少し前に見た記事です。
チャンピオンカーニバルの施行方法が改訂されたとのこと。
日本プロボクシング協会より
— 伊藤雅哉 (@masayaito_box) April 29, 2023
「チャンピオンカーニバルの施行方法改定」について
今後は6月末時点の日本12位以内、東洋太平洋王者、WBO‐AP王者に最強挑戦者決定戦の出場資格が与えられ、出場拒否すればランク下落、1年の日本タイトル挑戦不可に
👇詳しくは #ボクモバ 記事をhttps://t.co/ZU7vUNor1j
日本チャンピオンの地位向上、タイトルの価値向上がボクシング人気に繋がる、というのは、まったく同感です。
というか、日本チャンピオンといっても必ず日本一ではない、という状況...看板と実際の乖離こそが、日本ボクシング最大の弱点であり、弱味である、と思います。
今回、協会が動いて、何かを変えようとしたこと自体は、素晴らしいことです。
記事によると、日本タイトル挑戦者決定戦の出場権について、
・毎年月6月時点の日本ランカー12位までと、OPBF、WBOアジア王者も含めた選手が出場可能な範囲。
・この中の選手に、出場の意思確認を行う。
・優先権は日本1位、OPBF王者、WBOアジア王者、そして日本2位、の順。
・出場を拒否した場合は、ランク下降及び、1年間の日本タイトル挑戦資格喪失。
あと、チャンピオンカーニバルと呼称する試合の取り扱いについても改訂。
これは何だかよくわからん話ですので、パスします。
で、この記事を見て最初に思ったことは、あまりに情報が少ないなあ、ということでした。
ルール改訂の内容自体をどうという以前に「日本プロボクシング協会」が主語になっていて、理事会で改訂を決めたとありますが、いったいどのような過程で、協会加盟ジムの会長(=事実上のマネージャー、プロモーター兼業者)の意見を募り、改訂に至ったのか、ということが、まったくわかりません。
本当に、各地域の協会を通じて、各ジム隅々にまで話が通った上での話なのだろうか、と。
数日待ってみましたが、詳しい追加報道も情報も、知る限りありません。
ボクシングモバイル以外で、これを取り上げた媒体はボクシングビートHPくらいでしょう。
まあ、ボクシング界の常というか、こういう大事な(はずの)話でさえ、さらっと触れたら深入りしない「報道」は、毎度のことです。
ということで、限られた情報だけで考えるしか無いのですが。
実際、来年以降、このような挑戦者決定戦出場選手の選出が行われるとして、それが必ず好カードを生み、ファンの納得感を満たすカーニバルのカードに繋がるでしょうか。
日本タイトルの価値向上を、業界全体で目指す合意形成なくば、結局は各々の都合が勝つ、毎度の通り、ということになりはしないか。
今回の改訂にあたり、そのような意見集約、合意形成が充分に行われ、各々の都合を棚上げしても、日本タイトルを優先して、上位選手たちが活動するというのなら、それは素晴らしいことでしょうが、その辺がまったくわかりません。
こんな改訂が、実行力を持つものなら、或いは業界全体が意思統一をして、実効性を持たせようという意志があるのならば、それこそOPBF王者やWBOアジア王者を、常に日本ランキングに掲載すればいいことだと思います。
さらに言うなら、世界ランカー(という言葉では、実体より大層なので、世界ランキングに名のある状況の選手、と言うに止めたいですが)も、同様に日本ランキングから外さず、そのまま名前を並べれば良い、とも。
しかし実際は、動き出したら、どうということもない、という話で終わりかな、と今のところ思います。
挑戦者決定戦出場を辞退したら、1年間、日本タイトル挑戦不可、日本ランク下降とありますが、ランカーにとってはともかく、OPBFやWBOアジアの王者にとっては、そんなもの痛くも痒くも無い話です。
実際、日本タイトルを獲りに行かずに、他に価値を、利害を見て、そちらに行っている選手なのですから。
とりあえずは6月のランクを基準に、秋頃には挑戦者決定戦が行われるわけですから、その経緯を見たいと思います。
しかし、日本タイトルのブランディングを、業界挙げて徹底的に行う、ということなら素晴らしいですけど、実際の所は、東日本の協会、手の届くところの枠内の話、という感じにしか見えません。
その辺、もっと深掘りした記事を読みたいものです。とはいえ、深く掘りようもない話に過ぎない、それが実際なのかもしれませんが。
返上などに制限をかけるのは難しいでしょうね。世界ランク付与なども同様です。結局、どんなルールにも限界があります。
要は日本タイトルを、誰もが目指す価値あるものにすること。そして、公平な出場機会や興行権益を、有力選手及びジム(会長)に与えること。ランキングひとつとっても、より厳密に公正さを追求する仕組みを作ること。その他、言い出したらキリが無いですが、結局のところ、業界全体にそのような意志があるかどうかです。一部の協会関係者だけが話し合って決めてみたところで、実効性の担保にはなりません。
その辺がどうなのか、記事からはまったく読み取れない。ボクシング界って、本当に何ごとも上辺だけやなあ、と思うのはこういうところです。
何だかペナルティもインセンティブも半端。周知や広報も半端ゆえ、あまり意味ない、自浄作用も半端になりそうな気がします