さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

久々に締めてきた、まずは満足 長谷川穂積、左連打でワンラウンドKO

2013-08-13 05:55:27 | 長谷川穂積

昨夜は大田区総合体育館にて観戦してきました。

リングを正面に見据える角度の席が取れたこともありましたが、
きちんとひな壇になっているスタンド席は、視界がしっかり確保されていて、
実に見やすい、良い会場だと感じました。
駅からちょいと歩くのが、今の時期だと辛いと言えば辛いですが、
普通の時ならなんということもない距離でしたね。
また機会あればお邪魔したいなと思える会場でした。


さて、ダブル世界戦をさしおいて、やはり私がTVだけじゃなく
会場で見たいと思ったのは、当然長谷川穂積が出るからですが、
結論から言うと、私は昨日の試合には非常に満足しています。
単に勝った、倒したというのではない何事かが、昨日の長谷川には見られたからです。


ヘナロ・カマルゴについては、大ベテランみたいな戦績だけど、実は20代半ば。
一線級相手に負けも多いが、それ以外だとKO勝ちも多い。
ここ数試合、ちょっと方向性が見えない、あっても途中でぼやける、
という感じの長谷川の試合ぶりを見ていると、この手の相手に
起こって欲しくない何かが起こるのかも、という不安を感じていたりしました。


しかしいざ試合が始まると、私の悪い想像は消えました。
右リードの頻度が増し、しっかり相手を突き立て、崩しておいての左。
そして左のヒットからリズムを掴み、どんどん多彩な攻め口を覗かせる。

無為に相手を見て、あれこれ試したい、という風だったり、
自分の感覚では外しているつもりの格下のパンチを食って、
試合中に不思議そうにしたり、驚いたりしていた最近の長谷川ですが、
昨日は相手の動きをしっかり見つつ、好機には即座に打ちかかり、
敵の防壁に攻め込むと、そこからさらに速い追撃でどんどん相手を崩していました。
それはまさに若き日の長谷川穂積を思い起こさせる姿でした。

そのようなスピーディなボクシングをした上で、相手の反撃にカウンターを取る。
過去何度も見た光景が、すぐに再現されました。
カマルゴが打ち返してくるところに左がカウンター気味に入り、ダウン。
再度打ち合いになったところで、長谷川の左がダブル、トリプルと続く。
そして最後の左がカウンターで入ると、カマルゴの身体の芯が断ち切られ、
上体が捻れたままの姿勢で倒れる、強烈なノックダウンで試合は終わりました。


もちろん、KO勝ちも多いとはいえ格下相手、ということは事実で、
快勝したことが長谷川の今後を全て明るく照らす、ということでもないです。
右リードを多く出す姿勢が見えた反面、それをやるとバランスが崩れる傾向は
ここ最近ほどではないが、僅かに頭が半分だけ前に出ているかな、と見えましたし、
この試合ぶりを、強敵相手に長いラウンドに渡って維持出来るかどうかは、
実際そういう試合をやってみないとわからない部分もあります。

しかしラウンド後半に見せた、速い攻撃を重ね、その上でカウンターを取り、
さらに攻め立てるという展開に至るまでの、長谷川の引き締まった立ち上がりこそが、
今回、久々に長谷川の試合を見て、大きな満足を感じた部分でした。

格下相手に「いろいろ試す」でもなく、迷いも見えず、勝つことに集中し、
闘いに没頭した姿は、私には「やっと長谷川が帰ってきた」と見えるものでした。


もちろん、今後組まれるであろう世界戦において、彼が真の意味で
「回帰」なり「刷新」なりを果たしたとしても、それでも苦戦は免れないでしょうが、
ともかく長谷川が戻ってきた、やっと彼が再度、スタートラインに立った、
最低限、それをこの目で見られた、と感じました。そのことがとても嬉しいです。


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山中慎介については、もうどうにもならない段階にいるなぁ、という。

最後の左は目に入りでもしたか、かなり辛そうな様子で倒れましたが、
ホセ・ニエベスが初回を乗り切っていたところで、結果は同じだったでしょう。

相手が変な間合いで打ってくる、というような展開を蹴散らし、
識者の悪い想像も、日本TVが企画した「ツイッター採点」をも蹴散らし、
少々の相手では、試合をやらせる意味もない、というところに、
今の山中慎介は立っています。お見事、でした。

関西のファンにとっては、ますます、次の「凱旋試合」が楽しみになりましたね(^^)
IBF王者との統一戦とかもその先にはあるかもしれませんし、
内山高志と並ぶツートップの一角として、さらなる飛躍を期待したいところです。

あと、会場に来ていたというWBO王者への呼びかけは、まあ内心どうでもいいと思っているのでしょうが、
一応、TV局が言うてほしそうだからちょっとだけ言うた、という話で終わり、でしょうね。

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八重樫東とオスカル・ブランケットは、試合のグレードがちょっと低かった、と
率直に言わせて貰えば、そういう試合でした。

挑戦者は一発強打には目を引くものがありましたが、それ以外に欠落した部分が多く、
試合が進むにつれて、結束が切れてしまってバラバラになっていく感じ。
それでも体格の優位をもって、しぶとく単発の強打を振り、判定まで粘りましたが、
試合の中盤ですでにベストのバランス、フォームを維持出来ないレベルの選手を、
仮にも「世界戦」のリングに上げないでほしいな、という感想です。


八重樫は、打てば打つほど胸を張り、ワイドオープンになってしまう相手に、
鋭い狙いを持って右クロス、ワンツー、左フックなどを打っていましたが、
もう拳ひとつ奥に入ってたら倒せたな、という感じのが多かったですね。
あと、懐に入るとき、足を使うときのメリハリもあって、相手の強打を
総じてうまく外してました。
何回かロープ際で止まりましたが、まああれは相手を見ていたのでしょうか。

ただ、懐に入るときに、相手の位置取りも拙さもあって、バッティングが頻発したのは残念。
あの辺は、なかなか自分一人では改善しにくいものでしょうし、
悪質なものだとは見えませんでしたが、やはり見ていて、いいものではなかったですね。

エドガル・ソーサとの指名試合が、かならず国内で開催出来るとも限らないですし、
この辺は今後の、次への課題として残ったように思います。

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※写真をアップロードしました。提供は、ブログ「ミラーレス機とタブレットと」様です。



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6 コメント

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Unknown (ハンク)
2013-08-13 07:35:26
山中選手はまさに”どうにもならない段階”にいる印象でしたね。迫力が違いました。
次はできればIBF王者との統一戦が見たいです。
秒殺だったため相手選手の評価は難しいですが、ニエベス選手は、先日の記事でさうぽんさんが指摘されているように、右リードに伸びがあるように見えました。一度、山中選手の顔が跳ね上げられる場面があったように思います。

長谷川選手は迷いをふりきったかのように見えました。
さうぽんさんと同じく”長谷川が帰ってきた”と私も思いました。
かつての西岡選手のように、長谷川選手がフェザーでの挫折を糧にしてもう一度新たな全盛期を築いてくれることを願います。今回はその光明が少しだけ見えた気がしました。

八重樫選手はカウンター狙いなのか、相手を待ってしまう場面が多かったように見えました。
あの程度の相手なら倒しきってほしかった、というのが正直な感想です。
ただ、体格で明らかに劣る厳しさも感じました。フェザー級での長谷川選手に感じたのと似た不安感があります。
Unknown (おじゃ)
2013-08-13 21:31:23
長谷川選手の対戦相手は、周りもあまり騒いでないし、戦績でみたら、まあ無難かなと思っていたのですが、さうぽんさんの戦前予想がきつめ、というか終焉を予感させるものだったので、正直ちょっとあせりました。でも、いい意味で外れてくれてよかったです(笑)。

あとになってわかったことですが、7月中旬に右太もも裏肉離れを起こしていたとのこと(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130813-00000021-sph-fight)。けがの功名ではないですが、手負いのほうが案外うまくいくケースは多々あります。
よく練習したというショートパンチですが、回転力も、パワーもあってよかったですね。本来の姿を取り戻すまで長かったですが、ようやく上の階級に順応し、行けるぞという手ごたえがあったように感じます。

でも、それは後戻りのできない、修羅の道を突き進むことでもあり、これからの長谷川選手を覚悟をもって見届けなければならないことにほかなりません。
僕みたいなチキンハートの人間は、観るだけなのに試合当日になるとご飯がのどを通らなくなります。ましてや好きな選手が負けると仕事にも影響します。ボクサーを応援するもの楽ではありません・・・。
今月と来月は楽しみが多くて良いですね~ (上撰)
2013-08-13 23:50:52
山中選手は素晴らしかったですね
会社のスポーツ大好きオジサンたちが「昨日のボクシングは凄かったな」なんて久々にボクシングネタで盛り上がっていて、自分もウンチクを熱く語れて楽しかったです。
もうこのクラスではモレノ以外は眼中無しという感じでしょうか。しかし実際に実現は難しそうな気がしますが…
八重樫選手はフライ級は厳しそうですね。
次戦をクリアしたとして、大晦日あたりにモラトリアム王者による三階級制覇の生け贄にだけはなってほしくないと切に願う次第です。
長谷川選手はここ3戦の中では、本人も言っていたとおり、相手ともかみ合ったのもあってか、久々に良い勝ち方であったように思います。
スーパーバンタムで世界挑戦のようなことを言っておりますが、誰に挑戦するのでしょうか?
リゴンドー、レオサンタクルス(まだ王者ではありませんが)相手にはかなり厳しいといいますか、勝つのは難しいと思います。
マッチメークも厳しそうですしね。
ともあれ、あれだけ強かった人ですから、再度チャンピオンになれるように頑張ってもらいたいものですね。
Unknown (anonymous)
2013-08-14 00:45:53
長谷川が見たいがために自分も観戦しに行ってました。
1RKOだったので良いか悪いのかよくわからんままアッサリ終わってしまいましたが、さうぽん氏のような方が「よかった」と評してくれているならまず一安心です。
結果を見て分析すると、相手はメキシコのキャリアある中堅選手。あれだけ力の差を見せてノックアウトできるということは、やはり世界上位につけている証左であったのかなと思います。
それにしても、長谷川はここ最近左のトリプルが目立っていますね。ウィラポン戦でも左連打で倒しましたし。しかしバンタム時代にはそれほど使ってなかったような。多くの選手が連打として使うのは前手側(新井田とか好戦的なメキシカンとか)のフックなのに、この辺も長谷川が「少し珍しい」所以でしょうか。
バンタム時代は返しの右フックを得意としてましたが、階級を上げてから距離がアジャストしてないのかクリーンヒットは見られなくなりました。このあたりの「武器の変化」もスタイルを模索している中での進歩なのかなと思います。
何にせよ、次無事に世界戦が決まって三階級制覇を果たしてほしい。ぜいたく?を言うと、しょーもない相手との決定戦はやめてほしいですけどね。笑
Unknown (アラサーファン)
2013-08-14 08:01:29
おはようございます。
長谷川さんにはほっとしました。右は相変わらず触るパンチでしたが昨日は左の伸び、キレが今までと段違いでしたね。あの左連打は長谷川さんしかできないでしょう。長いラウンドの戦いは分からないですが世界やる資格は十分証明したと思います。
山中さんはかつての長谷川さんや西岡さんみたいに相手が皆逃げるレベルですね。どんな相手でも結局あの足運びで追い詰め倒す。新聞相手に威勢の良い事言う空き巣君達、今回は山中さんが先に全国中継のテレビで名指ししたのでこれで逃げたら一般の人達からもチキン呼ばわりされて試合中継もなくなったりして。
ブランケットはただラフで後半はやけくそでしたがそれでも前王者の五十嵐君なら打ち合いに巻き込まれて倒されたはず。八重樫さんは概ね上手く戦ったと思います。体格を考えたら今後も出入りがほぼ絶対の戦法となるでしょうが頭をやや正面に置きがちなのが難点ですね。
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2013-08-14 14:21:02
>ハンクさん

ニエベスは一発だけジャブが入ったシーンがありましたね。ほんとに、あれだけでしたけど。
迎え撃ちの形で、やや目線切った感じのまま打つ右フックが過去の映像にはあって、それがどうなるかなと思っていたんですが、そういうのは一発もなかったですね。出す前に倒されてしまって。
長谷川は入場時から雰囲気を感じました。最近の試合とは顔つきが違ったような。
八重樫は確かにフライ級相手のハンデを感じましたね。いい対応、仕掛けはあったんですが、あと拳いっこぶん、深く打てないかな、と感じる場面も多かったです。あのわずかな不足が、おっしゃるとおりフライ級相手への脅威なのかな、と。


>おじゃさん

すいません、根が心配性なもので(^^ゞ
専門誌の記事にあったと思うのですが、長谷川は試合中に水分補給をするのが嫌いだそうで、足のトラブルはそれに起因するのかなと。調整段階では、試合が決まっていない時期に豪快に大食するのが原因かなと思っていましたが、最近はそれも改めているようですね。
私も応援するボクサーの試合数日前から徐々に、変調をきたすことがありましたね。或いは平気なはずが、ゴング前後に急におかしくなったり。最近はさすがに落ち着いてきましたが...。

>上撰さん

TV放送を見た人にとり、それだけインパクトがあったのはよかったですね。会場で見ていると「あーあ、やりよった」という感じも半分くらいあったんですが(笑)。
対立王者との対戦は、IBFのマクドネルが来日したがっているという報道が少し意外でした。一番、日本に来なくてもやっていける立場の選手やないのか、と思っていたんですが。モレノは一番手ごわく、見ごたえのある、昔日の容易ならざる真の「世界」戦が見られそうな相手ですね。ただ、好試合が期待出来るかというと、また別の見方もありそうですが。
八重樫はいい加減エドガル・ソーサと闘うんじゃないでしょうか。「あちら陣営」と関わるのは、最低限それが済んでからであるべきでしょう。
長谷川はWBA、IBFどちらかと書いてある新聞を見ましたが、聞いた話ではIBF王者に日本から複数のオファーがあるらしいとのことです。WBAはリゴンドーの下の正規が空いている(おかしな話ですが)のですが、リゴンドーに挑むならともかく、そんなのは勘弁ですね。

>anonymousさん

長谷川は普通の常識である、体のバランス復元とは違った体の使い方をしますね。左のダブルを上下に散らしてカウンターを取るサウスポーというのは、あまり見ないですが、彼は世界を獲る前の試合、例えばジェス・マーカ戦でも、マーカの前進に左ボディから上にフックを返してダウンを奪ったりしています。むしろ左で釣って右フックで倒す技は、世界を獲って以降に身に着けたものですね。最近の左ダブル、トリプル、さらに...というのは、右をホールドされたときに使っているように見えます。しかし三連打のあとにもう一発、それがカウンターになってフィニッシュという今回の倒し方には、少なからず驚きがありました。むきになって打っているかと思ったら、その後にあれですからね。
右フックのカウンターは、階級を上げた影響なのか、打ち込む度合いと、身体の逃がしとのバランスがまだ見つかっていない感じがします。あまり無理はしないほうがいいと見ていて思います。あれは相手を打ち込んで、優勢のときにのみ使ったほうが良さそうですね。

>アラサーファンさん

会場で見ていると、入場から試合に至るまでで、すでに「今日はちょっと違うかも」と思える雰囲気がありました。実際始まったらあのとおりで、結果が初回KOだろうと、判定であろうと、ああいう引き締まった、集中した長谷川をまず見たかったので、基本的には満足です。世界戦ともなればまた別の話も必要でしょうけど。
山中がモレノ、マクドネルを破ること以上に至難なのが、あの兄弟と対戦することであり、もう名前出すだけ時間の無駄だと思っています。あの三男にせよ、本当に強敵相手との試合を重ねる山中が、年齢と共に疲弊している兆候を見つけようと思っていの来場に過ぎないと、目いっぱい好意的に見ても、せいぜいそんなところでしょう。一部に日本テレビが対戦実現に意欲を持っているような話があるそうですが、担当している人が現実を知らないだけだろう、という感じですね。
ブランケットは評判はよかったですが、あまりにも露骨な片手落ち(片手どころじゃないですか)でしたね。八重樫は一度顎を折った選手だけに、より慎重さが求められそうですね。ソーサ相手には速さでまさる展開を作れるかどうか、でしょうが。

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