さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

リナレス、初防衛

2007-12-18 09:45:30 | 海外ボクシング
またも情報シャットアウトの月曜日でした。
リナレス、バレロ防衛、松田直樹もルディ・ロペスに勝利。
メキシコの選手が3人も負けて、地元の観衆はさぞや不満だったでしょうが。

リナレスに挑んだガマリエル・ディアスは、岡山と大阪で見ています。
藤原直人、上原誠と闘った時は、リーチと目の良さ、左の巧さが目立つ
技巧派という印象でしたが、今回は自分から出て、右も惜しまず出しました。
ただ、やや膝が硬く腰高で、もうひとつパンチ力がないのは変わっていませんでした。

リナレス、初防衛戦が敵地、相手は指名挑戦者という厳しい試合でしたが、
途中攻められる場面もあったとはいえ、4Rにダウンを奪った右アッパー、
そして8R、フィニッシュブローとなった右ショートのカウンターなどには、
まさに天性を感じました。ベネズエラのみならず、近年の南米全体でも
屈指の逸材と言っていいでしょうね。

ただ、どうも彼のボクシングを見ていると、良くも悪くも
「これって、日本人の理想やなぁ」と思います。
綺麗に構え、型通りに打ち、連打の組み立ても順番通り。
もう少し、リナレス自身の個性を生かすスタイルが見えても良いような気がします。
そのあたりは、今後の課題というか、楽しみにとっておくべきことなのでしょうけど。


松田直樹とロペスの再戦は、放送されたラウンドを見る限りでは、微妙な感じです。
そもそもロペスという選手自体、「元世界王者」という肩書きに相応しい選手かどうか、
大いに疑問があります。ロペスが越本隆志に挑む前、メキシコで公開練習をやった時、
カンクンを中心に闘っていたロペスのことを見たことが無かった記者達からは
「これが本当に、今度世界戦に出る選手なのか。どこかの練習生じゃないのか?」と
疑問の声が上がった、という話があります。
だからというわけではないですが、今回の試合が「世界挑戦者決定戦」と
銘打たれていたのには驚きました。
これ、そんな試合かなぁ、というのが率直な感想です。

最後に、バレロの試合ですが、一言、相手が気の毒でしたね。ミスマッチでした。


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4 コメント

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Unknown (asikawa)
2007-12-18 10:34:56
私もリナレスのスタイルは日本人的に見えてしょうがないですね。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2007-12-19 09:34:31
asikawaさん、はじめまして。今後ともよろしくです。

リナレスのスタイルは本当に、日本人が思い描く「いかにも」な理想を、あまりに型どおりになぞっているように見えて、ホントにこれで良いのかなという気がします。まぁ、時折リナレスの天性が光って、それが決め手になって勝っていますけど、もう少し、リナレスの個性、発想を、うまく生かした闘い方があるような気がします。今後、リナレスがこれで大成功すれば、余計な危惧だったということになるのでしょうけど。
返信する
私も同感! (レノンバッファ)
2007-12-19 13:52:37
>「これって、日本人の理想やなぁ」

まさにその通り。同感です!
もっと言えば帝拳ボクシングの理想型を叩き込まれているような感じを受けます。
美しい型はあるのですが、リナレスの天賦の才のいくらかもそこに封じ込められているような気もして……ほんとにこれでいいんだろうか、という気分になってしまいます。
リナレスほどのセンスがあれば、本来あの程度の相手に、あれだけプレスをかけられるはずはないと感じてしまうのです。不用意な被弾も意外に多かったし。

もっと自由に戦うリナレスを見たい気がします。


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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2007-12-20 09:36:13
なるほど、日本的というより帝拳的ですか...その通りですね。

私は、大して才能もないのに、ろくに基本も身につけずに変則的なボクシングに走るボクサーが嫌いなんですけど、リナレスほどの逸材をここまで型にはめるというのは、それと逆の意味で「どんなものかなぁ」という気がします。

ただ、ちょっと話が大きくなるかもですが、中南米の逸材を、型通りの日本式(帝拳式)セオリーで固めた場合、その選手がどうなるのかというサンプルとして興味はありますね。今のところ、攻防ともに平坦な技術がベースになっていて、もしクラスを上げても、攻防共に立体的でテンポの速いパッキャオやマルケスのボクシングにはついていけないと思います。リナレスの一瞬のキレ、タイミングの良い一打が決まってくれることをひたすら願う、そんな試合になってしまうでしょうね。今後の試合において、徐々に成長する姿を見たいと思いますが。
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