さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

祝着至極、とはいかずとも 井上尚弥、凱旋試合で勝利

2021-12-14 23:10:06 | 井上尚弥



ということでAbemaのPPVにて見ましたので、感想を。あくまで簡単に。


初回、井上尚弥は「見て立った」感じ。アラン・ディパエンもほぼ同様。
2回から井上がジャブを強く打つ。ダブルジャブは二発目を速く。ボディにも散らす。
3回になると井上の右ストレート、左フックがボディに再三決まるが、ディパエンが耐えて返す。

井上、無理に倒しにいくでもないが、想定外のタフネスにちょっとだけ焦り?
4回、連打して追撃の際、右でディパエンの頭、硬いとこ打ったかな、と見える。心配。
5回あたりになると、井上のコンビネーションが3発から4発に増えて、けっこう入るがディパエン倒れず。

6回の最初のへん、少し攻めさせて接近させ、相手の身体の力を見た?
7回、右フック効かせて、8回左フックで倒し、追撃でストップとなりました。


何しろワンサイドに打ちまくっていて、しかしガードが崩れず、身体も強いディパエンに、闘いながら驚いていた?井上ですが、勝ち負け自体をどうというような試合ではなかったことも確かでした。
攻撃力も技術も、だいぶ差のある相手でしたが、さりとて油断し、楽をしていたら、間違いが起こり得る可能性は...ゼロではなかった、とも思いますが。

そういう相手に、海外での試合が続いたあと、母国で「凱旋試合」を闘い、ちょっと長引いたけど、きっちり勝つ。
昔の中南米あたりで、スーパーチャンピオンと目される選手って、こういう試合してたんかなあ、と思うような、終わって見ればそんな試合でした。


正直、前にも書いたように(日本の過去の常識でいえば)高額のPPV料金を払うカードは別にある、これじゃない、という思いは変わりませんでしたが、それはひとまず置けば、国内で試合をし、長いラウンドを闘えたことは、まあ悪い話ではない。
そりゃ、目出度い、祝着、と言えるほど良い話でもないわけですが。ノンタイトル戦みたいなものだ、という見方も、やっぱり変わりませんし。
しかし、あれこれ飛ばして言えば、今組める試合がこれだったとしたら、闘わずにいるよりは良い、というところですね。


右拳の具合はどうなのか、何も無ければ良いですが、その心配を除けば、来春の話は楽しみです。
個人的にはもう、4団体はいいかなと。ゾラニ・テテのWBSSトーナメント離脱、そのテテを破ったカシメロの迷走と、これをいつまでも追いかけねばならない義理は無いですしね。

バンタム級において、唯一、ドネアとの再戦は、彼が直近の二試合で示した健在ぶりをもって、闘われるべき意義あり、と思いますが、さりとてスーパーバンタム級で「良い話」があるなら(あるんでしょうか?会社違うけど...)、そちらでも良いか、と。
大橋秀行はカシメロのことまで込みで、色んな事言っては記事書かせて、世論の反応を見ているんでしょうが...まあ、今度こそ然るべき試合を組んで貰いたいものですね。



興行全体について、放送について、そして想像以上に目出度い結果となったセミについては、また後日何か書くとします。
今日のところはこの辺で。



コメント (4)
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ボクシング漬けの日曜日、その極限 2/2 ロマチェンコ「封殺」ならずも連勝

2021-12-14 06:52:26 | 海外ボクシング





日曜の感想文、前回から続きます。


勅使河原弘晶のKO負けを見終え、WOWOWプライムの方はしばし、ドネア特集の時間へ。
オンデマンドの方はというと、セミのジャレド・アンダーソンがKO勝ちしたあと、ボブ・アラム90歳のお誕生日会をやっていました。

グローブ型のケーキに、小さい花火みたいのつけて、タイソン・フューリーがお祝いの歌を歌うために登場。
ビデオメッセージには著名なボクサーや関係者が続々登場。オスカー・デラホーヤが出てきて、おお、と思ったら、何とその後にはドン・キングまで。
道を極めた者同士の仁義、ってことなんですかね。
まあ、こちらとしては、別にめでたいとは思わぬまま、メインまでしばし待つのみ。ようやるわ、と...。



そんなこんなで始まったワシル・ロマチェンコ再起二戦目は、ガーナの強振パンチャー、リチャード・コミーとの元王者対決。
ロマチェンコが上下の打ち分け、サイドに回っての切り返しなどに変わらぬ巧みさを見せ、7回には連打で攻め込んで左フックでダウンを奪い、終盤コミーの粘りを許すも、大差の判定勝ちを収めました。

しかし、コミーの闘志、頑健さ、ファイターとしてのモラルの高さもあり、中谷正義戦に続くKO勝ちはならず。
ライト級としては小柄なロマチェンコが、それでも能動的に試合を作って行くが、スーパフェザー級までのように、相手を降参させるほどには打ち込めず、また、全てを外しきってしまえるわけではない。

積極的に動いて外し、打っていくため、浅く、芯を外したものではあってもヒットを喫する場面も散見される。
かつて相手から反撃の意志すら消し去る「封殺」を続けていた頃から思えば、ライト級という戦場におけるロマチェンコは、完全無欠の精密機械ではなくなっている。
強敵コミーとの闘いは、改めてその事実を知らしめるものでした。


それを嘆き、或いは悲しむ向きもあることでしょう。
しかし本来の階級を超えてなお、そのリスクを背負って闘い、その技巧はしっかり通じるところを見せている。
現王者ジョージ・カンボソスをはじめ、上位陣の誰と闘っても、差の大小はあれど、有利の予想が立つことでしょう。
その事実、その凄みをもって、やはりロマチェンコというボクサーは、仰ぎ見るべき存在であり続けています。
この日見せた、技術レベルは高いまま、能動的に試合を作って行く姿勢を譲らない姿であれば、カンボソスやロペスはおそらく、その軍門に下ることになるだろう、と思います。


しかし、たったひとりだけ...かつての完封マシーンだった頃ならともかく、ある意味「降りてきている」ロマチェンコを攻略しうるとしたら...その可能性を秘めているのは?となったとき、ひとつだけ思い浮かぶ名前と顔がありますね。
先週、傷めた左拳が心配ですが...。

また「会社の違い」が邪魔をするのかもしれませんが、来年のうちに、なんとかその対決を見たいものです。
ほぼ間違いなく、真のライト級世界一は、そのカードによって決まることでしょうから。



そんなことでプライムの方に戻り、録画中のレコーダで「おっかけ再生」をして、ドネア戦まで3試合を見終えました。
セミセミのブランダン・リーは初めて見ましたが、抜群の体格、パワーに感心。「幹」の部分は相当強い。逸材でした。
もっとも、素材として、というところから先の課題は、これから色々あるのでしょうが。

セミですが、クドラティロ・アブドカハロフ、という名前に見覚えあり。
あれ、なんでこんな、5回か10回か復唱しないと言えないような名前を知っているのだろう、と思ったら、以前小原佳太とフィラデルフィアで闘った選手でした。
そういえばあの後どうなった、と思ったら、試合枯れ?で色々大変だったとかいう話で、それが影響したか、抜群に強いというわけではなさそうな相手に敗れてしまいました。


当たり前ですが、ボクサーひとりひとりにさまざまな試練があり、厳しい闘いは誰にも等しく課せられるものです。
その道程の、どの辺りにいるのかどうかで、見えてくるものも違ってくるのですが、時にその違いを乗り越えてしまうボクサーもいますね。
メインなどはその、余りにも極端な例たるボクサーが、見事勝利したわけですが...。




そんなことで、ボクシング漬けの日曜日、その最たるものと言える一日が終わりました。
言うとる間に今日は井上尚弥です。AbemaによるPPVで見ます。
メインカードについて思うことは多々ありますが、実際の試合見て、違うことを思う場合もありますので、今はひとまず黙るとして、アンダーは色々充実、セミもメンデス、谷口戦ですし、しっかり見たいと思います。





コメント (2)
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