追憶の彼方。

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日本の民主主義…(3)官僚主権

2016年10月28日 | 文化・文明
日本では民主主義が実現しておらず未だ可能性に止まっている。

民営化の美名のもとに次々と独立行政法人を作り天下り先を確保して
税金の無駄遣いで自己増殖を続ける官僚組織、その改革を進めるのは
並大抵のことではない。
日本の官僚組織が有する強大な権力の源泉は何処にあるのだろうか。

先ずその第一は情報の独占である。
行政の中心である省庁にあらゆる情報が集まるのはシステム的に当然
の事で仕方がないが、しかし省庁は集まった情報全てを即時公開するわ
けではない。
物事を判断するのに一つの情報より5つの情報を持っている人間の方が
より的確な判断が下せるのは自明の理である。即ち官僚が優秀なので
はなく判断する為の情報量が多い為優秀に見えるだけの話である。
(これは一般の企業でも同じで情報の集まる部署にいる人間は往々にし
て優秀に見えるという事はよく経験することである。)

日本で政党を支援し政策立案が出来るようなシンクタンクが生まれない
のは官僚が情報を独占し担当大臣にさえ一部の情報しか与えない秘密
主義に問題がある。
政治家が何時までも官僚の掌の上で踊らされるのはここに原因がある。

2番目は官僚に与えられている裁量権である。
現代の日本では立法府が機能不全に陥り①官僚が作った内閣提出法
案が殆どである。②しかも法律では大枠だけを決め細かいところは官僚
が作成する「政令・省令・委員会規則」等が中心になっている。
即ち法律の解釈を行政に委ねる事によって行政裁量権の拡大が進んで行く。
官僚は立法を起案する際に、必ず自分達の裁量権を確保する文言を
付け加えることを忘れない。
官僚は多くの規制を設けその許認可を行い、予算の配分先・配分量をも
決定する。
この裁量権を行使して国会議員(族議員)ですら官僚のしもべに
なり下がってしまうのが実態である。
この裁量権こそが日本社会の巨大な利権構造・汚職や税金の無駄遣い
の温床になっているのは周知の通りである。
官僚はこの裁量権を使い作り上げた独立行政法人、更には団体・企業と
云った癒着先に天下りを続ける。巨額の報酬と退職金、当に官僚天国で
ある。

本来租税制度は国民に対して平等でなければならないしその為には
恒久措置で無ければならないが日本の税務当局(財務省)はこれを
特別措置にして2年や5年に一回特別措置の恩恵を受ける為陳情しな
ければならない仕組みを作っている。
これが租税特別措置法と言われるもので日本の税制を複雑にし特に
外国人に解りづらくする大きな要因になっている。
日本の法人税は高いと言われているが殆どの企業が何らかの形で
特別措置の恩恵を受けているのを考慮すると実際は決して高くない
のである。

日本の民主主義…(4)日本の司法の問題点に続く

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