ということで昨夜のG+生中継感想文、簡単に。
メインの日本バンタム級タイトルマッチは、澤田京介が大嶋剣心をダウンさせるも、バッティングでの負傷、出血が酷く、5回早々に負傷判定、2-1で王座獲得でした。
両者ともに、早々から好打の応酬。なんか、噛み合ってしまうというか、互いに良い角度とタイミングが自然に取れてしまう感じ。
大嶋の左フックで澤田が前にのめり、ピンチになったかと思うと、同じような距離で打ち合ったら、次は澤田の右が決まって、大嶋がロープに倒れかかり、ダウンする、という具合。
問題のバッティングは、澤田が右をミスし、その腕が大嶋の頭を引き寄せる形で起こったものと見えました。
こめかみのあたりからけっこうな出血でしたが、ドクターチェック二度を経て、試合成立の4回終了。
しかし5回早々、三度目のチェックで、ストップ。
この流れは、正直言って複雑な気持ちになりもしました。
とはいえ、また王者決まらず、ではさすがに、いたたまれない気持ちになってもいたでしょうね。
セミの湯場海樹は、近藤哲哉のラフな攻めに苦しみつつ、左で徐々に止め、ダウンも奪って判定勝利。
とはいえ、揉み合いの際に打たれ、近藤が左フックをミスしたときに、目の周辺にヒジが当たったりもして、苦しい展開でもありました。
左の威力、合わせのタイミングは父親譲り(何もそこまで似んでもな、というくらい)ですが、どこか「一辺倒」になるところまで同じ。
父と違って、もう少し自分から展開を作るボクシングを身に付けていかないと、という印象も、これまで通り変わらずでした。
もうひとり、元王者の子息が登場しまして、山口圭司ジュニアの山口臣馬(しんば、と読みます)が6回TKO勝ち。
西のホープと目された小林廉も、良いボディブローを決めていましたが、山口は小林の右クロスを際どく外して左フックカウンター、という、才能ある人しか打てないパンチで、3度、同じダウンシーンを演出。
6回、3度目のダウンでストップとなりました。
山口のセンスは、父親とはまた違った形で出ましたが、こちらも湯場海樹と同じく、受け身になる展開が続くのは今後の課題でしょうか。
しかし、並外れたものを持っているのも確かです。色々と「部品」を取り揃えて、順調に伸びてほしいものです。
山口くん、あのフィニッシュ場面はまさにモンティエルを倒したドネアフック。センス感じましたし、ガードの間を通した右のまっすぐもキレありましたね。目の良さ、カンは素晴らしい。
ただ湯場くんもそうですが、ジャブと足ですよね。結構簡単に相手を中に入れて撃たれる。ボディも効かされてましたし、よりブルファイターにはまだ厳しい。
湯場くんはKO負けの後遺症からか、左も打つ時に迷いというか、良い時よりキレや踏み込みも甘いように見えました。そしてあの不細工なフットワーク。ここはお父さんを真似ないで。
バッティングについては、いつもはそういうイメージもないんですが、今回は大層に血の出るところ、しかし目に入る位置かというと微妙、というカットでしたね。裁定もまあ...「引っ張った」んでしょうね。それに対するこちらの感情も微妙でした。
山口臣馬の、右を目で外して左、あれはある意味「選ばれた」人じゃないと打てないパンチではありますね。湯場海樹は本当に、ええとこも悪いとこも全部お父さんそっくりです。困ったものです。しかしそれもこれも込みで、見ていて力が入りますね(笑)。