さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

ボクシング漬けの日曜日、その極限 2/2 ロマチェンコ「封殺」ならずも連勝

2021-12-14 06:52:26 | 海外ボクシング





日曜の感想文、前回から続きます。


勅使河原弘晶のKO負けを見終え、WOWOWプライムの方はしばし、ドネア特集の時間へ。
オンデマンドの方はというと、セミのジャレド・アンダーソンがKO勝ちしたあと、ボブ・アラム90歳のお誕生日会をやっていました。

グローブ型のケーキに、小さい花火みたいのつけて、タイソン・フューリーがお祝いの歌を歌うために登場。
ビデオメッセージには著名なボクサーや関係者が続々登場。オスカー・デラホーヤが出てきて、おお、と思ったら、何とその後にはドン・キングまで。
道を極めた者同士の仁義、ってことなんですかね。
まあ、こちらとしては、別にめでたいとは思わぬまま、メインまでしばし待つのみ。ようやるわ、と...。



そんなこんなで始まったワシル・ロマチェンコ再起二戦目は、ガーナの強振パンチャー、リチャード・コミーとの元王者対決。
ロマチェンコが上下の打ち分け、サイドに回っての切り返しなどに変わらぬ巧みさを見せ、7回には連打で攻め込んで左フックでダウンを奪い、終盤コミーの粘りを許すも、大差の判定勝ちを収めました。

しかし、コミーの闘志、頑健さ、ファイターとしてのモラルの高さもあり、中谷正義戦に続くKO勝ちはならず。
ライト級としては小柄なロマチェンコが、それでも能動的に試合を作って行くが、スーパフェザー級までのように、相手を降参させるほどには打ち込めず、また、全てを外しきってしまえるわけではない。

積極的に動いて外し、打っていくため、浅く、芯を外したものではあってもヒットを喫する場面も散見される。
かつて相手から反撃の意志すら消し去る「封殺」を続けていた頃から思えば、ライト級という戦場におけるロマチェンコは、完全無欠の精密機械ではなくなっている。
強敵コミーとの闘いは、改めてその事実を知らしめるものでした。


それを嘆き、或いは悲しむ向きもあることでしょう。
しかし本来の階級を超えてなお、そのリスクを背負って闘い、その技巧はしっかり通じるところを見せている。
現王者ジョージ・カンボソスをはじめ、上位陣の誰と闘っても、差の大小はあれど、有利の予想が立つことでしょう。
その事実、その凄みをもって、やはりロマチェンコというボクサーは、仰ぎ見るべき存在であり続けています。
この日見せた、技術レベルは高いまま、能動的に試合を作って行く姿勢を譲らない姿であれば、カンボソスやロペスはおそらく、その軍門に下ることになるだろう、と思います。


しかし、たったひとりだけ...かつての完封マシーンだった頃ならともかく、ある意味「降りてきている」ロマチェンコを攻略しうるとしたら...その可能性を秘めているのは?となったとき、ひとつだけ思い浮かぶ名前と顔がありますね。
先週、傷めた左拳が心配ですが...。

また「会社の違い」が邪魔をするのかもしれませんが、来年のうちに、なんとかその対決を見たいものです。
ほぼ間違いなく、真のライト級世界一は、そのカードによって決まることでしょうから。



そんなことでプライムの方に戻り、録画中のレコーダで「おっかけ再生」をして、ドネア戦まで3試合を見終えました。
セミセミのブランダン・リーは初めて見ましたが、抜群の体格、パワーに感心。「幹」の部分は相当強い。逸材でした。
もっとも、素材として、というところから先の課題は、これから色々あるのでしょうが。

セミですが、クドラティロ・アブドカハロフ、という名前に見覚えあり。
あれ、なんでこんな、5回か10回か復唱しないと言えないような名前を知っているのだろう、と思ったら、以前小原佳太とフィラデルフィアで闘った選手でした。
そういえばあの後どうなった、と思ったら、試合枯れ?で色々大変だったとかいう話で、それが影響したか、抜群に強いというわけではなさそうな相手に敗れてしまいました。


当たり前ですが、ボクサーひとりひとりにさまざまな試練があり、厳しい闘いは誰にも等しく課せられるものです。
その道程の、どの辺りにいるのかどうかで、見えてくるものも違ってくるのですが、時にその違いを乗り越えてしまうボクサーもいますね。
メインなどはその、余りにも極端な例たるボクサーが、見事勝利したわけですが...。




そんなことで、ボクシング漬けの日曜日、その最たるものと言える一日が終わりました。
言うとる間に今日は井上尚弥です。AbemaによるPPVで見ます。
メインカードについて思うことは多々ありますが、実際の試合見て、違うことを思う場合もありますので、今はひとまず黙るとして、アンダーは色々充実、セミもメンデス、谷口戦ですし、しっかり見たいと思います。





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2 コメント

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Unknown (アラフォーファン)
2021-12-15 16:58:52
あの右に身体ごと移動して死角から左、右フック飛ばす動きは健在でしたね。相手からしたらロマチェンコが消えた?か視界から外れたと思ったらいきなりパンチが来るからたまったもんじゃ無いですよね。あの動き、日本人誰かやらないかな。田中くんなら、とは思います。
おっしゃる通り、大きな相手と対峙する消耗、これはロマチェンコ様も例外ではないという事ですね。ただそうは言ってもあの7ラウンド、止めてもいい気もしました。本人アピールしすぎでもありましたが、ダメージからするとそれに値する。そこから生き返ったコミーもなかなかです。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2021-12-16 19:37:10
>アラフォーファンさん

サイドに出て、でも微妙に身体をさらしているときもあって、あのさじ加減は理解を超えたところです。回りきってしまわないときに、打つのかと思ったらそこで見て、打つか避けるか決めているような。
7回、倒したあとは、言ってしまえば「要らんこと」してるなあ、と思う反面、倒してしまいたい、という気持ちではないところが、やはり剛胆というか何というか。体格のハンデがあったとて、やっぱり色々、かけ離れてますね。
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