さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

夜空を見上げて

2007-01-06 23:53:43 | 関東ボクシング
坂本博之は最後の最後まで坂本博之でした。
弱い相手を相手に簡単なKO勝ちをして、
みんなが笑顔で彼を見送るセレモニーが行われるという
我々の想像は粉々に打ち砕かれました。

詳しいことなど知りませんが、今回の戦闘意欲に満ちた相手との対戦は
坂本博之自身が望んだものなのではないかと想像しています。

どう見ても満身創痍の身体でなお、彼は最後の最後まで、
笑顔に囲まれる茶番劇ではなく、剥き出しの牙を相手に闘う「ボクシング」を
闘おうとしたのではないか、と。

かつて、誰よりも強く、誰よりも魅力的で、誰よりもよく闘い、
敗れてもなお起ち上がり、多くの人々の心を揺さぶってきた男。
今日の、ぶざまなまでの苦闘は、そんな坂本博之のフィナーレに
ある意味とてもふさわしいものなのではないかと思いました。
誰しもが想像していた、素人並のタイ人をKOしてのセレモニー以上の感動が
今日の試合にはありました。そう断言します。


「夜空を見上げて『さかもと』とつぶやくと、それだけで泣けてきます」

かつて、さる高名なボクシングライターが、こんな臆面もない(^^)文章を
本当に書かれたことがあります。

試合が終わり、後楽園ホールを出て、夜空を見上げると、
朝からの雨はすっかり上がっていて、綺麗な月が見えました。

本当に、とても綺麗な月でした。


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4 コメント

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お疲れ様でした ()
2007-01-07 01:41:39
坂本選手らしいラストファイトでしたね!

何故好き好んで厳しく辛い、
「ボクサー」という道を選ぶんだろう?と考えていた自分がボクシングを見るようになったのは
坂本選手の世界戦を見てからです。
ひたすら前進、負けてなお雄々しい姿。
誇り高い、カッコイイ男です。

最後まで坂本選手は坂本選手でしたね。

観戦お疲れ様でした。一人で思い切り泣いてくだせ~。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2007-01-08 01:33:53
どもども、こちらでははじめましてですね。

私は坂本博之ファンという輪の中からは外れた
部外者だと自覚してたんですが、昨日の試合を見て
最後の最後に、その輪の中に入れたような気がしました。
そういう感覚が、なんとも言えない気分でした。

最後の最後まで、あんな風に闘って見せてくれる、
坂本博之はやはりすごい男ですね。
ボクシングを好きで良かったと思います。
あんな凄い男を見知ることが出来たのですから。
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Re: 夜空を見上げて (トリトン)
2007-01-09 12:10:27
 雨が上がっていましたか。その漢の前では、雨までもが敬意を以て降り止む。だから、坂本博之の側はいつも暖かいんでしょうね。

 …と、感化されて臆面もない文章を書いてみました(^_^;)
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2007-01-09 17:17:54
おおお、これはどもども。ようこそであります(^^)

ホントに、ウソみたいに雨が上がってまして。
ぽっかりと月が浮かんで見えました。
陣内大蔵の「Dear Moon」じゃないですが、
月ってその時々に応じて、見え方が違うんですよね...。

あの夜の月は、何となく、ほっこりと暖かい光に見えました。

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