さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

一躍、同級世界最強に躍り出た 田中恒成縦横無尽、元王者フエンテスを圧倒

2017-01-03 00:19:36 | 中部ボクシング


モイセス・フエンテスvs田中恒成戦は、大晦日当日、
CBCがネットでライブ配信したものを見ることが出来ました。

このあと、観戦のために向かった大田区総合体育館で、関東在住の方に聞いたところでは、
驚いたことに関東でも放送がなかったとのこと。
確か昨年末は中部と関東で放送、関西では放送無しだったと思うんですが、
今年はそこから一歩後退というか、より状況が悪くなっています。
(ちなみに関西では今年も放送無し。その時間は漫才の特番でした)

この手の話になると
「そういえば、畑中清詞vsペドロ・デシマの時は、関東は綱引き選手権だったなぁ」と
関東の方は必ずといっていいほど言います。
それに対して関西人は「チャナ・ポーパオインに新井田豊が挑んだとき、
関西ではハイヒールモモコ一家のハワイ旅行だったんですよ」と返し、対抗するのが常です。
お互いに自慢にも何にもならん話ですが...。

脱線しましたが、田中恒成のような逸材に、そのようなTV放送の取り扱いは相応しくない。
それを示した、田中恒成の圧倒的な勝利でした。


モイセス・フエンテスは長身、大柄なスラッガーで、スピードに欠けるが
打ち合いに持ち込んで右の強打を生かし、その駆け引きにも秀でた実戦派、という感じの選手です。
あのドニー・ニエテスと一分一敗、それ以外にもイバン・カルデロンに引導を渡した試合や、
来日もしたルイス・デラローサを初回で仕留めた試合など、あれこれ見たことがあります。
ひとたび好機を掴んだら怒濤、という、いかにもメキシコの強打者、というイメージがあり、
田中恒成がペースを渡したり、好打されて攻め込まれたりしたら危ないかも、と思っていました。

しかし実際は、田中恒成のスピードと強打が、フエンテスを圧倒し続けました。

初回からジャブ、右から左と好打。3回は右ストレート上下を突き刺す。
打っては鋭くバックステップ、フエンテスの反撃をほぼ外しきる。

4回はもう縦横無尽。左右に出ては多彩なパンチを上下に散らす。
5回、右にシフトした田中の左ボディが決まる。
フエンテスはロープに詰められ、右で崩れかけ、こらえたが容赦ない追撃にさらされ、ダウン。
レフェリーはそれまでの展開も考慮したか、カウントせずにすぐTKOを宣しました。

50キロ契約で闘ったノンタイトルのレネ・パティラノ戦と同様の、
或いはそれ以上のワンサイドマッチでした。
フエンテスが何らかの事情で不調だったにしても(前日3度計量オーバーしたそうですが)、
ここまで一方的な内容になったのは、田中恒成の圧倒的な強さによるものだと見えました。

凄いな、怖いな、とさえ思うのは、見た印象でしかないですけど、
田中恒成はまだ、テンポを完全に上げ、打つ手を出し切ったわけではないように見えることです。
スピードも手数も、パンチングパワーも、もっと出そうと思えば出せる。
しかしそこまで行かずとも、この日のフエンテスなら充分に攻め落とせてしまえた。

試合序盤から好調でしたが、それでも最初から力を振り絞り、手の内をさらしてはいない。
まだ余力はある。どの程度かまでは不明なれど、他にもまだ攻め口が残っている。
汲めども尽きぬ、とは言い過ぎかも知れませんが、田中恒成は強豪に圧勝してなお、
その膨大な才能を見る者に感じさせる、スケールの大きな逸材であることを、改めて示しました。

田中恒成は試合前日までは無冠の身でしたが、この試合内容とタイトル獲得により、
ドニー・ニエテス転級後の、108ポンド世界最強の座を手に入れてしまった。
そんな印象すら持ってしまいます。八重樫東、田口良一、ガニガン・ロペスという面々を
一気に追い越してしまった、と。

日本ボクシング界の未来は、井上尚弥と共に、この田中恒成の拳にかかっている。
そう評するべきかもしれません。
むろん、今後に様々な困難が待ち受けるにせよ、それに負けずに成長し、乗り越えていってもらいたい。
遠くない将来のフライ級進出も含め、その圧倒的な技量力量で、より開かれた「世界」の舞台で
その才能を解き放ち、闘ってほしい。そんな、壮大な夢を見てしまいます。


中部在住の友人の厚意により、放送された動画も見ることが出来ました。
以下、紹介しておきます。数日で消しますのでお早めに。


その1。



その2。




=============================================


この大晦日、岐阜の会場ではもうひとつ、注目の日本フェザー級タイトルマッチ、
林翔太vs下田昭文戦も、CBCによるライブ配信が行われていました。
これ、告知も何も見たことがなく、当日たまたまPCを開いたらやっていて、
慌てて見始めたようなことです。
TV放送は、中部で後日あるんでしょうかね。当日はなかったはずですが...。

試合展開は、序盤は下田リードで、5回終了の途中採点は、4対1で下田が二者、
あと一人は48-48でイーブン。2-0で下田。

まあ、ひとりは地元有利のジャッジがいても仕方なく(と言っていいのかは置くとして)、
あと二人の、まともな方々の支持をしっかり取り付ければいいだけのことですが、
6回くらいから林がペースを上げ、下田がヒットにより左右瞼を切ってしまうなど、
ちょっと展開が変わってきます。

下田は片方の出血がそれなりにあり、またヒットによるカットなので(実際そうだったと見えました)、
ドクターストップがかかると、負傷判定ではなくTKO負けになるということで、
ちょっとナーバスになったか、打ち込みにかかるかと思えば、足を使って捌く、という感じで、
ちょっと闘い方に迷いが見えました。そこへ林が果敢に打っていき、林が取る回が増え、
あとは微妙なのもあるが、林に流れるかな、という感じの回もあり、という具合。

そういう後半戦、9回終盤、微妙な感じだったところ、林にとっては良いタイミングで、
下田にとっては悪いタイミングで、林の右がヒットし、下田が尻餅をつくようなダウン。
足もかかっておらず、押されてもない、ヒットによるダウンでした。

林は勢い込んで最終回も出て、試合終了。
採点は正直微妙、前半の4対1、3ポイント差が覆るかどうか、でしたが、
その二者の判定が95-94、ダウンの分だけ林、と出て、あとひとりも当然、林。
3-0で林翔太の防衛となりました。

前半戦の劣勢をものともせず、諦めずに打ちかかっていった林の果敢さが、
際どい勝利を彼に与えました。
見方は様々にあるかも知れませんが、その健闘を称えないわけにはいかない、
そういう闘いぶりだったと思います。


昨年の細野悟戦に続き、下田昭文はまたも、際どく微妙な試合を落としました。
ことさら無茶苦茶な不当裁定、判定に出くわした、というのではない。
試合ぶりはどこが悪いというでなく、体調も悪くなさそうでしたが、
負傷などから展開を悪くしてしまい、僅かに及ばず、という負け方でした。
はっきり言えるのは、あまりに痛い、痛すぎる結果だ、ということだけです。

まだまだ老け込む歳でもなく、実力が衰えているとも見えませんが、
下田昭文は、またもそのキャリアにおける重大な岐路に立たされてしまいました。
彼の今後は、いったいどのようなものになるのか。注目でもあり、心配でもありますね。



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18 コメント

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Unknown (宇弓)
2017-01-03 07:45:13
あけおめっす~~☆(御陽気笑

…いや田中の動きや出来がばっちりだったのはその通りだったですが、
フエンテスがあんまりといえばあんまりな出来だった気が・・・
本当に何もしないうちに終わってしまった感じですが。

田中が強すぎたと素直に解釈するべきなのかもしれませんが、
なんか試合後に不穏な報道を耳に・・・

なんでもフエンテス陣営が激怒してて、
畑中陣営は練習場所も何も用意しなくて、
仕方なくフエンテス側が自分で練習ジムを探したけど、
そこまでの移動が毎日大変で負担だったとか。

それで当日はフエンテスも寒い寒いというくらい、
会場行った人の話だと、暖房切ってるの?
ってくらい寒かったと。
地球の真裏から来た南米人には、
真夏のタイで会場の冷風機切られて試合やらされた、
佐藤洋太くらいきつかったんではなかろうかと。

・・・・この21世紀のお・も・て・な・しの日本で、
ホントにそんな昔の韓国世界戦みたいなことが行われていたのだとすれば、
なんか逆にすごい話ですが(怖笑

しかし本当に、井上と並んで世界最速2階級制覇!!
みたいなこの試合が、
完全中部限定放送で、あとはネットで☆
って・・・
ネット中継なんてそんなのやってること知ってる少数民族ボクヲタ以外、世間一般は存在自体知るわきゃないし。

去年までは一応関東や他地区でも中継してたし、
あの大みそかのTBSのゆるゆるスポーツバラエテイと連動って感じでしたが、
もはやこうなると、ますますみんな忙しい大みそかの、
誰も知らない夕方にひっそりやる意味が全く分かりませんが。
こんなんだったら普通に11月でも10月でも、
もっと独立した時期にやった方が、
注目度も他地域中継もよほど高かったんじゃないですかね?

なんかナベ祭りの真裏にぶつけるとか超愚行をやらかしたTBSは、
井岡の翔さんの数字も、壊滅的なことになっちゃってるようだし、
…いー加減に、大みそかクレイジーバブルの夢からみんな冷めて、
普通に次期ずらして無意味な食い合い・自滅し合いはおやめになっていただきたいもんですが。
それがテレビさんやボク業界や、
何よりお客さんのためですっての。

そんな中で、前日の大橋祭りが結構数字よかったというのは、
不幸中の幸いといった感じですか(笑

何しろこのご時世に、
丸々3時間もライブでボクシングばっか、お茶の間に流してる硬派な番組なんてなかなかに特殊で、
ボクフアンにとってはただただ感謝の念を抱くのみですが(伏拝

さうぽんさん仰るように、
あのフジの三宅アナと中村アンさんとやらの、会場客への配慮にはなんかキュンキュンきて一気に好感度MAX☆
でほっこりしましたし(暖笑
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2017-01-03 13:12:12
>宇弓さん

本年もよろしくお願いします。試合後、陣営の人が何か言った記事がありましたが、まあそれこそ我々の目には見えない話ですね。フエンテスの動き自体は、過去に見た数試合と比べ、そんなに悪いとも思わなかったですが。まあ話半分くらいじゃないですかね。気持ちよく動けたわけではないにせよ、あの歳で、強いのとたくさんやって、打たせても来た選手が、環境どう以前に何もかも完璧、気にかかること何も無しってわけにもいかんのじゃないですか。ただ、会場寒かった、って件は、かつてあの会場であった世界戦で、同様の事態があったと聞いたような記憶がうっすらとあったりなかったりはしますが...。
放送に関しては、言われてみれば中部ローカルのみなら、大晦日でやる意味もないのか。それともCBCと畑中ジムには、何か事情か、思うところがあるのか。年末にやることが、普通の時期にやるより、話題性などから広告収入や興行の面でメリットがあるのか。その辺はちょっとわかりにくい話ですね。
TBSとテレ東が、とうとう時間丸かぶりになった結果、数字が落ちたような話ですが、この業界も、TV業界も、いまいち賢くないのは今に始まったことじゃないにせよ、さすがにここまで来ると言葉もないですね。内山が去り、田口も王者として年末まで保ったとして、よほど劇的に評価を上げねば年末メインは厳しいとなると、まずTV東京が降りて、フジが大晦日にスライドして、今度は違う組み合わせで丸かぶり、なんてことになるんじゃないかと想像しますが、果たしてこんな馬鹿なことがいつまで続くんでしょうかね。
あの場内への呼びかけは、私は根が素直な性格の良い人間ですので(笑)好意的に取りましたが、悪く取ればTV局もいろいろ大変で、困ってるんやろうなぁ、ってとこなんでしょうね(笑)

Unknown (neo)
2017-01-03 14:16:26
動画ありがとうございました。
手合い違い、という印象で、あまり楽しめませんでした。
相手のコンディション、自分も非常に悪く感じました。体が重く、スタミナも全くなかったですね。
田中選手の調子はまあまあ、語弊があるかも知れませんが、遊ぶような局面が少し目立ち、その部分は好ましく感じませんでした。
放送で、少し引いて全身を撮ってくれる時間が多めで、彼の足運びがより長く見れて良かったです。あの独特の動き、敵前で左右に動くステップは相手を選ぶ気もしました。
追う時に顕著ですが、特に右足の運びがボクシングの型から外れてる気がしました。あれは左右なく追い突きする、空手の運足でしょうか?あまり詳しくないのですが、興味深く感じました。
Unknown (宇弓)
2017-01-03 14:38:17
まあフジの大みそかはライジン様が結構いい数字だったようで、
…てか現状維持だったようで、
TBSのあの魔裟斗の本当におもしろ格闘バラエテイーみたいな試合と、
翔さんの数字だけが見事に落ちて逆転されたようなので、
このまま継続なんじゃないですかね。

…てか大橋祭りも大みそかなんてもってのほかで、30日とかでもなく、
それこそ12月の頭とか、
年末・年始スポーツと被らないような普通の時期にやった方が、
もっと注目されて、ボク界にとってもいいと思うんですけどね。

年末年始なんて、特殊番組編成でろくにスポーツニュースもないから、結果報道すらろくにやらないし、
わざわざ世間に注目されないタイミング狙ってるみたいになってるし。

井上勝った翌日はスポーツ全紙1面だったけど、
内山や小國や田中や翔さんなんて、
あんなに詰め込んで、しかも翌日正月だから、
1面は駅伝とかそんなのばっかだし(笑

だから、
おまけにもうこんな数字しか取れないんだから、
年末ボクシングなんて、TBSさんだけにまかしときゃいいと思いますけどね。

今年の終わりに井上・ロマゴン戦なんてのが実現するのなら、
それこそなんか年の瀬のドタバタのどさくさでやられるよりも、
ちゃんと世間に落ち着いて注目される時期にやってほしいですし。

・・・なんかTBSさんにまで、もっといいカードで人気回復してほしい・・・
とかやんわりダメ出しされてる感じの翔さんは、
それこそ今年末は、田中の3階級目の挑戦受けるとか、
統一戦でもまったりゾウさんとかじゃなく(笑、
おそらく今夏にWBCフライ王者になるであろう比嘉と統一戦とかやってくんないと、
・・・もうさすがに私らもTBSさんも、
いー加減あんたとはもうやっとれませんわ!!
って感じですし(疲笑
Unknown (月庵)
2017-01-03 22:04:53
しろうとが見ても、フェンテスの動きの重さは見るに堪えないものでした。これは早々と終わるか? と思っていたらその通りになって、あらゆる意味で明暗分かれる試合でしたね。ただ、内山・コラレスの試合もそうですが、フィジカル・スピードで圧倒的に自分より勝る存在相手に勝ちを拾うのは至難の業です。人間が熊と素手で戦っても絶対に勝てないようなもので。仮にフェンテス陣営の言い分が100%正しく、実力の半分も発揮出来ていないとしても、絶対的なスピードの差はいかんともしがたいものがあっただろうと思いました。KOはされなかったかも知れませんが、勝てたかと言われると……。

今回の田中の試合もそうですが、極めて限られた部分でのネット中継なんて何の意味もなさないです。CBCを知っているか、田中を知っている人間以外はその存在すら知らない。当然、ピラミッドの裾野など広がる訳もないし、田中の知名度も広がったりなどしない。他にも横浜光やDANGANなどが自主的に会員制の動画配信を始めましたが、これも横浜光やDANGANなどを元々知っているマニア以外に加入者が増えるとは考えづらい。

いったいどうして、この業界はもっと広範な動画配信サービス、もっとはっきり言えばAbemaTVを使わないのだろう? と不思議でなりません。今やかのコンテンツでは格闘技放送が一大勢力を形成しています。K-1やKrushなどキックボクシング団体、パンクラスやONEFC、ベラトールなどのMMA団体、果ては既に自前の動画配信コンテンツを持っている新日本プロレスやUFCのような超大手までAbemaTVと手を組んでいる。Krushなど、無料放送に踏み切った後観客動員は下がるどころか毎興行超満員、関係者の知人からの反応も明らかに変わったという事です。数百万~一千万単位の人間が利用するタブレットのコンテンツが、どれだけ巨大な影響力を持っているか如実に示された例だと思います。ボクシングだけが、それに完全に背を向ける格好になっています。年々加速度的に競技人口が減っているのに、はっきり言ってこの業界は頭が高すぎます。あまりにも細分化され過ぎたジムの存在も足を引っ張っているのでしょうが、それにしても……。
Unknown (宇弓)
2017-01-03 23:53:58
…たぶんAbemaTVなんて、業界の偉い方は、存在すら知らないんじゃないですかね(悲笑

別にボク業界にも若い世代の人もいるだろうに、
なんかボク関係者って、歳に関係なく全体に旧態依然な感じなんですよね。

なんか知り合いのキックボクサーであり、ボクシングのおやじフアイトにも出てる人が言ってたんですが、
とにかくボクサーは自己プロモとか全然やらない、
何しろツイッターすらやってる選手自体が少ないと。

キックやら総合の選手やらは、とにかくツイッターやらSNSで、自分の宣伝やらチケの販売やら、
みんな積極的に手広くやってるのに比べて、
どうにもボク業界ってのは伝統に胡坐かいてる、あらゆる意味で殿様商売だと。

本当にジム会長でプロモーターのご高齢の皆さんとかは、
ネットでただ見なんてさせたら客が減るやろうが!!
くらいの感覚しかないんだろうなあって感じなんでしょうね。

今いる客を減らさないとか考える以前に、客の絶対数を増やすこと考えなきゃ、
先なんてないと思うのですが・・・

だから、
その辺の興行運営やらネットビジネスやらのプロに、
外部委託でもいいから頼むとか考えていかないと、
もうとっくに21世紀だというのに、いつまでたってもボクシングだけが、
身内内でのお手製学芸会っぽい運営から、脱却できないような気がしてならないのですが。

…現に会場行ったって、年々着実に客数減ってるし、
ネットでただ見を阻止したところで、
どんどん客のパイ自体が減ってるんだっての(憂慮

コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2017-01-04 00:44:27
>neoさん

フエンテスの過去の試合ぶりと、今回の感じは、私にはそう違わないものに見えました。ことに最近、フランシスコ・ロドリゲス戦などは、スピードでは負ける場面が多々ありました。それでも勝ってきたわけですが、それが田中恒成相手にはかなわなかった。そういう試合だと見ました。
田中はスピードでまさる展開で、いろいろな仕掛けをしていました。左右に出て仕掛ける動きは、スピード勝ちしている試合で、非常に有効でした。全盛期のドネアなどが、快勝した試合でああいう動きをよく見せていましたね。足の運びが空手的、というのはちょっとわからないですが、子供の頃は空手をやっていた田中が、その動きを生かしているのかも知れませんね。

>宇弓さん

格闘技はまずまず、だったんでしょうかね。まあ大勢有名な人が出たみたいですしね。年末年始への集中は、いろいろ良いこともあったんでしょうが、そろそろ情勢も変わってくるのかもしれませんね。ほどほどの負け戦、に納めるための大晦日放送が、数字的その水準に達しないとなれば、各局が他の方策を考え、ボクシングを切る、ということもありそうです。井上vsロマゴン、ホントにやるかなぁ、と疑わしく思ったりもしますが。実は誰にもそんな気ないんやないの、と。比嘉は良い選手ですが、ナワポン、エルナンデスの勝者とやって勝てますかねえ。まだそこまでとは思わないですが...。
AbemaTVには、帝拳がカネロ戦など、昨年二試合ほど流しましたね。あれでも一応、それなりに模索はしているんでしょう。しかし帝拳にせよ、他の業者さんにせよ、単独で定期的にコンテンツを供給するには苦しい、という感じじゃないでしょうかね。数人のプロモーターがグループを組んで、その辺の問題をクリアして、ビジネスをしてくれればいいんですが。
SNS、ツイッターの利用は、私もようわかってないオールドタイプですが、せめて好カード実現のときにハッシュタグ立てるくらいせえよ、とは思います。会見でスポーツ新聞向けに、寒い話題作りをするのが関の山、いかにも古い、と思います。同感です。
結局「ボクシング」でビジネスをするより「ウチとこの選手」を売ることしか考えてない、或いは現実として出来ない、という状況、環境を変えないことにはどうにもなりません。亀田みたいなスカ屁を神輿に担ぐときは(大手の首脳たちの間では)意思統一が出来るのに、そういう方向ではまとまれない。所詮、中小ヤ○ザの寄り合いやからな、と嫌みの一つも言いたくなろうというものですわ。客層、という話でいえば、高齢化も甚だしいですね。私らくらいが若手の部類だったりしますものね...アカン、ホンマに暗くなってきましたわ、新年早々。

>月庵さん

フエンテスの動きについては、上記コメントのとおり、私はいつもと変わらないと見えました。あの状況から相手を自分の遅さに引きずり落としていかに勝つか、という選手です。そして、仰るとおり、実際のところがどうであったとて、フエンテスの勝機は乏しかったと見ます。過去の試合ぶりと、今回の試合ぶりに、私はさほど落差を見なかった方で、故に陣営の話も、言い訳、体裁、自己保身の色を強く見ますね。確かに敵地で、何もかも思うようにはいかない面もあったんでしょうが、そこから膨らました話でもあるのかな、と。
田中はキャリアベストの試合をして見せたと思いますが、それが限定された範囲でしか見られていないのは辛いですね。中部には中部の関係者の思うところがあり、限界もあり、ある意味では中部で知名度があればそれで充分、という完結が見えているのかもしれませんが。それより多くに知られ、広く売ったところで意味もない、というような。独立色が強い地域性、という言い方になるのでしょう。善し悪しありますが。
ネット配信についても、正直言って先行き苦しく、限界もありましょう。理想は業界挙げての団結ですが、上記コメントのとおり、所詮は...というしかないのが現状でしょう。大手が中心になってまとめようにも、プロモーターの権利があまりに広く散逸し、それぞれに態度も姿勢も違い、まとまりようもないでしょうね。そもそもコンテンツの提供という段になって、得手勝手なカード作成しか出来ないでしょうしね。

私はそれこそ皇室の後ろ盾でも取り付けて、世界ランカーやOPBFランカーも除外しない日本ランキングを作成し、全ての日本タイトルマッチを「日本王者vs日本1位」のみ認可する、というくらいのことをやって初めて、コンテンツとして成立するだろう、と思っています。他のキックや格闘技は、そこまで行かずとも、ファンの見たいと思うものをまとめて提供している。それに対抗するには、このくらいのことをやらないと無理だろうと。
しかし、そんなことが「あの人たち」に出来るわけもない、ということもわかっています。あまりに非現実的です。現実には業界内で数グループに分かれての展開でしょうが、そんなものを放送局なりネット配信会社なりが相手にしてくれるものかどうか、です。
この業界は頭が高い、というのはその通りかもしれません。そうじゃない方々も一部にはいるとは思いますが。しかし頭が高いのと同時に、そんなことまで頭が回っていない人が大多数を占めている、という方が、より現実に近いんでしょうね。

Unknown (宇弓)
2017-01-04 09:34:21
まあでも帯に短したすきになんとやら・・・
って話なんですよね。

上で書いたキックボクサー兼おやじボクサーは、
でもあらゆる他の格闘技は、みんなボクシングうらやましいと思ってると。

キックやらが今客呼んでるとは言っても、
所詮は小さいバラバラの会社がそれぞれ勝手に局地戦やってるだけで、
そもそも統一した組織でも競技でもないと。
だからいいカードもなかなか組めないし、
そもそも会社でルールも違ってたりするしと。

それのどんなにネット関連で頑張って、それでホールや代々木レベルで客呼べても、
結局はそこに来る客以外に、まったく世間一般に広がらないと。
やっぱりネット世界は、現状あくまでマニアのためのものであって、
地上波テレビとは、その浸透度で雲泥の差だと。

その点ボクシングは、一応国内全部で統一されたコミッションがあり、
日本・東洋・世界と、ちゃんと段階が合って目指すべき目標があって、
おまけに戦前からあるスポーツの強みで、
どんなにつまんなくても一般新聞に結果が載り、
地上波ゴールデン中継なんて、
ネット配信とは比べ物にならない、世間に対する宣伝手段があると。

だから他の格闘技関係者はみんな、
俺たちにもあんな全国生中継のチャンスがあるなら、
体ぶっ壊れようが絶対いい試合するのになあ・・・
と思うそうで。

だからライジンでキックのエースの武尊が、ケガしてるのに最後まで絶対出たい!!
って言い続けてたのも、
そういうチャンスを逃したくなかったという感じだそうで。

…だから彼らが亀さんとか見てると、
お前らあんな恵まれた環境でテレビで試合出来て、
それで高っかい金もらってるんだから、
もっと死ぬ気でいい試合やれや!!
と思うそうですが(笑

かつて高橋ナオトが、K1・プライドブームのころに、
K1やプライドは、
上に建ってる建物は豪華で客が寄ってくるけど、
地盤がいい加減で、いつ倒れるかわからないぐらぐらのホテル、
ボクシングは、
歴史あって地盤も建物もしっかりしてるけど、
建物自体が古くてダサくて客が寄り付かない伝統旅館みたいなもん、
と言ってて、
さすがボクサーで格闘技フアンで、
文才あるナオトだやなあと感心したもんですが。

だからボクシングも他の格闘技も、
どっちもどっちっていう面もあるんですよね。
そういう面ではボクシングは、
社会的には他競技がうらやむ、圧倒的にいい立場にいるんだから、
どうにか時代に合った体制で、うまいこと回していってほしいものですが。

安河内さんとか大橋さんとか、
もっと若い世代がどうにかしてくれないかなあとか期待したいですが(笑

なんにせよ世間の人気や認知度が上がらないと、
集客や、それを見て自分もボクサーになりたいと思ってくれる、
若い人たちの目にも触れずに競技人口も増えないわけで、
結果的に私らフアンも未来に存するわけだし。

・・・ホントに過疎った山奥の村の青年団じゃあるまいし、
私らくらいのおっさん客が、一番若手くらいの状況でどーすんねん!!
って話ですし(憂笑




コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2017-01-05 20:31:21
>宇弓さん

キックの情勢は、昔と似た部分で問題は残ったまま、ということでしょうかね。最近は若手から中堅まで、ホンマのムエタイのランカーに勝ったり、王者に勝ったり(タイトルマッチではないようですが)と、それこそ昔のトップ選手が成し得なかった快挙が続いているらしく、選手の実力は向上しているようですが。
この辺は、ボクシングもキックも、似たとこありますね。選手は昔より勝てるが、業界の構造的欠陥が、依然として残っていると。ボクシングは社会的認知度でキックを上回っているとしても、それがいつまで続くかは怪しいものですし、キックは興行面で工夫が見られ、盛況ではあってもその先に進めるかどうかで壁がある。今にして思えばK1みたいな成功例を、曙とか出して台無しにしたのが痛かったですね。

明けましておめでとうございます (hiro)
2017-01-06 16:50:05
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
と、格闘技関係の激論が巻き起こっているようですので、新年のご挨拶方々飛び火参戦を(笑)。

昨年は、ボクシング界にとっては動画配信の曙の年だったのかも知れません。DANGAN系の興行がBoxing Raise、横浜光・角海老・一力系の興行がA-Sign Boxingで継続的に放映されるようになりました。私としては、こちらのブログを見ながら想像して楽しむだけだった関西方面の興行が動画で見れるようになったことを非常に喜んでいます。ただし、これら2つの動画配信はあくまでボクシングファンを対象としており、外部の人を取りこむことが難しい(試合後、一定以上の期間を経た動画は無料配信するなどして、見本を見せたほうがいいとは常に思います)ものです。他方、Abema TVでのボクシング配信は9月に試験的に行われました。海外興行とは言え、リナレスとカネロの興行配信がどのように伝わるか、継続的に続くのかと注目しましたが、結果的には殆ど再放送もされず、そのままボクシングコンテンツは消失した状態を続けています。一方、格闘技コンテンツは何度も継続放映され、格闘技専門チャンネルがすぐに単独で創設されました。これは、ある意味ファンの側の切実感が大きかったのではないでしょうか。元々地上波で放映されず、今回のチャンスで視聴者数を稼がなければ、AbemaTVでも放映が打ち切られると考えて、放映情報をあちこちに流した格闘技ファンを何人も知っています(視聴率とは違い、誰を誘っても貢献可能です)。それに対して、リナレスの試合をAbemaTVで視聴したボクシングファンは意外な程に少ないものでした。ボクシングファンの多くは、地上波での放映を求めているんだなと感じた現象でしたが・・・。放映方法の問題(前座から判定が続いた興行をパックで流したので、初めてのファンはメインに至る前にチャンネルを変えた)や、恐らくは他の格闘技に比べて映像使用料が高いためか、再放送の回数が少ないことを合わせたとしても、貴重なチャンスを失ったのではないかと考えています。また、国内ボクシングの放映については、格闘チャンネル創設時にディレクター氏がファンの問いに答えるのを見ましたが「AbemaTVは広告収入が重要であり、ファン層の年齢が高めの格闘技コンテンツは難しい。マニア向けのコンテンツとしては、ストーリーの継続が望ましいが、継続的なマッチメイクが(他局との兼ね合いなどで)難しいコンテンツは今のところ取上げにくい」と返していました。いずれも、現状のボクシング界の大きな問題点でしょう。ここを覆せねば…ですね。
と、予想以上の長文になってしまったので後ほど続きをば。

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