WBC、ルイス・ネリーを、スーパーバンタム級で世界1位にランキング。
なんというのか、もう、どこからどう突っ込んでいいものやら。
メキシコの闇、かくも深し、というところでしょうか。
その昔、三階級制覇を達成した後でしたか、かのフリオ・セサール・チャベスがドン・キングに条件闘争を仕掛け、ボブ・アラムにも秋波を送って両天秤、という、いかにもありがちな話になったとき、メキシコの麻薬カルテルの関係者といわれる人物が、チャベスに面会しようとしたアラムの使者を出迎えて威迫した、という話がありました。
この怖いお兄さんたちが、いったい全体、どこのどなた様の差し金でやってきたものか...まあだいたい、想像はつく話です。
ボクシングに限らず、メキシコの有力スポーツ選手と、麻薬カルテルを始めとする「その筋」との関わりは、最近では公に報じられ、批判されています。
ボクシングが、その時期によって多少の盛衰あれど、やはりメジャースポーツであるメキシコでは、当然ボクサーとて、それと無縁なわけはないでしょう。
ルイス・ネリーが往時のチャベスほど、大を成した存在ではないのは事実で、そこまで大層な話かどうかなど、知れようはずもないですが。
少なくともランキング作成における、ネリーの「取り扱い」が、純粋なスポーツ面における、ネリーの現状を正統に評価してのものだとは、世界中の誰もが思わないでしょう。
それは当のネリー本人とて、ではないでしょうか。
もちろん、人に訊かれれば、違うことを答えて言うのでしょうが。
彼については、エマヌエル・ロドリゲスのような、若くて盛りの時期にある強豪ではなく、その辺を微妙に外した、そこそこの相手と数戦こなすうちに、井上尚弥や他のタイトルホルダーとの対戦が実現「してしまう」んだろうなあ、と漠然と思っていました。
しかし、その予見は的外れだったようです。何にもせんのに1位ですからね。要らんことはあれこれとやっているのに。
まあ、普通の常識が通じん世界の話やなあ、と思うしかありません。
今思うことは、井上と関わりになる前に、誰ぞに足元すくわれて、消えてくれんかなあ、ということくらい、ですね。
実際闘ったらどうなるだろうか、という想像をするのも嫌です。そもそも、とうの昔に、そういう対象ではなくなっていますし。
誰の目にも異様ですよね。メキシコのスジもんの皆さんは、もちろんほどほどに悪いのから、洒落にならんのまで幅広く、警察では無く軍隊と事を構えるのが日常だったりするとか。お薬から銃器弾薬、密入国、誘拐など、まあ何でもござれ、なんだそうです。「おおコワ」とか言ってる場合じゃありませんね。
エキサイトマッチの放送予定は、普段ならありえないレベルのカードが並んでいて、まあ仕方ないとはいえ...なんか、その上にちょっとだけ延期になったとかで。困ったものです。どうせなら井上浩樹や清水聡の試合流してくれればいいのに、と思ったりもしますね。