さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

タイトル戦線復帰へ、まず第一歩 三代大訓、無敗セイ・ヨウチョウを下す

2023-08-18 05:07:33 | 関東ボクシング





そんなことで昨日は、BoxingRaiseライブ配信を楽しく見ておりました。
まあ休憩一切無しで、次から次にやるわやるわ、みたいな興行で、それでも7試合あるから、けっこうなボリュームでした。
これはこれで極端で、一度、15分くらい空けるとか、した方がいいのかもしれません。


それはおいといてメインは、韓国遠征で一階級上の相手にバッティングによる負傷判定で敗れるという、不運な初黒星を喫した三代大訓の再起戦。
相手は8勝(5KO)2分無敗の中国人、盛勇超(セイ・ヨウチョウ)、30歳でした。


初回、いつもどおり最短距離で飛ぶ三代のジャブが良い。出所読ませないフォームのジャブが盛に届く。
盛は「これ、外せないな」と一旦間合いを取って離れる。盛は右ロングフックから攻め込む。やや三代。
2回、盛の右フック、三代に届く。三代は首振って外す防御、しかし外しきれず、クリーンヒットも。
三代は左ボディ、あと小さい右ボディを決め、合間をジャブで埋めるが、盛も左右フック。打ち合いになる。盛のラウンド。


三代は技巧のイメージに反し、目で外す防御をするわりに打たれるところもあり、その弱味が出た印象。
反面、攻撃に関しては地味ながら、相手の身体を直角に捉えるパンチが打てて、見た目以上に効果のあるヒットが多い。
パンチ力の不足を補っているのはこのあたり。


3回、盛の攻勢に、三代が地味に対する。盛はラスト、フック連打でまとめにかかる。やや盛。
4回も盛の攻勢がまさるか。ただ、三代はジャブ、ボディ打ちも散発的に出し、自分のペースを維持している。

5回、盛のワンツーが飛ぶ。三代の右ボディに、盛はもっと来い、とジェスチャー。しかしこういうことをするときは、大抵効いていたりする。
続いて三代、左ボディから連打。盛、徐々にスピードが落ちてきた?三代右カウンター合わせに出るが、これは決まらず。
しかしジャブで間を埋める。盛、ジャブで鼻血が出ている模様。三代の回。

6回、三代が逆に攻勢かける。左ボディ、左フックに右フックと、ヒットを重ねる攻撃。さらにジャブで追い、左ボディ。
盛も手は出すが、三代右アッパー軽くヒット。三代。
7回、三代右フック、さらに連打。この辺は狙い打ちが出来ている。一打にパワーがあれば、はっきり効かせられるところだが。惜しい。
しかしさらに左右のボディを決める。盛、目に見えて失速。三代、盛の前進を下がって外し、右アッパー。
盛はボディのダメージか、身体が浮いて、打ってもパワーが乗っていない。ラスト、三代が右当てる。三代。

8回、左フック相打ちから、三代が右アッパー。盛、少しよろめき、三代が追撃。右捨てて左フック返しがヒット。
盛は懸命に左右を振り回すが、三代が自分のペースで見て外し、当てて終了。


採点は意外に差がついていました。解説の赤穂亮も「思ったより開いてますね」と言っていましたが、同感。
しかし三代の勝利自体は問題なし、という試合でした。


三代のボクシング、その出来自体は、いいところも悪いところも、基本的に今までの試合と変わらなかった、という印象でした。
打つフォームには無理、無駄がなく、パワーは欠けるが正確さ、角度の良さは抜群。
防御に関しては、見た目のイメージより抜群に勘が良いわけではないのに、高度な外し方をしようとする面があり、ちょっと心配。
そのせいで打たれることもあるが、しかし見た目より頑健でもある。
ただ、前回の試合で出来た傷は、今後も不安材料か。


そのような三代大訓の現状が見えた試合でした。
相手が力の無い噛ませみたいな選手だったら、良さも悪さも出ず、映えない試合だったかもしれませんが、盛勇超には一定以上の実力があり、闘志があって、そのおかげで、見どころのある試合が出来上がった、というところでもありました。
総じて、初黒星からの再起戦として、中身のある試合だったと思います。


かつて破った仲里周磨が日本チャンピオンになり、対戦話があったという保田克也がAPタイトルを持ち、また対戦する流れにもあった?吉野修一郎が世界のリングに歩を進める中、キャリアを停滞させてしまった三代ですが、これでタイトル戦線に復帰する第一歩を踏み出しました。
華々しく狼煙を上げるという試合ではなく、またそういう試合をするタイプでもない(変な表現ですが)三代ですが、その特徴、スタイルは一見地味ながら、見どころ多いものです。
次は帝拳の浦川大将と、日本タイトル挑戦者決定戦だそうですが、勝てば当然...という話になりましょう。これまた楽しみですね。




日中対抗戦は結局、4勝2敗で日本の勝ち越しでした。

セミで山本智哉をボディブローで仕留めたシュ・テンシンのパワーボクシングは目を引きました。
しかし、山本がもう少し巧く、動いて外せていたら、後半疲れてきたかも、という印象も。

第一試合に出たシュ・ギンガは、35歳で3勝1分という戦績ながら、服部凌河を正確な右パンチで圧倒して判定勝ち。
この選手が一番「出来上がっていた」感あり。
日本の若手選手にとり、この辺の選手との闘いは、乗り越える価値のある試練ではないか、と思いました。


他の選手は若干、粗も目に付きましたが、それでも当然、意欲ある闘いぶりで、時折(時折、か?という問題はありますが)見る、「変な試合」はひとつもなし。
せっかく外国から選手を呼ぶのなら、こういう選手(たち)にしてほしいなあと、見ていて強く思った次第です。


コメント (2)
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