さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

統一戦不要の強さを自ら証明 痛快なる矛盾、田中恒成激闘制す!

2017-05-24 17:15:00 | 中部ボクシング




20日の有明にて、この試合は、出来れば結果知らずに見たいものだと、身構えつつ観戦しておりました。
前座開始の時間が、ちょうど名古屋ではメインの開始時間。
場内で結果がアナウンスされるようなことがあれば、それはもう仕方ないが、
そうでないなら...と思っていました。

ところがロペスvs拳四朗の前に「この試合に日本人による四団体独占がかかる...」という
余計な、実に余計なアナウンスがあり、どうやら田中勝ったみたいやな、とわかってしまいました。
なんだかもやもやした気分ではありましたが、KOか判定か、詳細は一切知らずに、
当日夜遅く、友人宅で録画したものを見ることが出来ました。


試合展開としては、田中恒成がもっと動いて、アンヘル・アコスタが追うのかと思っていました。
しかし実際は、中間距離、というよりやや近めの攻防が続いた印象でした。

序盤はアコスタのパワーが目につきました。
2回の捻るような右ストレートのヒットは、よく田中が倒れなかったなと感心する迫力。
左フックやアッパーも良く出て、ガードの上から田中の頭が揺れる場面も。

しかし3回、田中の左ボディが文字通り「突き刺さり」、アコスタ失速。
田中はボディで下がらせておいて、左右をガードの外から打ち、またボディを内外から、
という具合に、空いたところを打ち分ける、センス抜群の反撃。

5回、アッパーから右打ち下ろしで倒す。ところが立ったアコスタの猛攻が凄い。
そしてまた、それを凌いだ田中がまた、左ボディを決め、アコスタを止める。

この日のベストラウンドと言える3分。まさに最強王者と、最強挑戦者の一戦に相応しい攻防でした。

試合の流れは田中が握ったものの、アコスタも重くて正確な左フックを中心に攻める。
田中はボディを打ち、或いは見せかけては、速い右をバチッと決める。
アコスタは自分も手を出せる距離なのに、緩急をつけて打ってくる田中に、徐々に打ち負けていきました。

終盤、アコスタも意地の反撃を見せるが、田中はボディからの連打で突き放す。
手数とパワーではアコスタも負けていませんでしたが、より速く、多彩な田中が、クリアに勝ちました。

期待通り、いや、期待以上の、高いレベルでの大熱戦でした。
日本とプエルトリコの軽量級、最強のボクサー同士が、キャリアの上昇期に
まともにぶつかった、希有なる好カード。

そして試合内容もまた、技巧と強打を共に発揮しあった攻防の数々が、
最初から最後まで間断なく続く、濃密なものでした。
こんな素晴らしい試合は、そうそう見られるものではありません。
両者に拍手を送り、そして感謝します。


以前も少し書いたことがあるのですが、田中恒成は早々にこのクラスを去り、
フライ級でも同級最強の存在を目指すべきではないか、と改めて思わされました。

試合後、田口良一とリング上で統一戦アピールをしていましたが、
この試合内容でもって、田中恒成は他団体王者との統一戦などやるまでもなく、
彼自身が同級最強、最高のチャンピオンであることを、自ら証明してしまいました。
この自己矛盾、なんとも可笑しく、痛快なるバラドックスであることか。


翌日、IBF王座がミラン・メリンドの手に渡りましたが、
田中恒成がもし、次もこのクラスで闘うとしたら、その一番手はやはり、田口よりもメリンドでしょう。

そして、さらなるファンの勝手な希望を言えば、メリンドよりも、一階級上のIBF王者であり、
少し前までライトフライ最強を謳われた、あのドニー・ニエテスこそが、彼の標的であるべきだと思います。
聞けば小柄ながら、減量も厳しいらしいですし、遠からず、フライ級進出が実現してほしいです。



この試合、中部のみならず、関東で放送があり、現時点でYouTubeにも多数、動画があります。
海外で?TV放送されたもの、どなたかが撮影されたもの、とりあえずふたつ。
まあ、皆さん大抵、もうご覧になっておられるでしょうが。








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オマケというと何ですが、ロペスvs拳四朗戦もありました。
メキシコで放送されたものみたいですね。生中継だったのかなぁ。それはないか。





あと、試合当日朝に放送された番組です。拳四朗親子が取り上げられています。
数日で消します。
しかしラウンドガールのことは気づかなかったですなー。









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5 コメント

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Unknown (海藻類)
2017-05-24 20:34:04
興業側としては謳い文句として四団体独占を読み上げたいのはわからんこともないですがまぁ余計なアナウンスですね(笑)。
まぁそもそも日程が丸かぶりなのがいかんのですが…。
聞くところによるとGGGvsカネロとメイウェザーvsマクレガーが被る可能性があるとかでまぁこの業界の協調性の無さには呆れるばかりでございます。
肝心の試合ですが現地で見させていただきました。
序盤の2ラウンドはまさに全勝全KOのアコスタ選手の「看板に偽りなし」を実感する滑り出しとなりましたがそこから盛り返す田中選手の底知れないボクシングセンス、そして陣営の戦術には恐れ入りました。アコスタ選手も最後まで諦めず全力を尽くし非常に見応えのある試合でした。相変わらずの一般層への知名度の無さがとても勿体無く感じてしまいます…。
お互い減量苦なようなのでもしかすると今度はフライ級でもう一戦ってのもありそうで楽しみです。
プロデビューから今まで常に「流石に今回は厳しい試合になるのでは」と言う予想をされる充実のキャリアを行ってきた田中選手にとって本来はキャリア絶頂の試合となるはずの統一戦がともすると足踏みと取れるような試合になりそうなのは妙なものです。
恐らく本人も実力と噛み合わない全国区での知名度は意識してるでしょうからそれも目的なのでしょうかね。
何れにしても聞いてるこちらの頭が痛くなるような今までのビッグマウスの方々と違って有言実行、やる気満々なようですので井上尚也選手と双璧を為す存在として日本ボクシング界を引っ張っていって欲しいです。
Unknown (おう)
2017-05-25 18:24:56
ここにコメントするのは相応しくないのかもしれませんが、
書かずにいられませんでした。
失礼します。

亀海-コットの王座決定戦が決まりました。
これは楽しみです。今からワクワクが止まりません。
物議を醸している判定で負けた村田と違って
一歩ずつ、確実に一歩ずつ強くなってきた亀海についにチャンスが来ました。

コットはあと2戦で引退という報道も見ましたが、それならこの試合は通過点かい、と思わず突っ込んでしまいそうですが
ド素人には簡単に両者の比較なんぞできませんが、亀海ならなにかやってくれそうな気がします。

当然WOWOWで生放送ですよね。
待ち遠しい。
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2017-05-25 18:48:51
>海藻類さん

日程に関しては言葉も尽きましたが(笑)試合の素晴らしさに見合わぬ器の会場に、空席ブロックが映し出されていたのを見たときは、これまた言葉に出来ないほど残念に思いました。こんなことではいかん!世の中間違っているぞ!と強く思います。5月20日、日本ボクシングのメインイベントは、有明ではなく名古屋でやっていた、という事実が、もっと広く知られるべきです。
そのメイウェザーと何とか言う人の「試合」の話題は、去年くらいからちょこちょこ目にしますが、いったい何なんですかねえ。意味わからんです。日本ならともかく、アメリカ人がそんなものをまともなものとして見るんですかね?ようわかりませんが。
それはさておき現地観戦お疲れ様、というかおめでとうございます(^^)
この試合を会場で見た皆さん、世に言う「勝ち組」ですよ。羨ましい限りです。
アコスタの強さは相当なもので、その分厚い攻撃力に対峙した田中恒成が、誤って打たれれば倒される危険にさらされる中、心技体全てにおいて、世界王者に相応しいレベルの実力を見せ続けた。改めて彼は「本物」だということを証明しました。その試合ぶりは感動的でさえありました。
そして、自らの才能を誇るが故に、強敵との対戦を求め続け、それを逃げ場の無い場所で言葉にする彼の態度、姿勢もまた。
格好良いな、と率直に思います。田中恒成よ走り続けろ、そして時代を変えろ!という気持ちです。今度、他の試合と日程バッティングがあったとしても(あってほしくはないですが)、見に行くべきは彼の試合の方ですね。


>おうさん

どうかお気になさらず。何でも書き込んでくださっていいですよ。
コットの相手に選んでもらえるのかなー、契約の話や、最低限いくら出ないとやりようもないとか、色々ややこしそうでしたけど、決まったんですね。村田と違って、あちらのリングに、それも出島じゃなくて平場に出て、勝ったり負けたり引き分けたりした末に、ここまで辿り着いたんですからね。亀海喜寛、若手の頃から好きでしたが、まさかここまでになるとは。
プエルトリカン・スタイルのコットが、左右に動いて角度付けて、内外に打ち分けてくる強打に対し、亀海の身体の軸を回して外す防御からのカウンター、ボディ攻撃がどれだけ決められるか、でしょうか。とにかく大舞台で、亀海ボクシングの集大成を見たいですね。

Unknown (neo)
2017-05-25 19:56:17
おう さん、ありがとうございます。亀海、本場でいろいろ根気よく頑張って良かったですね。亀海サイドからすれば、時期的にもメリットしかないくらいのマッチメーク、集大成を見せて欲しいです。
田中-アコスタ、翌日くらいに見たんですけれど、感想を何となく書きそびれたというか。アコスタ、強いのは確かなんですが、未完成というか、ポイントの取り方は素人同然に見えました。田中との差はそこまでないと思いますが、序盤以外僅差でほぼ田中に取られてしまうあたり、敵ながら惜しいなぁ、と思って見てしまいました。また底力は、自分は過大に見てたかもですが、もっと強いだろうに、という感想になりました。
田中は出来もよく、ベストバウトといっても良い試合だったと思いますが、ちょっとまともに戦い過ぎというか、もう少し距離のバリエーションはあっても良かったかな、と。どうしても、田中の目を掻く癖が気になるんですね。打たれた場合、眼疾を患いやすい体質ではないか?と。良い選手だけに、打たれない工夫はやり過ぎという事はないと思いました。
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2017-05-26 14:47:34
>neoさん

アコスタはあくまで、強者としての闘い方を貫きましたね。ポイントというものは、相手を打ち込む過程で付いてくるもの、というのが、アコスタの闘い方だったと思います。それがこの日までのアコスタであり、今後それがどう変わるのか、変わらないのかはわかりませんが。
田中は強敵相手に、余裕持って動ける展開ではなかったですね。2回に、まともに打たれたダメージは相当なものだったのでしょう。普通だったら倒れていたかもしれません。それでも踏ん張って、打たれる場面もありましたが、かなう限りは外し、クリアに打ち勝ちました。目を掻くのは癖なのでしょうが、眼疾などは無い、と聞きますので、それはとりあえず心配ないようです。

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