さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

一日勘違いしてました ジョシュア、ガヌーを2回KO

2024-03-10 00:00:15 | 海外ボクシング



そんなことで昨日未明、サウジアラビアでのビッグイベントが、DAZNでPPVライブ配信されました。
題して“KNOCKOUT CHAOS”。
このイベントについては、少し前に、PPV料金3000円というのを見て、うーんと考えこんでいた次第です。


実は私、どうも格闘技他ジャンルの選手と、スターボクサーが試合するのを見るのに、精神的苦痛を感じるタイプのようでして...ルールが合わない昔日の茶番は論外ですが、数年前にメイウェザーvsマクレガーがWOWOWで録画放送されたとき、いっぺん見てみようか、と思って見始めたら、2ラウンドくらいで何か、腹が立つというか、気分が悪くなって、見るの止めて、いまだにそのままだったりします。
先のフューリー、ガヌー戦もハイライトだけ見ましたが、DAZNにしばらく置かれていたフルラウンドのアーカイブは、結局手を付けませんでした。

何でかな、と自分で考えてみましたが...要はボクシングの習熟度が違う組み合わせでありながら、他の競技での地位や名声でそのギャップを埋めて、ビッグイベントとして喧伝するものの、実際の試合ではボクサーの方が緩い調整や闘い方をする、という構図は見るに堪えない、ということなのでしょう。


今回、メインカードは言えば同様のもので、でもアンダーはなんやかや(というと失礼ですが)それなりに興味を引かれるものもあって...まあ当日、気が向いたらPPV買うて見たらええか、気が向かなんだらその向きで、とか思っていました。
ところが、土曜日深夜、日曜未明だと思っていたら、金曜深夜、土曜未明だったんですね(汗)。
今朝起きたら、YouTubeのおすすめにフルカードハイライトが上がってて「ありゃ」と。
間抜けな話ですが、慌てて各カードごとのハイライトをチェックしたようなことです。全部、結果知らずに見られました(笑)。

とりあえず、フルカードハイライト貼っておきます。






アンソニー・ジョシュアはフランシス・ガヌーを2回KO。
ハイライトを見る限り、ジョシュアがインサイドへ鋭いワンツーを打つと、ガヌーは反応できずに、まともに打たれて倒れていました。
前回はタイソン・フューリーをダウンさせ、10回を闘い抜いたガヌーですが、ジョシュアはフューリーと違い、きちんと仕上げてきて、しっかり狙って打った、ということでしょう。
さすれば、こういうことになる。そういう理解で良いのかな、と。
前回のフューリーが、いかにいい加減な調整(と呼ぶにも値しないですかね)を経て闘っていたのか、ということでもありましょうか。


アンダーの判定になった試合は、ハイライトだけでは何とも言えませんが...ツァン・チレイは二度ダウンを奪うもジョセフ・パーカーに判定負け。
報道によると、ツァンはスタミナ切れで、落とした回が多かった、という評も。そういえば以前もスタミナ切れて負けた、という試合してましたね。

レイ・バルガスはニック・ボールに二度ダウン奪われドロー防衛。ボールはえらく背の低い、却ってやりにくそうな相手でした。
しかし小さいけどタフで荒くて、元気の良い選手でした。この選手とブランドン・フィゲロアがやったらどうなるかなあ、と思ったりも。

イスライル・マドリモフは以前DAZNでだったか、見たことあって、良い選手だと思っていましたが、右オーバーハンド決めて、追撃でストップ勝ち。
最初の右ヒットで相手の腰が砕けていて、ロープに支えられている状態。レフェリー、良い判断でストップしました。


他にも色々試合があって、まともに全部見ていたら、かなりの長丁場だったことでしょうね。
メインはアーリーKOでしたが、判定も多かったですから。正直、PPV買って見るには微妙というか、迷うところではありますね。
さすがにウシクとフューリーの試合となれば、買って見るのに迷いはない...と思っていたら、こんなしょうもない記事を見てしまいました。

本当に、見る者の気持ちというか、感情を少しは考えてほしいもの、ですねー。
こういうの、本当に購入意欲が減退します。もうちょっと真面目にやってもらいたいなあ、と...。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

強打も切れ味も目を引くが 高田勇仁、ダウン応酬の判定勝ち

2024-03-09 00:30:48 | 関東ボクシング


ということで昨日はA-SignのYouTubeチャンネルにて、ライオンズジム初の主催興行“LIONSGATE”を見ておりました。


メインの日本ミニマム級タイトルマッチ、高田勇仁vs伊佐春輔は、高田が判定勝ち。
伊佐との4度目の対戦を制し、対戦成績を3勝1敗として、王者の面目を...と、100%言い切れる試合だったかは、ちょっと微妙でした。


初回、伊佐は左突いて足使い、旋回して右から回り込む右クロスを当てる。
高田は軽いヒットを喫するが、後続打は柔軟な防御で外すシーンも。
2回には右ボディから左フック上のコンビで伊佐を捉え、さらに攻め立てる。伊佐も返すが、打ち合うとどうしても高田が優勢に見える。
3回、4回と伊佐は離れて右クロス。しかし高田もカウンターからボディ攻め。伊佐は当てたら離れて外したいが、どうしても打ち合いになってしまう。

5回、高田出てジャブで追い、右アッパー、またジャブ。高田は打ち合えばパワーでまさり、離れても精度で伊佐に負けない。
途中採点、4対1で三者揃い、高田リード。
6回、採点を聞いて伊佐が巻き返しに出る。ボディ攻撃の応酬。身体寄せて打ち合う。
この回終盤、高田が出て伊佐がロープ際から右を振り、高田も遅れて右。互いにヒットしたが、先に当てた伊佐の方が却ってバランスを崩す振り方をしていたせいか、ダウンしてしまう。
ダメージはなさそうだが、ヒット自体はあったので、ダウン裁定が妥当と見ました。

伊佐、巻き返しに出た回で失点が嵩むという、ますます厳しい展開。
もう倒さないと勝てない伊佐、苦境に立つが、ここからなおも健闘。

7回、高田のジャブ、ワンツー。左ボディも。しかし8回、伊佐も回り込む高田を追って連打。
高田疲れてきたか、見るからにスローダウン。ガードも下がり気味、腕を振り回すような打ち方に。
伊佐が手数を増やして追い立て、左フック好打。高田、危ない食い方をし始める。

9回高田の右アッパー、派手なパンチだが伊佐が止まらない。
両者揉み合いも増えるが、懸命に手を出し合い、最終10回、ラストで高田が右フック、伊佐が右ショートを同時に打ち、伊佐が打ち勝って高田ダウン。
立った高田、ゴングに救われ試合終了。判定は3-0、クリアな勝利ではありましたが、伊佐の追い上げも激しく、内容的には厳しいもの。
先日の松本圭佑、前田稔輝戦でも思ったことですが、うっかりWBOアジアパシフィックなんかが懸かった試合にしてしまっていたら、一体どうなったものやら、という終わり方でもありました。


高田勇仁、パンチの威力や、柔軟な身体を生かした防御など、最軽量級でも十分なスリルを提供してくれる、魅力あるボクサーです。
しかしスタミナやペース配分などは、この上、世界をどうこうという話になると、変わらず課題が残った、という印象。
最後は腕を振り回すような打ち方になっていて、見事にカウンター取られてダウンさせられました。勝って反省、という試合でした。
伊佐春輔は前半、リードされてさらにダウンを追加されて、という苦境でも、最後まで健闘したと思います。




セミの渡邊海vs大畑俊平は、5対3がふたりの4対4がひとり、2-0で渡邊が勝ちましたが、内容的には大畑の勝ちもあるかなと見えました。
少なくとも大畑自身の手応えとしてはそうだったのでしょう。実際、正確なヒットは大畑の方が多かったような。
大畑の攻撃は見た目、若干地味だったかもしれませんが...ただ、採点というものが、印象や雰囲気に左右されることを込みで行われるものであってはいけない、とも思いますし。
大畑はこのレベルでは一打の決定力に不足があったかもしれませんが、若干変則なところもある、長身の渡邊相手に、良い攻め口を見せていました。今後、注目ですね。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高田vs伊佐戦、18時よりライブ配信開始

2024-03-08 16:16:07 | 関東ボクシング


本日の日本ミニマム級タイトルマッチ、ライオンズジム初の主催興行“LIONS GATE”は、18時よりライブ配信予定。

こちらから見られるはずです。取り急ぎ。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今回はA-SignのYouTubeで 高田勇仁、伊佐春輔と4度目の対戦

2024-03-08 00:01:13 | 関東ボクシング




昨日の発表を受けて、ボクシング界はいよいよ、5月6日一色に染まっていくことでしょうが、今日は日本ミニマム級タイトルマッチがホールで行われます。
強打と脆さを併せ持つ「見もの」な日本チャンピオン、高田勇仁は、元ユース王者で、過去高田から見て2勝1敗の伊佐春輔と対戦です。

私が高田勇仁を意識してきちんと見たのが、この伊佐との三戦目、初回KOで終わった試合でした。
ミニマム級の水準を超えた、スリル満点のアーリーKO。こらすごい、と一発で高田の名前と顔を覚えた試合です。
今回は4度目の対戦。日本タイトルを賭けた試合は今回が初めてですから、伊佐にすれば、勝てば星が並ぶに留まらない「逆転」の好機です。
高田にとってもこの先、上を目指すために...例えば打倒重岡兄弟に名乗りを上げられるか、という試合ですね。



高田の試合はLeminoかFODプレミアムで見られるか、と思っていたんですが、色々立て込んでいて枠が取れなかったのか、配信なし。
今回は見られないか、BoxingRaiseで後日録画配信になるか、と思っていたら、我らが(←こんな時だけ)A-SignのYouTubeチャンネルでライブ配信、と、ボクシングモバイルのページに記載あり
18時からとありますので、そのうち動画のページが更新されることでありましょう。有り難い限りです。


アンダーには渡邊海も登場、ユース王座防衛戦なんですが、相手が全日本準優勝のキャリアを持つトップアマ、大畑俊平という選手。
これもけっこうな好カードなのかも知れません。要注目。今日は楽しく見ようと思います。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

予想外のAmazon配信 井上尚弥、ネリー戦正式発表

2024-03-07 00:03:44 | 井上尚弥


ということで昨日、井上尚弥vsルイス・ネリー戦が正式発表されました。
5月6日、連休最後の日、振替休日に東京ドームで。
アンダーに色々と噂の世界タイトルマッチが入った、ということも含め、概ね事前の噂、想像のとおりでした。


会見の動画はちらっとだけ見ましたが、相変わらずお通夜みたいな(笑)。
ネリーが来日して会見に同席したのは驚きました。しかしネリーも、この会見暗いなー、やっぱり嫌われてるせいか、と思ったかもしれません。いつもこうなんですが。

会見で最初にしたコメントが謝罪だったようで、その後、山中慎介と顔を合わせて改めて謝罪し、山中が受け容れて握手もしたとのこと。
とはいえ、計量失格について詫びただけで、ドーピングについては変わることなく、偶然食した牛肉のせい、で済ませているわけですから、これをもって改心だなんだとは、笑止千万なわけですが。

いずれにせよ、これはまあ、「振り付け」なんでしょう。
日本のプロモーターやその他関係者にとっては、こういう風に「落とす」ことで、自分たちに色々矛先が向けられずに済む、というところですかね。馬鹿馬鹿しい限りですが...。
また、ネリーも大金が得られる試合だし、という感じで、その通りに踊ったんでしょう。ことによると契約書に、ああ言えこう言えと、細々と書いてあるのかもしれません。


ルイス・ネリーは、実際の戦力や実力はひとまず置くとしても、井上が保持する4つの王座のうち、ひとつの指名挑戦権を持っているだけに過ぎません。
しかも一度はブランドン・フィゲロアにKOされて「脱落」した身であることは、ネリー本人が一番良くわかっているはずです。
にもかかわらず、過去の悪行すら幸いとなって、普通では得られない高額報酬を得て闘える。この僥倖を、手放すわけがありません。
仰せのとおり何でもしまっせ、お足さえいただけましたら、わたし芸人ですよってに。みたいなノリでしょうか。


何しろ薄ら寒いというか、茶番やなー、というところですが、それでは反省も謝罪もして見せずに、大口叩いて、過去についても「知ったことか、アホンダラ」とやって、遺恨試合、グラッジ・ファイトとして盛り上がる、というのも、それはそれで如何なものかとも思います。
結局どうしたら良かったものか...やっぱり、こんな試合やんないのが一番良かったんじゃないか、となってしまうんですが(笑)。
本当に、WBCだけ返上して、他の三大王座防衛戦であっても、私個人は全然OKというか...WBCとネリー及び陣営に吠え面をかかせてやったら、どんなに痛快かと思いますね。

まあ、そうも言うてられませんけどもね。井上尚弥はいずれ引退しますが、WBCは当分存続するわけですし。腹の立つ話ですが。
リディック・ボウがかつてWBCベルトをゴミ箱かゴミ袋かに捨てるパフォーマンスをしたことがありますが、井上もアレやったったらええのに、とか思うくらいで。



さて、アンダーについて。
AmazonやLeminoなどで複数世界戦、及び注目試合をいくつかまとめてやってくれる中、得た答えとしては「注目試合は一日4つまでが限界」というものですが(笑)その4つが、全部世界タイトルマッチになりました。
たぶんですけど、4大世界戦って日本では初じゃないでしょうか。3つまでは覚えてますが、4つって今まで無かったような...。
とはいえ、全部が「世界」だと得心がいくグレードかというと、さすがにそうもいかんかったりもしますね。


井上拓真は、WBAの指名挑戦者、石田匠と対戦。タイプは違うが技巧派対決。東京ドームのロケーションに合うカードかというと、若干疑問ではあります。
後楽園ホールでじっくり見られたら、より良い試合に見えるカードかな、と思ったりもします。


ユーリ阿久井政悟は、一度破った桑原拓と再戦。阿久井が東京ドームで闘うというのは、全ての地方ジム及びボクサーにとっての喜びでもありましょうね。
ただ、対戦相手は...きついこと言えば、身内の論理というか、大橋ジムの勝手、ですね。「プロモーター」ではなく「会長」の仕業やな、と。
コンディションに問題無くば、そりゃ京口紘人出さんでどうするよ、という。或いは大怪我さえなければ、同じ再戦でも矢吹正道とか。実際は難しいわけですが。


ジェイソン・モロニー初来日、相手が武居由樹というのは、噂では聞きましたがホントに組みましたね。
一打の決め手という点では、モロニーにも充分過ぎる脅威であろう武居。モロニーが12ラウンズ、一度も致命的な打たれ方をせず済ませられるものか?
もし武居が強打炸裂、王座奪取となれば、それこそ世界的評価急上昇、新たな怪物現る、という話になります。はてさて。

しかし武居は、大橋会長ならやるだろうとは思いましたが、結局バンタムもSバンタムも、国内上位とは絡まずに世界、という運びになりましたね。
確かにそういうカードを組みたくても組めなかったのかもしれませんが...何か色々、そこは残念です。


あと、ネリーが何か「やらかし」た場合の代理選手、という話は、今回の発表では出ませんでしたね。
大橋会長は、もし計量失格などがあれば試合はしません、と語ったらしいですが、ならばそのための備えは必要なわけですが。
今、その辺は調整中なのかもしれませんね。そんなことしてまでネリーを使わないかんか、という「そもそも」な話に戻ってしまいますけど...。




で、配信はLeminoじゃなくてAmazonPrimeVideoになりました。これが一番驚きというか意外。
確かに接続トラブルがあったり(バトラー戦)、青い照明とカメラの配置を間違えたために、画面が青みがかって見にくかったり(フルトン戦)、井上戦のたびにトラブルがあったLeminoですが、前回のタパレス戦は特に何ごともなかった(ですよね?)わけですし、何で今回、急に手を引いた?のか、よくわかりません。
井上戦のみならず、世界戦の数が嵩むと、Amazonの方が良い条件を出せるということ、でしょうか。
まあ、見る方としては、Amazonの方が色々安心だったりはしますけど。


ただ、毎月のように国内試合の配信をやって、それも好カード続きだったり、地方の選手にもスポットを当ててくれたりと、Leminoの「健闘」ぶりには拍手したい気持ちでもあり、ボクシングファンとしてはちょっと複雑です。
さらに、今後を思うと色々気になるところですね。
そこいくとAmazonなんて、はっきりと「ウチは上澄み掬うだけ」という姿勢なわけですから。うーん、と思いもしました。


コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あの試合の件? Amazon、本日午前11時より会見

2024-03-06 00:02:42 | 関東ボクシング


AmazonPrimeVideoのX公式に、こんな投稿がありました。






5月6日の「あの試合」の発表間近、と思っていたら、急に違うとこからパンチが飛んできた感じです。
これで那須川天心in後楽園ホール、とか、知らん顔で発表だったらそれはそれで笑えますが、このタイミングでそんなことするかなあ...と。
とはいえ、Lemino=NTTが「引く」理由なんていうのも、ちょっと想像がつきません。ようわからん...。
まあ、何しろ11時からの会見を見れば答えは出るわけですが。はてさて、どうなりますやら。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遠距離射撃を中心に、照準合わせの過程 丸田陽七太、ライト級2勝目

2024-03-05 05:15:08 | 関東ボクシング



土曜日のU-NEXT、アンダーカードについて感想書いておきます。
あの試合が正式発表されて、アンダーの話も色々出てきたら、話題はそれ一色になってしまいそうですし、今のうちに。



丸田陽七太はプームリットデーット・チョンラトンダムロンクンに8回判定勝ち。
IBFアジア、パンパシフィックのダブルタイトルを持っているという相手。
丸田に負けない体格と、まずまずの耐久力、そして右ストレートの威力はありましたが、技術面では幅のない選手でした。

その相手に、丸田は遠目からの左ジャブ、左フックリードを基本に、右ストレートなど遠目からのヒットから。
その上で、敢えて身体を寄せ、ショートの攻撃をし、相手のパンチはガード。ある程度受け、そこからは動いて外す。
中間距離では左アッパー上下を織り込んだコンビネーションを数回ヒット。

プームリットデーットの右で攻められたりした場面もありましたが、それも込みで、攻防共にライト級での感触、手触りを確かめつつ闘っているという風。
距離の切り替えによって変わる局面の中、どの程度まで打ち込みに行けて、どこから避けるべきか、というリサーチをしている印象。
言えば目の前の試合をどう鮮やかに勝つかより、射撃の照準合わせをしているような。そんな試合ぶりに見えました。


確かに倒せる感じはしなかったですが、そういう短絡的な話とは別に、徐々に相手のレベルを上げていき、ライト級でもまだ長身の部類であり、しかし同時に「規格外」とまではいかない、という現状において、どう振る舞い、どう闘うべきか。
それを丁寧に作り上げる過程として、興味深く見られた試合でありました。

今後もコンスタントにリングに上がる機会があると良いですね。相手もレベルも徐々に上げていって。
次はフィリピンの上位くらいか。その次あたりに何らかのタイトル?という感じで、順調に進んでほしいところです。



村田昴は実況解説が一生懸命持ち上げているのと裏腹に、やっぱり心配な印象。
相手のアレックス・サンティシマ・ジュニアは健闘していましたが、村田のスピード、テンポの速さは相当なもの。
しかし、相手が良いバランスで右ショートを差し込む「余地」が頻繁に見えるのも確か。
怖い位置関係で打たれる場面が散見されて、その辺りは渡米前と変わっていない。
その理由を具体的に解説出来るわけではないのですが、ちょっと深刻かも、と思った次第。今後の改善に期待しますが。


金子虎旦は、前回の日中対抗戦でメインを張って、堂々とKO勝ちしたわけですが、今回も、割と打ちつ打たれつになってしまった。
決定打を持っているのは魅力ですが、あまり強くないタイ人ではなく、ちゃんと闘えるフィリピン人相手だと、普通にタイミングの面だけ取っても危ない場面があって...まあ、それが普通の試合というものでしょうが、そういう試合で、防御の面でも確かさを見たいなあ、と。
ちょっと欲張った感想かもしれませんが。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勝つための前提が一発で失われた 阿部麗也、右目塞がりTKO負け

2024-03-04 00:08:39 | 海外ボクシング



ということで、なかなか辛く厳しい結果になった、阿部麗也の世界初挑戦、簡単に感想です。


IBFフェザー級王者ルイス・アルベルト・ロペスは、いつものように右アッパー振って左フック返し、という逆ワンツー=ツーワンのパターンで入ってくる。
或いは逆やったり。捨てパンチで、阿部麗也を決まった方向にダックさせる「誘導」攻撃も。
阿部、初回3分、立ち上がりは受けに回る。ただ、少しずつリズム刻んで動き出し、軽いが左も覗かせる。失点はしたが、これからどうかというところ。

ところが2回、一気に、文字通り暗転。ロペスが強引に振って、走りながら打ってくる。
阿部攻められて、気付くと右目が腫れている。左ショートカウンターしたとき、左フックもらったが、そんなにまともだったかな?それとも頭?と思ったが、後に出たスローを見ると、ロペスの左拳「角」のところが斬るように入っていました。あちゃー...。

序盤は攻められるだろうが、失点覚悟で外し優先、徐々にカウンター見せて止めつつ、相手の疲れを待って、中盤以降...というのが、傍目が考える(虫の良い?)勝利への道筋でした。
しかし、たった一発の左フック被弾により、いつ試合を止められるかわからない、という状況に追いやられてしまった。
阿部麗也が勝つための「前提」は、あっという間に失われました。


同じ階級とは思えない、分厚い身体で、パワフルなロングを振りかざすロペス。
阿部のパンチが一発入ったとて、余程のタイミングで、なおかつ体重をしっかり乗せて打ち込めば違うかもしれないが、普通ではとてもじゃないが止めたり効かせたりは出来そうにない。
なのに、序盤から相手の力を躱し、凌ぐという闘い方が選べない。阿部は苦闘のさなかに放り込まれる。

3回以降、毎回ドクターが「回診」しにくる状況下、阿部は3回、左を出して抵抗。
しかしロペス怯まず、その上余裕も出てきて、4回は回り込んで死角から右フック。
5回もツーワン端緒の攻撃が続く。左右上下ともに、断続的にヒット。6回、阿部は何度か左を打つ。

全体的に、足使って捌くことに徹するでもない、しかしロペスの馬力に圧されていて、打ち込むという体勢もなかなか取れない。
6回は少し良かったが、7回になると足が伸びて腰が浮き、厳しいのがはっきり見える。
8回、ロペスが攻めて、その途中でレフェリーストップ。クリーンヒットのないTKOでしたが、もう右目は見えていないという判断か。

いずれにせよ、早いストップ、ではなかった。むしろ、逆にここまでやらせてくれたのは、阿部に対して最大限の配慮だったという印象。
もし日本でやっていたらもっと続いていて、阿部がさらに無用のダメージを負ったかも、と想像するに、これで良かったと安堵もした次第、です。



とにかく勝負は厳しく、非情の世界なのだと改めて思った、そんな試合でした。
2回、たった一度打たれただけのことで、取り返しの付かない形で戦局が変わり、目指すべき勝利への道筋が閉ざされてしまう。
少なくとも、中盤まで凌いで終盤に持ち込み、なおかつこちらも切れるパンチを打てる状態でないと、あの頑健な肉体を、左ストレートで打ち「崩す」ことは難しかったでしょう。
そして、このような難しい前提をクリアしないと、阿部麗也の勝機が生まれない。この試合は、つまりはそういう組み合わせでした。
だとしても、その可能性に辿り着こうとする前に、それがかなうかどうか以前の時点で、その前提が丸ごと失われてしまったことは、やはり残念でした。


阿部麗也は国内では文句なしのフェザー級トップの座にあり、元王者キコ・マルチネスを下しての挑戦権獲得をも経ているコンテンダーです。
しかし、その彼も、これほど厳しい勝負の綾が、普通のこととして存在するタイトルマッチにおいて、「世界」の洗礼を浴びた。
それが、この試合の実際、なのでしょう。


ひとつ、大差があったとすればフィジカルの面ですかね。
阿部は初の海外試合で、考え得る限り良い調整が出来たとは思いますが、実際リングで動いている様を見ると、やはり軽く、細く見えました。
それは重厚なロペスのプレッシャーによるもの、或いは対比から生まれた印象だとしても、それだけだったのだろうか、という気もしました。




メインはWBAフェザー級の王座決定戦、オタベク・ホルマトフvsレイモンド・フォード戦でした。
まあ、えらい試合してはりましたね。攻防ともに技術レベルが高く、心身共に強靱な両者の打ち合い、外し合い、狙い合いに目を奪われました。
11回、フォードが少し緩んだかと思ったらまた違って、最終回はまさかの逆転劇。
ラスト7秒残しでTKOとは、ベタにチャベス、テイラー初戦の如く。ホンマかいな...という。

レイモンド・フォードはDAZNで何度も試合見ましたが、正直、もひとつ突き抜けたものがないかなあ、とぼんやり思っていました。
実際、今回はトップランクの興行に「出された」形なんでしょうかね、そういう立ち位置だったのでしょう。しかし...お見事でした。脱帽です。

ホルマトフについてはたぶん初見でしたが、えらく強いのがいるんやなあ、と感心。
別個に見比べたら、たぶんホルマトフの方が上に見えると思うんですが、実際に闘うとこうなることもあるわけですね。

しかしどちらも、持てる力を存分に発揮した、全てを尽くしたという試合だったことでしょう。
かなうことなら、勝ち負け以前に、阿部麗也が闘い終えたあとにも、こういう印象を持って、その闘いぶりを語れたら良かったのにな、と思った次第、です。



コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「引導」は渡された 痛烈新旧交代 高見享介、堀川謙一をKO

2024-03-03 07:07:33 | 関東ボクシング




今日は阿部麗也世界挑戦の日、試合は数時間後に迫っていますが、とりあえず昨日のU-NEXT、ダイナミックグローブ感想です。


メインイベント、帝拳のホープ高見享介が、歴戦の雄、堀川謙一を6回KO
文字通り「引導を渡す」試合となり、堀川は試合後、引退を表明したとのことです。


序盤からスピードのみならず、パワーでも高見が堀川を圧倒する。ガードの上に右を叩きつけ、ワンツー、右アッパーに左ボディと、好打連発。
速いだろうことはわかっていましたが、その速さを早々から攻撃シフトで生かす型。自信に満ちあふれて、積極的。
2回終盤、右クロスのヒットから高見猛攻。堀川が二度、前のめりにぐらつく。
3回も高見が右ショート、クロスから左右連打。堀川ガードし踏ん張るが、打たれて前に少しよろめく。

このままワンサイドで始まり、終わるのかと思った展開でしたが、4回、堀川が右クロスの相打ち。
かなり攻め込まれているが、身体の軸を後ろに下げず、まっすぐ身体を立てて、相打ち狙い。
苦闘のさなかにもさりげなく凄みを見せる。堀川、ロープに追ってボディ攻撃、プレスかけて、高見が足で捌く流れに。

しかし高見が左フックの迎え撃ちを見せ、堀川またぐらつく。コーナーに引いた堀川、右カウンターもヒットせず。
高見が左右を叩き、右アッパー、堀川の反撃を外して左ジャブ。堀川、反撃のラウンドにしたかったが、またピンチ。
5回それでも堀川出て、じりじりとプレス。スリーパンチで攻める。高見少し見たか?しかし右ヒットしてラウンド終える。

6回、高見が一発ずつ力入れる打ち方から、若干軽めのパンチをアウトサイドから叩く打ち方に変えてくる。
連打が淀みなく続き、ヒットが上下に重なる。堀川それでも出るが、左ボディを二発打ち込まれ、いよいよ失速。
高見、右ヒットからワンツー、左ボディ、ガードの上から右を叩き込み、なお左右の猛攻。左フックがかすめたところで、堀川、糸が切れたように倒れ、レフェリーが即座に試合終了を宣告しました。



デビュー6連勝の高見、キャリア62戦目の大ベテランを痛烈に沈める、という試合。
21歳と43歳、もはや親子ほど離れた両者の一戦は、痛烈な新旧交代劇となりました。

高見享介は、事前の想像を超えて、自信満々に、積極的に打ち込み、というより斬り付けに行く、という風に見えました。
堀川がそれに怯まず、身体の軸を立てて迫る姿はいつもどおりの、地味ながら凄みのあるものでしたが、高見はものともせずに攻め続け、最後も様子見を見て良いの当てて、ではなく、決意を持って打ちかかり、倒しました。

もちろん、今後相手が変わって同じような試合が出来るかは知らず、また常に今回のように闘えばいいというものでもありません。
しかし若きホープが進退をかけたベテランに対する試合...若き者、新しき者が背負う必勝の宿命の元に闘う、という構図において、高見享介が見せた姿は、考え得る中で最も鮮やか、見事なものだったと言わざるを得ないでしょう。
この試合を見て、彼の今後に注目したいという気持ちが強まりました。見事な勝利でした。


そして敗れた堀川謙一、上に貼った記事にもありますが、引退表明したとのことです。
「もう、覆すことはないと思う」という一言を添えて。

かつては地方ジムのハンデに苦しみながらも、海外遠征などで地力をつけ、上位ランカーが充実していたライトフライ級の関西勢の中、ボス的存在として勝ち残り、遂に日本王座に到達。
しかしそのタイミングで台頭してきた、新星・寺地拳四朗との「決戦」に敗れる。

ところがここで終わるかと思った彼の闘いは、その後の移籍を経て、8年以上も続くことになりました。
最後は記録として、4連敗という結果が残りましたが、その闘いぶりは、地味ながらどんな相手にも怯まぬ決意と、長年のキャリアで培った技巧が織りなす、見どころ多いもので、ボクシングファンにとり、最後まで心惹かれる存在であり続けました。

最後に歳若い、しかし強い決意を持って打ちかかってきた、斬り付けてきた相手との闘いがあったことは、見ていて心配な気持ちにもなりましたが、終わって見れば良かった、と思ったりもしています。
今はただ、堀川謙一の、長きに渡る闘いに敬意を表したいと思います。お疲れさまでした。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まだまだ闘う43歳 堀川謙一、高見享介と新旧対決

2024-03-02 00:01:32 | 関東ボクシング



さて今日は、U-NEXTダイナミックグローブの日ですが、メインカードには不屈の43歳、堀川謙一が出ます。
若く体格も大きそうな、高見享介との一戦に向けて、DANGANのX公式による投稿あり。







若い頃から色々試合を見てきた選手ですが、やっぱり印象的なのは、寺地拳四朗との日本タイトルを賭けた「京都ダービー」ですね
言っちゃなんですが辺鄙なところにある会場で観戦したのを、懐かしく思い出します。

驚いたことに、熱心なファンの方が東京から何人も観戦しに来られてました。
あの頃は配信も何もなく、YouTubeに後日、手撮りの映像が複数上がってましたっけか。

試合前から、勝っても引退する決意らしいと漏れ伝わっていて、色々と複雑な気持ちで見ていたものです。


しかし、あれから9年、時に味わい深い闘いぶりで勝利し、時に痛烈な敗北を喫し、という具合で、その闘いはまだ続いています。
言葉にする目標とはまた別の何かも含め、彼が追い求めるものがリングの上にある。
堀川謙一にしてみれば、自分はただ、そのために闘うのみ、ということなのでしょう。

さすがにこの先、長きに渡り彼の試合を見ることはないでしょうが、かと言っていつが区切りでとか、最後にとか、そういうことはひとまず脇に置いて、しっかりとその姿を見ておこう、という気持ちです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする