数日前に決まったという、マイク・タイソンvsロイ・ジョーンズのエキシビションマッチについて、WBC会長マウリシオ・スライマンが一部、懸念を語ったという記事です。
確かにグローブのサイズは大きい方が安全、という風に思われ、そう見えもしますが、PPVで放送され、記事にもあるとおり8ラウンズでノーヘッドギア、ということなら、より本当の試合に近いもの、という「絵」や体裁を求めているのでしょう。
ヘビー級で12オンスというのは、僅かに妥協した線、なんでしょうね。
メキシコではフリオ・セサール・チャベスとホルヘ・アルセが、同様の形態で闘う模様。
もっともこのチャリティーマッチ、三度目のことらしいですが。
過去のスーパーチャンプが、コロナ危機のさなかにあって、そのネームバリューを利用し、チャリティー活動や、ボクシング界の活性化に寄与するのだとしたら、これはやはり、かの国々におけるボクシングの、文化的、産業面での裾野の広さだなあ、と感心するしかありません。
翻って日本ですが、ようやく有観客試合が行われ始めたものの、感染者数の増加が止まらず、選手や関係者の感染も伝えられるボクシング界は、当然世界のタイトルホルダーたちの試合も目処が立たず、ノンタイトル戦を闘おうという「余裕」も持てないのが現状です。
こういうとき、日本の元チャンピオンで、この手の、より実戦に近い内実のエキジビションを闘い得るとしたら、やはり引退から数年以内のボクサーに限定されるのでしょうね。
長谷川穂積vs山中慎介、西岡利晃vs下田昭文、内山高志vs粟生隆寛といった、実現しなかった対戦が一挙に行われれば、大きな話題にはなると思います。
なんなら、中谷正義と、現役選手ですが吉野修一郎や伊藤雅雪と組んでも良いですね。
来たるべき再起戦への肩慣らし、錆落としとして...だったら尚、良しです。
ただ、仮に実現しても、放送なり配信なりが行われるかというと、既存のメディアを通じては無理かもしれません。
やはり、何らかの形で有料配信、という形態になるでしょう。
こんな時だからこそ、こういう企画、やってもらえたら良いと思います。
他にも色々、面白そうな組み合わせはあることでしょうし。
中谷が現役で、吉野とやるとなればビッグカードですね。とりあえずエキシビションから、ということで書いてみましたが。一発の破壊力は吉野の方にありそうですが、中谷も受け身にならず、距離に妥協しない長身ボクサー、という希有な存在です。なんとかこの先、実現してほしい一戦です。