さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

ダウン応酬の後、再逆転許す 赤井英五郎、親子二代の新人王ならず

2023-12-23 21:59:03 | 新人王戦




今日は午後2時から、U-NEXTで全日本新人王の決勝戦、見ておりました。
長丁場ではあるのですが、それこそトイレ行く間もないくらい、次から次へと試合が行われていくので、試合数の割りには早かった印象でもあります。


結果や経過はこちらの記事に詳しいですので、簡単に感想を。


ミニマムとライトフライは、大橋ジムとS&Kジムの対戦が続き、どちらも公式記録はドロー。
ミニマムがS&Kの坂田一颯、ライトフライが大橋の磯金龍が勝者扱い。一勝一敗、と書いておきます。

フライ級は田中恒成の後輩、畑中ジムの坂井涼が速いコンビを当ててリードしていたが、最終回終わる直前に高熊龍之介の左フックがこめかみに決まって、坂井大ピンチ。ぐらぐらだったがしのいで、判定勝ち。
もしダウンしていたら、立てずに負けていたかもしれない、と思うほどのピンチでしたが、よく耐えました。


Sフライとバンタムも判定で、今日は長いかなーとここまでは思いましたが、Sバンタムが初回KOで終わる。
松田ジムのサウスポー武藤涼太が、左アッパーから右フックフォローで、強烈なKO勝ちでした。
松田ジムは、25年ぶりの全日本新人王とのこと。大塚陽介(何度も試合を見ました。渡辺博戦は名勝負でした)以来ですかね?
知らなかったんですが、二代目会長の松田鉱二会長、亡くなっていたんですね。ご冥福を。


フェザー級は東のMVP、というのみならず「良い味」出してた牧田健之介が、大人のボクシングが出来る、という風情の石﨑大二朗に、ほぼワンサイドにポイントアウトされる。ちょっとした波乱。
Sフェザーは下村佳輝が2回に続いて4回にも小松直人をダウンさせ、痛烈なTKO勝ち。小松も2回、倒されたあと反撃して見せ場があった。好ファイト。
ライト級も西畑直哉が児島弘斗に右を再三好打してTKO勝ち。これも強烈。両者強振し合う、スリルある試合でした。

Sライトは不戦勝。
ウェルターは変則の須賀大地が手数で攻めるが、松岡連が2回に右でダウンを奪うなど、際どい攻防。
スプリットで須賀勝利だが、ダウンの分だけ逆ではないかなあ、という印象でした。



ミドル級は場内、この日一番の盛り上がり。
赤井英五郎がサウスポー冨永一希の左をまともに食って初回にダウン。しかし2回、果敢に出て右一発で倒し返す。
勝負に出た赤井だが、3回に冨永が左のヒットでダメージを与えて、追撃。レフェリーストップで冨永勝利でした。

赤井は遠い間合いでは、冨永の左を外せない。見えていない、という印象。
詰めた間合いに持ち込めたら、倒すパンチが打てるが、打てるところまで行けるかどうか、という勝負で、初回はそれがかなわず、2回は成功したが、3回にまた打たれてしまいました。
冨永は3回、右ジャブを増やしてしっかり間合いを作った上で左を好打し、追撃も大振りにならず、細かいパンチの数を当てたところが良かった、と見えました。
赤井に踏み込まれて打たれては、またピンチになるところでしたが、3回はそれを未然に防げていた、と思います。
マーチン主審のストップは、ぱっと見た印象では早い、でも重いクラスで、一度ダウンもしていて、さらにぐらついたあと、と考えると、やはり妥当、でしょうね。




今回の決勝戦は、ジムの名前に少し気を引かれた感じです。
今や日本有数の大手となった大橋ジムに、熊本のS&Kジムが「一勝一敗」で渡り合ったり、松田ジムと畑中ジムがそれぞれ勝ったり。
竹原畑山ジムから初の全日本新人王が出たり、赤井ジュニアが帝拳所属で、相手が大阪の仲里ジム(会長さんはグリーンツダのOB、赤井英和の後輩にあたる元日本ランカーです)だったり。
時は流れ、色々と様相が変わり、入れ替わっているんだなあと、しみじみ思った次第です。


今回は、昨年の佐野遥渉のような、見た目にわかりやすい逸材、というのはいなかったかもしれません。
しかし全体的にレベル高めで、落ち着い風情の選手も目に付きました。
MVPはSバンタム、松田ジムの武藤涼太でしたが、力まず打てるフォームのまま、身体が出来てくれば楽しみですね。



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2 コメント

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Unknown (アラフォーファン)
2023-12-24 22:50:55
見ていてガッカリするようなレベルの試合はなかったですね。
坂井くんやミニマム級の両者は光るものありましたし、バンタム級の森口くんも和歌山のクラトキジムからでしたがなかなか良い選手。
武藤くんの右フック返しは上手いなと。

全体的に10代の子も結構いて、地方ジムにもいい素材いて、若いのに戦い方がきちんとしてるなと。これもU-15世代の大会とかの影響でしょうか。

ただ一番注目だった赤井さんのご子息は負けましたね。
正直腕っぷしだけの試合から少しは改善あるかと思いましたが結局ディフェンスの甘さが命取りでしたね、デビュー時の負け試合ほどではなくとも悪いとこは残っていたと。名前だけでこれ以上行くと、彼の力的にはしんどくなるのでこれで良かったんだろうなと思います
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2023-12-25 15:16:31
>アラフォーファンさん

仰る通り、地方のジムにもU-15大会の波及効果が現れていますね。新人王レベルには、その印象がはっきりと見えます。
問題は新人王で優勝、ないし上位進出した選手の「次」の段階、そこから先のキャリア構築において、やはりプロモート力の差が影響してくることでしょうか。配信バブル?によって配信される試合の数が増え、地方から東京に呼ばれる選手の需要が増え、となれば良いですし、実際静岡の駿河男児ジム興行のように、ホールで「ほぼ」主催興行をやるような例もあります。しかし基本的には呼ぶ側の都合で、というのが前提でしょうし、今後どういう展開があり得るものか。気になりますね。
赤井英五郎は、悪いですが試合しながらボクシングを学んでいる感じです。しかしその間に7試合ですか、その分打たれることを引き換えにしないとならない。その対価として得たのが現状の実力だとすれば、差し引きは悪いですが大きくマイナスでしょう。重いクラスであることも考えると、もう引き時だと思います。本田会長も目を瞑るのは三度まで、という感じで見ているんではないか、と推測しますが...。
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