さて、1月はそんなに大きな試合が続くわけではないので、それまでにあれこれ出ている話題を取り上げていきます。
こういうこともこまめに書かないと、なかなか更新頻度が上がらないですし(^^)
ということで今日は、引退表明した坂田健史について、です。
私が彼の試合を直に見たのはトラッシュ中沼との再戦だけですが、才気溢れる中沼の「迎撃」を恐れず前に出て、かつ巧みにサイドに食いついて
手数を出し競り勝ったあの試合は、とても印象深いものでした。中沼とはまた違った意味で、これが日本フライ級の頂点か、と感じたものです。
試合後、かなり大勢の観戦仲間と、居酒屋で「どっちの勝ちだと見たか」と遅くまでわいわい論じ合ったのも楽しい思い出です。
この中沼以外にも、川端賢樹、内藤大助、八尋史郎、田中光輝、岡田一夫ら、当時の国内上位と悉く拳を交えた上で、世界へ進んだ過程も立派でした。
後に世界戦で退けた山口真吾、久高寛之も含めると、彼のキャリアはここ10年の日本フライ級の足跡そのものと言えるでしょう。
世界戦に進んで以降の激闘については、すでに語り尽くされています。
しかし、私は世界に挑む坂田に対しては、結果として的外れに終わる、暗い予見を持っていました。
簡単にいうと、坂田健史は世界タイトルに手が届かず引退するであろう。なぜなら、現在、12回戦で世界戦が行われる以上、
一打必倒の強打を持たぬ坂田が世界王者になるためには、世界王者を相手に、ラウンド数で7対5、2ポイントのリードを得なければならない。
そして、坂田は世界王者に対し、1ポイントのリードなら奪えても、2ポイント勝てる力量は、残念ながら無い。
もし15回戦で世界戦が戦われる時代に生きていれば、坂田は世界を獲れたかもしれない。しかし...というものでした。
まあ、無意味な机上の空論です。イーブンラウンドがひとつあれば、と言われればそれまでの話でもあります。
ただ、坂田というボクサーの力量と特性を、自分なりの「坂田観」により表現すると、こういうものになる、というところでご容赦願いたいです。
結果はご存じのように外れました。ロレンソ・パーラを二試合、24ラウンズに渡り追い回したあとの第三戦でした。
これら一連の試合内容と結果によって、私の「坂田観」が崩れたかというと、実はそうでもなかったりします。
しかし坂田健史のたゆまぬ努力が結実したことにより、私の暗い予見は覆されました。
キャリア晩年、闘いぶりが悪い形での前進一辺倒になったこと、簡単にダウンされる試合が続いたこと、
そしてデンカオセーン初戦での不可解な裁定によるドロー防衛などを経て、再戦での王座転落と奪回失敗等々、
率直に言って、坂田の試合ぶりに良い印象を持つことが少なくなりました。
当ブログでも、折に触れて、けっこうきついことを書いています。
しかし、キャリア全体を見て言えることは、キャリア終盤にあったいくつかの失望は、常に懸命に戦い続けた故の
疲弊と共に語るべきものであり、坂田健史はもっと多くに見知られ、愛されるべき実力や魅力を持つ一流のファイターであった、ということです。
そして彼の引退は、ラストファイトの試合結果によって「無念」と言われるべきものではまったくありません。
今後、第二の人生において、もし引退会見で話に出た「協栄ジム後継」がもし実現するのならば、
自身がボクサーとして重ねた努力の大切さと、自らが味わった不条理を踏まえた上で、ボクシング界に貢献して欲しい。
勝手ながら、そんなことを願っています。
こういうこともこまめに書かないと、なかなか更新頻度が上がらないですし(^^)
ということで今日は、引退表明した坂田健史について、です。
私が彼の試合を直に見たのはトラッシュ中沼との再戦だけですが、才気溢れる中沼の「迎撃」を恐れず前に出て、かつ巧みにサイドに食いついて
手数を出し競り勝ったあの試合は、とても印象深いものでした。中沼とはまた違った意味で、これが日本フライ級の頂点か、と感じたものです。
試合後、かなり大勢の観戦仲間と、居酒屋で「どっちの勝ちだと見たか」と遅くまでわいわい論じ合ったのも楽しい思い出です。
この中沼以外にも、川端賢樹、内藤大助、八尋史郎、田中光輝、岡田一夫ら、当時の国内上位と悉く拳を交えた上で、世界へ進んだ過程も立派でした。
後に世界戦で退けた山口真吾、久高寛之も含めると、彼のキャリアはここ10年の日本フライ級の足跡そのものと言えるでしょう。
世界戦に進んで以降の激闘については、すでに語り尽くされています。
しかし、私は世界に挑む坂田に対しては、結果として的外れに終わる、暗い予見を持っていました。
簡単にいうと、坂田健史は世界タイトルに手が届かず引退するであろう。なぜなら、現在、12回戦で世界戦が行われる以上、
一打必倒の強打を持たぬ坂田が世界王者になるためには、世界王者を相手に、ラウンド数で7対5、2ポイントのリードを得なければならない。
そして、坂田は世界王者に対し、1ポイントのリードなら奪えても、2ポイント勝てる力量は、残念ながら無い。
もし15回戦で世界戦が戦われる時代に生きていれば、坂田は世界を獲れたかもしれない。しかし...というものでした。
まあ、無意味な机上の空論です。イーブンラウンドがひとつあれば、と言われればそれまでの話でもあります。
ただ、坂田というボクサーの力量と特性を、自分なりの「坂田観」により表現すると、こういうものになる、というところでご容赦願いたいです。
結果はご存じのように外れました。ロレンソ・パーラを二試合、24ラウンズに渡り追い回したあとの第三戦でした。
これら一連の試合内容と結果によって、私の「坂田観」が崩れたかというと、実はそうでもなかったりします。
しかし坂田健史のたゆまぬ努力が結実したことにより、私の暗い予見は覆されました。
キャリア晩年、闘いぶりが悪い形での前進一辺倒になったこと、簡単にダウンされる試合が続いたこと、
そしてデンカオセーン初戦での不可解な裁定によるドロー防衛などを経て、再戦での王座転落と奪回失敗等々、
率直に言って、坂田の試合ぶりに良い印象を持つことが少なくなりました。
当ブログでも、折に触れて、けっこうきついことを書いています。
しかし、キャリア全体を見て言えることは、キャリア終盤にあったいくつかの失望は、常に懸命に戦い続けた故の
疲弊と共に語るべきものであり、坂田健史はもっと多くに見知られ、愛されるべき実力や魅力を持つ一流のファイターであった、ということです。
そして彼の引退は、ラストファイトの試合結果によって「無念」と言われるべきものではまったくありません。
今後、第二の人生において、もし引退会見で話に出た「協栄ジム後継」がもし実現するのならば、
自身がボクサーとして重ねた努力の大切さと、自らが味わった不条理を踏まえた上で、ボクシング界に貢献して欲しい。
勝手ながら、そんなことを願っています。
一番よい時期に顎を骨折し、あの一家の騒動に巻き込まれても愚痴一つ言わず、何からも逃げず、立ち向かった坂田さん。
スピードもパワーもセンスも並の彼が世界王座を4度も防衛出来たのは
そんな人格者に対する神様のご褒美ではないでしょうか。
これからの坂田さんの人生にご多幸あれ!
今後はマーケティングの勉強で,大学の夜間に進まれるとか.人柄ですね,尊敬できる真っ直ぐさです.私も見習いたい….
それから,ここで書くべきではないかも知れませんが,長谷川選手,日本でジョニゴン戦が決まった様ですね.比類ない天才,長谷川選手,この試合に関するコメントで僕は,ちょっと不安がよぎりました.
彼が天才であることは百も承知の上で,敢えて,坂田選手,西岡選手,荒川選手を見習って欲しい(パッキャオ先生もそうだと思いますが),山下会長の教えを思い出して欲しい,父上が「穂積」と名前を付けた所以を思い出して欲しいと思います.杞憂だと思うんですけどね.
下らない,何も成し遂げれていない僕みたいな人間が言ってはいかんのでしょうけど,大ファンだし,もっと高みに上れる方だと思いますので….
業界は違いますが,僕の仕事の世界では,高いところに窓が開いてる方ほど, humilityかつ静かな自信がおありですので.
過度に人格面を評価されるのもある意味、本人にとり不本意な面もあるかも知れませんが、坂田はそうした面も含めて愛されて然るべき選手でしたね。闘いぶりも、バスケスとの試合あたりまでは、執拗でかつ巧いファイターという意味で、感心する面が多々ありました。色んな意味で、晩年は苦しんだことでしょうが、そこで見知ったことを、次代のボクシング界において生かしてもらいたいという思いです。
長谷川は何か、心配になるようなコメントをしたのでしょうか。よく知らないのですが、彼があまり思い上がったりする感じは想像しにくいし、杞憂ではないでしょうか。伝えようとした意図が曲解されることなど、毎度といったら悪いですが、よくあることですし。