さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

若き「王」の出陣、間近/決定戦へ/再戦も必見/無実か否かより/心は再起、されど?

2016-05-05 14:09:50 | 井上尚弥



ということでショッキングな陥落劇から時が過ぎ、日本選手絡みの話もあれこれ動き出しているので、
またちょこちょこと。


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あらゆる意味でまだまだ若いはずですが、その力量はすでに「王」と称するしかない井上尚弥。
スパーリングの武勇伝など、すでに掃いて捨てるほど聞いてきましたが、まだその上にこんな話

相手はけっこう巧いし、動けるし、手こずる展開も普通にあり得る選手です。
オマール・ナルバエスにTKO負け、ワレリト・パレナスと引き分けですから、
三段論法で今回も井上がバンバンとやってしまう、とついつい思いがちですが、
相手の力を反らすことなく受けてしまったパレナスとは、また違った展開を作れる選手、
それがこのダビ・カルモナであろうとも思います。

と、賢しらに予防線を張っていますが、私も当然、ご多分に漏れず井上尚弥の圧勝を期待しています。
前回とはまた違う種類の技量を持った選手を相手に、井上がどんな衝撃を与えてくれるのか。
それを見たくて連休の最後、また有明にいそいそと足を運びます。楽しみです(^^)


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こちらもホープの一人、待望される和氣慎吾の世界戦が、どうやら決まりそうとのこと。

対戦相手は戦績がオールKOだそうで、また動画見てプレビューでも書くとしますが、
やっぱり決定戦か、という思いはこれまた、ご多分に漏れず私も...です。

ついこないだ、フィリピンでノニト・ドネアがWBOの防衛戦をやりました。
会場が盛況だったのは当然、米国のTVもついて、ビジネスとして成立したようです。

行ってみれば日本のご近所で、こういう試合が行われているのに、呼ぼうとしない、挑みもしない。
それがまるで当然のことのようにまかり通る。これでいいのかな、という気がします。
本来挑むべき人が、より確実な(←凄く控えめな表現を選んでおります)道を行き、
世界有数のスターボクサーと関わることなく、他のタイトル決定戦に出る。

正直、諸手を挙げて喜ばしいという心境にはありません。
和氣慎吾の試合は神戸で直に一度、それ以外もTVで多数見ています。
穴もあるかもしれませんが(また後日書くこともありましょう)、決め手となる強打の威力は
世界王者を攻略する可能性があります。だからこそ、余計に残念にも思います。
この先、大晦日予算で統一戦、なんてことがあれば凄いですが...。


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WBCバンタム級次期指名挑戦者決定戦、パナマの大師匠アンセルモ・モレノが
タイのパチキ番長スリヤン・ソールンビサイに判定勝ち。動画も見ました。






2回に起こったダウンシーンはなかなか酷い。ローブローを訴えるスリヤン、勝手に試合を中断したつもりで、
モレノ師匠に後ろからド突かれてダウン。
師匠は飄々としているが、ここ一番、なかなか「ワル」なところを見せる。
気の毒なれど、これは番長、アンタも悪い。

で、その後バッティングを自分から仕掛けて、下から当てたはずが、その後、何故か自分が痛がって倒れる。
これがようわかりません。確かなことは、これではパチキ番長の名折れだということです。ちと情けない。

真面目な話、ようこれでカウントアウトされんで済んだものやな、と思いました。
敵地パナマのリングで、場内の雰囲気も、モレノの勝ちにして何の問題もなかったでしょうに。
最近は中南米も、敵地から来た選手に優しいんやなぁ、と変なとこで感心してしまいました。


ということで、話の通りなら山中の次はモレノとの再戦になるわけですね。秋頃かな?
この再戦については、ファンの間では様々に意見があることでしょうが、
私はもしやるなら、場所がどこであれ、会場に足を運びたいと思っています。
この二人の闘いには、そうするだけの価値が必ずある、と。


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もはや、日常茶飯事ですね、この手のニュース

あくまで意図的ではなく不可抗力だと、これまたよく聞くパターンの申し開きですが、
もうそういうこっちゃないでしょうよ、と言いたいですね。
結果出とるんやから、それに基づいて処分されるべき。ただそれだけの話です。

昨今あれこれと、商売大事のスター優遇、というに収まらない専横、傍若無人がまかり通るボクシング界ですが、
これもまた同様の話です。リングマガジン年間最高試合を闘って勝利した最新のスター選手が、
検査の結果に関係なく、次の試合を特に支障なく闘えてしまう、ってんですからね。

普通の頭で考えて、検査した意味ありますか、これ。

最新号のボクシング・マガジンで、増田茂氏が、薬物使用の過去を持つ元王者たちが
未だにボクシング界でセレブとして扱われていることを批判的に書いていました。
日本ボクシング界きっての「偶像破壊主義」を掲げる?増田氏ならではの記事ですが、
いい加減にそういう線引きをしていかないと、この先ますますおかしな話になっていくでしょうね。


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内山高志の今後について。

後日、放送されたドキュメンタリーの最後で、内山本人が再起への意志を語っていました。
表現ひとつで取り方はどのようにもなるでしょうが、あのときの心境としては、
コラレスとの再戦を希望、という風に取るべきなのでしょうね。

加えて、早々にロードワークを再開したと本人がブログで公表していますから、
これはもう、本人の意志は決まっているのでしょう。

有名なマービン・ハグラー引退の言「心はイエスだが、頭はノーと言っている」に倣えば
心はイエス、であることは確かで、後は、頭がどうか、をじっくり考える必要があるのだろう...
また、TV局の作った番組だけ見て、今後を推し量るわけにはいかないだろう、とも思っていたんですが。

いずれ、はっきりした再起表明、ないしは引退表明の時があることでしょう。
しかし現時点では、情勢は一方に傾いているのかもしれませんね。

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6 コメント

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Unknown (neo)
2016-05-07 00:09:54
メキシカンは競技人口の厚さ、伝統の重みが個々の選手に滲み出てる部分があり、
間合いやインサイドワークがしっかりしていて、
速いだけ、力強いだけなど、特殊技能に頼る選手を苦にしない印象があります。
今回井上にとって2人目のメキシカン、どうなるか楽しみな部分もありますが、
井上はそもそも間合いが完璧で、攻めが速くて強くて上手くて多彩ですから、
普通に考えれば倒すだろうと思います。耐久力を試される展開まで行かない気がします。

三浦の相手にいろいろと問題がある様ですが、こういったゴタゴタで、
三浦の価値が少しも減じないのがせめてもの救いでしょうか。
ショウビジネスに枠をはめる事の何と難しいことか、アマチュア競技でさえ困難なのに、
ましてや「プロ」の「ボクシング」ですものね…
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2016-05-07 07:10:23
>neoさん

伝統というのは様々な面においてそうなのでしょうね。日本にボクシングの伝統がないわけではないですが、メキシコのそれは日本における野球や相撲のレベルにあるのでしょう。ただ、おっしゃるとおり井上の規格外の強さを、カルモナが捌ききれるものでもなさそうですが。

直裁に互いの急所を叩き合うことを競技として存続させること自体に無理がある、とは誰もが一度は思うボクシングへの危惧でしょうが、そこから先に何を考えるかでしょうね。だからこそ厳格に公正を期す管理を強化すべきか、それとも...。
昨今話題になるあれやこれやと見ていると、どうにも「そういうものだから」という居直り、諦念が完全に勝っている印象ですね。体裁だけは繕っているが、中身が何もない。何とも言い難い感情を持ちますね。

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Unknown (R35ファン)
2016-05-07 08:13:23
和氣君の世界戦、今の協栄の力だとこんなものなんでしょうね。私たちファンが望む大試合より、まずは持ってるランクを守った上での決定戦が妥当かと。(実際東洋獲得後目立って強いのとしていない和氣君にそこまで期待していないので)
スリヤンは頭はともかく、日本人3選手との試合を見る限り、なかなかの実力者ですがそれをただのせこいアタマさんに見せるモレノはさすがです。山中さんが今後きちんと決着をつけるならそれこそ拍手ですし、ぜひもう一度見たい試合です。

バルガスの話は見ていていやな気分になりました。三浦さんとの激闘、8Rに決定打に近いダメージを受けながら盛り返し称えられた反撃とかも全てドーピングの力かと疑わしくなります。
ただ、こんな話に惑わされない求道者三浦さん、今日の再起戦も楽しみです。

内山さんが再起するなら少なくともワタナベジムからは移籍してほしいです。正直その後のワタナベ会長のコメントを見ても、内山さんが望む試合を組む気は感じられず、むしろ面倒ごとみたいに考えているのかと疑いたくなりましたので、あんな会長とは袂を分かつのが一番だと思います。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2016-05-07 09:06:32
>R35ファンさん

王者を招聘する経済的支援を、TV局から受けられないのが現状なのかもしれませんね。大晦日だけは特別みたいですが。全民放の中で、TBSが実は一番ボクシングに予算を出す局だと聞きます。方法論が独特過ぎますけどね。他はもう及び腰、ほどほどに、止めてもええか、そもそもやる気ゼロ、みたいな感じらしいです。状況は思う以上に厳しいです。
バルガスの強さがすべて薬物に支えられたものではないにせよ、関係があると思わせる時点で駄目なんですけどね。それを規制するための検査でしょうに、結果が出ても試合はできる。芯から馬鹿な話です。

ワタナベジムに限った話でもないでしょうが、チケット販売ができる選手の試合を組むこと自体は、ジム会長にとって面倒ごとが否かはともかく、損ではないはずです。まして内山ともなれば。私は違う意味であの会長とは袂を分かつべきだと思いますが。まあ世の中、下には下がいて、それこそ選手のために何もせず、椅子に座って屁こいてるだけ、みたいな御仁も多々おられるようで、それから思えば、望めば試合は組む、というのはマシな部類だったりもします。まあ、内山の話をするのに下を見ても仕方ないんですが。

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Unknown (NB)
2016-05-08 14:32:35
内山敗戦の記事の時にコメント入れたかったのですが、なかなか言葉が定まらずにありまして(笑)。
復帰の方向ということで、正直嬉しいです。
今回の敗戦を考えれば考えるだけ、内山のボクサーとしての姿勢や情熱や覚悟など、尊敬に値する誇りに感じるチャンピオンと自分は思っているからこそ、完全に実力差の敗戦と捉えないと先はというか、ビッグマッチ勝利なんてあり得ないように感じました。

ボクシング技術だけじゃなく、試合前の準備や気持ちの作り方などもどんな理由があっても試合が決まった以上、万全に持っていく職人の域にあるはずの内山だからこそ、実力差としか言えないです。ましてや、前座での二人の頑張りがあったわけで。
だからこそ、今回の敗戦内容には、強烈に日本の誇る強豪チャンピオンに、まだまだ通用しない事を突きつけられた感が拭えません。
内山はいつも通りだったはず…ですが、今まで体感した事ない、速さと切れに体以上に心を崩された感じで、それがいつもの内山じゃないように見えたように思います。
そう考えると、これだけの防衛を果たしても…て事で、世界の強豪に立ち向かうには、石田順裕のようなボクサー路線の貴重さを感じます。いろんなタイプでしかも質の高いボクサーと対峙してわかる事と言いますか、自分の弱さに気ずかされる事が本当の強さになるでしょうし、日本にいても、強い強いと称えられる事が多いでしょう。
所属ジムとの兼ね合いは一番でしょうが、外に出ないと得られないものが、まだまだ沢山あるように思えてなりません。
そう思うと大場政夫さんは、今の日本人チャンピオンには届いていないものがあるんじゃないでしょうか。

さあ井上尚哉、もちろん彼には最大の期待はしています。しかし、激闘の猛者達と渡りあう前には、日本人名チャンピオン長期防衛路線以外のものを若いうちに
大事に育てるだけじゃないものをみたい気持ちです。

…なら大丈夫、井上なら大丈夫、日本人はそう思いがちになります。その裏付けには必ず外での経験が必要になってくると思います。
そういう意味で、今一番世界の強豪レベルに近いのは、三浦なんじゃないですかね。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2016-05-11 06:46:18
>NBさん

内山が今回の敗因をどう捉えているか、試合への準備がどうだったか、については、それぞれに見方があることでしょう。私など傍目には、あんなに容易に先手を許し、思うままに速さを発揮された立ち後れは、結局はさまざまな要因による「不備」が原因である、と思いたいところです。しかし同時に、実際の試合展開からは、明白な力量差が出た結果、という結論しか見いだせない。内山が再起するなら、より厳しい自己分析が必要でしょう。
内山が若い頃から世界のトップシーンに参入しようという目的で、そのキャリアを構築できていたら、今の彼がどういうボクサーになっていたかはわかりません。マイキー・ガルシアと伍して闘えたかもしれませんし、130ポンドのエイドリアン・ブローナーに粉砕されていたかもしれません。しかし勝ち負け以前、強弱以前に、彼がそのように生きられなかった現実と、その中で目指して、果たせなかったことの多さ、その末の敗北について、私はやはり、冷静に評することが出来ないですね。

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