ということで、ESPNの毎度お馴染みマイク・コッピンガーによる記事。
井上尚弥、スディーブン・フルトン戦は条件面で合意に達したと「情報筋」が語った、という内容ですが、何しろ出所が「当の」ESPNですので、おそらくこのまま話が進み、遠からず発表されることでしょう。
Naoya Inoue and Stephen Fulton have agreed to terms for a fight for Fulton's two 122-pound titles, sources tell ESPN. The bout will take place in Japan and will be streamed by ESPN+ in the morning stateside. May being targeted but no date set yet:https://t.co/L9OFe1qZCb
— Mike Coppinger (@MikeCoppinger) January 19, 2023
日時は未定ながら、5月を目標としている。
(米国では)ESPN+によるストリーミングが行われる。
井上の試合は火曜日によく行われる。
それ以外は過去に語られたことと同じです。
帝拳ジム本田明彦会長がプロモーターとして、この試合の日本開催を推進している、との記述あり。
これも今まで通りです。
すると、やはり4月に寺地拳四朗vsジョナサン・ゴンサレス戦があるならば、間隔は一ヶ月、ことによると二ヶ月、空けることになるでしょうね。
拳四朗、ゴンサレス戦がどの程度の規模のイベントになるかが不明ですが、噂されるようなアンダーカードが実現するなら、色々話が違ってきます。
井上尚弥の年三試合という希望は、ファンのそれと重なるものですが、やはりなかなか難しいですね。
あと、フルトン招聘には相当な条件を出してもいるでしょうね。
ブランドン・フィゲロアとの再戦、その日のメインイベントではなくセミで、いかなPBCといえど、桁外れの好条件ということもなかったのでしょうが、さりとて、来日しての井上戦となれば、普通の条件で動いてくれるとも思えません。
何しろ日本側がそれを超えるオファーをして、引っ張ってきた、というところではないか、と。
そうなると、やはり2万人クラスの大箱興行でないと厳しいところでしょうね。
平日開催、さいたまスーパーアリーナという過去の事例がまた繰り返されそうです。
もっとも、この条件でも大会場を埋める井上の集客力あってこそ、の話ですが。
あと、配信ですが、NTT(ひかりTV、dTV)の配信だと、前回以上の売り上げを狙い、なおかつアクセス数を事前に管理しやすくするため、というふたつの目的で、PPV配信になる可能性もありますね。
AmazonPrimeなら、余裕の月額料金内で納まるのでは、と思いますが。どうなりますかね。
利便性で劣り、安心出来ない配信に、高額の料金がかかるというのは、見る側としては困るというか、理不尽であるとさえ感じますが...。
何しろ、カード自体はほぼ決まりとみて間違いないのでしょう。
あとは日時、場所、その他諸々がどうなりますかね、というところです。
ついでに、試合自体についてはいずれ、色々語ることになりましょうが、井上尚弥が今度こそ苦戦するとか、負けるんではないか、という見方については、まあそういう見方、見え方もあろうが...というところです。
ひょっとすると苦戦まではあるかもしれないが、という。
逆に言えば、この試合はスティーブン・フルトンの方が、その真価を問われる試合なんじゃないですか、と。
そんな風にも思っています。
フルトンはいわゆるビッグネームではないかもしれませんが、非常に評価の高い選手ですし、何より米国の黒人選手というのが本当に大きい。井上にとって、アフマダリエフとは全く異なる意味、価値のある対戦相手と思います。
フルトンが日本に来るのは驚きですが、考えたら米TRのリングに呼ぶよりはるかにハードル低いですね。相当の好条件を出したと思いますが、日本での高い商品価値の正しい使い方、と思います。
5、6月というのは、ラマダンもあるのでしょうかね。フルトンはラマダン中でも試合できるらしいですが、日本で井上相手となると万全を期したいでしょう。上手くいけば以前のように、5、9、12月で年3試合というのも可能かもしれませんが、まずはフルトン戦実現を最優先させて欲しいです。
フルトンはサイズ、スタイル的に過去最大の難敵と思いますし、井上が転級初戦であることからも、フルトン有利の声は理解できます。ただやはり、両者を見比べると、なんですよね。とにかく無事に実現することを祈ります。
その労力と資金とを投ずるに値する商品価値があると認められれば(見た目上)すんなり話が決まる。かつての日本で何度も出てきた「相手が逃げるからビッグマッチが決まらない」という常套句はもう通じない。決まらないのならその選手に本当の商品価値がないのだ。そう見做されてしまう時代に入った。そう感じます。向こうでは公然とベルトなどただの飾り、こだわるような代物ではないと言い放つ『所謂』スターが少なくないですが、日本でも世界王者になるのはゴールではなく通過点にすぎない、という認識がスタンダードになっていくのかも知れません。
フルトンについての印象は私も概ね同じです。勿論、ダニエル・ローマンをクリアに退けたその実力を軽視は出来ぬとしても、一方でフィゲロア相手に再戦が議論されるような『好ファイト』を許す側面もある訳です。下から上げて来たとはいえ、井上のパワー・スキル・ボディショット・タイミングはフルトンにとってもまた未知の領域のはず。最低でもローマンをシャットアウトした時の出来でなければ井上相手では厳しいと見ます。個人的にスーパーバンタムで井上相手に純粋な実力で50:50になる可能性があると思うのは、全盛期のリゴンドーだけです。
フルトン戦を実現するには、所属の関係からも報酬からも日本のリングが条件に合いすぎているので、むしろ日本以外だと組めない気もしますね
フルトンはレオやローマンに完勝したことが目を惹きますが、井上がフルトンのようなスタイルと戦っていないと言われているように、(フィゲロアのような特殊なスタイルは除いて)フルトンもまた足や踏み込みがあまり無くジリジリとプレッシャーを掛ける選手には相性が良いことを示している一方で、足や踏み込みがある選手相手にどうなるか分からないところがあると思います
また、だいぶ前なので参考になるか分からないですが、中間距離でも勝負をするグリアやロペスに2-0というのも気になります
なので、フルトン側から見ても足や踏み込みがある井上やアフマダリエフは興味深い相手に思います
フルトンの強さは認めた上で、井上からすれば要するにドネアIなんだろうと思うんですね。強くてデカくてタフな未知の強敵と倒されるかもしれないようなヒリヒリした戦いをしたい、と。そういう意味では相手は力があるならば究極誰だっていいのでしょうね。井上に与える脅威という意味では、フルトンより初戦のドネアの方が少し上かな、とも思いますね。
ESPN情報が覆ったら大ごとですが、PBCの選手絡みだと、まだここから何かあり得る、ってことでしょうか。うーん。さすがにないと思いたいですね。
日本でやることで、会社の違いという障壁がクリア出来るなら、相当な金銭的条件がないと無理だとは思います。軽量級のマーケット、というよりも井上尚弥の作り出した状況で、日本のリングがそれを差し出せる、ということなんでしょう。
ラマダンというのは完全に断食というわけでなく、食事していい時間帯もちゃんとあるらしいですが、やっぱり調整や試合となると、そこは外したいのでしょうね。年3試合は、フルトンと決まって、勝って次、アフマダリエフとなれば、さすがに2試合で我慢しましょう、という感じですが。
フルトン戦自体の予想は、そりゃ楽だなんて思いませんし、あのジャブを外しきれるかは問題でしょうが、フルトンがそれこそメイウェザーやシャクールのレベルで、完全に外しきる選手でもないだろう、という風にも思うのです。ただ、アンジェロ・レオやフィゲロアとやった試合を経て、ローマン戦は一段上の出来だった。あの調子だったら苦戦はするかもしれない。或いは、さらに伸びていたら?という見方をするならば...とも。しかし対井上で有利だなんて、そりゃさすがに...というところですね。
>月庵さん
上記の通り、この試合を実現させるものは、井上尚弥という真の王者の存在故、でしかあり得ないでしょうね。同感です。
挑む側、でしかない者が、対等という体裁を求めるが故に決まらなかった試合とは、根底から事情が違う、ということでしょうね。とはいえ、本当に逃げられた事例もあるにはあるようです。山中慎介はレオ・サンタクルスに「挑戦」する条件での打診を何度繰り返しても、全部断られたそうです。まあこれは階級違い故に、という言い訳が先方にあったのも事実でしょうが。
世界王者がゴールでは無い、というのはもう、認識はともかくも、現象としてそうなっていますね。良し悪しある話ですが。
フルトンは確かに難敵ではありますが、どこか突き放しに徹しきれないところも見えます。ローマン戦は出色の出来で、これなら確かに世界の最高峰、と言える選手だと感心しましたが、あれと同じ闘いを井上相手に出来るかというと...真価が問われる、というのはその点ですね。井上をジャブで止め、何なら切り裂いて、とやれたら凄いですが。
リゴンドーの全盛期だったら、というのも同感ですね。共に打たせない繊細さが柱だという点で通じる者同士、でもありますね。
>モノクマさん
あちらで出る条件を越えるものが日本で出るなら、話は簡単ですね。それをなし得るのは、井上尚弥しかいないということでしょう。
レオやフィゲロアは、一瞬のスピードや踏み込みの速さ、外すセンスで井上に劣ると思いますが、それでもフルトンの懐に入ったり、好打したりという場面を作っているのですよね。では井上だったらどうか、と。
ただ、ローマン戦はその辺の「水漏れ」がほぼ見られないような試合をしているのも確かで、あの出来のまま、或いはさらにグレードアップしていたら、という。フルトンの真価が問われる、というのはこの点ですね。グリア戦やアダム・ロペス戦は見ていないんですが、まだ甘いところもあったんでしょうね。
>Neoさん
その格言は重いですね。井上尚弥の存在故に、日本のリングで話が「回る」なら、我々にとっては有り難い限りですが。
フルトンが井上にとって、かつてのドネアのような存在になるかどうか、というのは、あちらにとっても問われる部分というか。少なくとも井上のレベルと闘ったことはないでしょうし。ローマン戦の出来からさらに左リードを強化し、槍衾を作って対抗し、カウンターで効かせ、足で捌き、ということを、強度高くやり続けて、やっと井上と勝負になる、脅威たりえる、と思います。それが出来るかどうか、勝ち負けよりもまず、それを見せねばならないでしょう。
あとは体格の差ですね。井上がドネア初戦のように打たれれば、その差が出るかもしれません。しかし、階級上げてコンディションの良い井上に、そんな余裕を確保して闘えるとも思えませんね。はてさて。何しろ、実際にやって見せて欲しいなあ、と思うばかりです。