方した。石原の厚化粧女発言、作家とも思えぬデリカ
シーに欠ける発言で女性票40万票が小池サイドに流れたといわれている。

鳥越氏も厚化粧発言に悪乗りしてしまったし、憲法改悪反対、非核都市
宣言等都政に直接的に関係ない政策を連呼したのはプラスにならなかった。
短期勝負の都知事選挙に重い政策は不要、マイナスにすらなると言われて
いるし、非核都市宣言によって民主支持母体・連合の票が小池氏に流れた
とも言われている。
 
小池氏がブラックボックスとまで決めつけた自公都議団の怒りはすさま
しい。彼等との摩擦と溝を上手く処理し都政を乗り切っていけるか、前方
にたちはだかる山は高い。
しかし山が高ければ高いほど苦労して乗り越えれば彼女にとって新たな
世界が開けてくるような気がする。

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