レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

新「ミケーレの蒼き仮面」126

2014-08-23 08:03:27 | 小説

新「ミケーレの蒼き仮面」126



 「化け物だー」
 「逃げるぞ!」
 「飛び込めー」
 「えー」
 「じゃなきゃー」
 ラーメンが元右大臣の家来や寝返った家来を追いかけると、
 彼らはいっせいに海へ飛び込んでしまった。


 そして、
 サギーは早口で何かまくしたてた後、
 「どうだ!
 ここにおられる神様の力がわかったかー!
 悪は成敗される! 愚民ども頭が高い!」
と、
 最後に大声をあげてアニーの方を指差して、
頭を下げた。
 「ははあー」
 民衆たちはサギーの嘘っぱちの説明に完全に騙されてしまい、
同様にアニーに向かって頭を下げた。
 「で、次の国王はだな」
 「ははあ」
 「追って、ここで発表する。
 さあ、いったん下がれ!」
 「ははあ」
 「はよう!」
 「ははあ」
 その国の民衆たちはもともとバカなので、
言われるまま自分の家に帰って行った。


 「さあて、
 次の国王には俺がなるかなあ?」
 「サギー、冗談でしょ?」
 「そうしてくれるとありがたいねえ。
 あの王様は頼りないからねえ。
 あんたは、
 今の話しはよくわからなかったけど、
 とても立派だったよ」
 「うん。僕もそう思った」
 サギーの適当な話しを理解できていないが、
その話しぶりにだけは感銘したチュンメーもパティも真顔で言う。
 「だめだよ。本気にしちゃー」
 ウトーが笑って言う。
 「そうね。
 サギーはお調子ものだからねえ。
 やっぱり、森で暮らしなよ」
 「それがいいね」
 「オーラ」
 肺女と柿女が口を揃えて言うと、
 チンパンも手をたたく。


 「待たせたなー」
 「ラーメン、
 あんなにたくさんの家来もうやっつけちゃったの?」
 「いや。あいつらバカだから自分で海に飛び込んで行ったよ」
 「あら、
 あっち側はサメが一杯いるのよ」
 「さあな」
 「で、この悪い奴は?」
 「そうだなあ?」
 「それから、次の王様は?」
 「そうだなあ?
 ウトー、おまえやるか?」
 ラーメンがウトーの方を見て、
 そう言った。

(続く)



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