さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

期待以上の「アピール」完遂 三代大訓、西谷和宏を強烈KO

2021-12-02 21:41:11 | 関東ボクシング




年末の大試合の行方が心配な今日この頃ではありますが、今日はBoxingRaiseでライブ配信。
PPVではないので実況解説はありませんが、これはこれで。

ということで三代大訓vs西谷和宏戦でしたが、三代が6回、強烈な右一撃でKO勝ち。
元日本チャンピオンの西谷和宏を沈めて、ほぼ一年ぶりの試合で、健在をアピールしました。



展開としては、三代の巧さにますます磨きがかかった印象。
伊藤雅雪攻略により得た自信ゆえ、或いはライト級転向によってコンディションが安定した、色々と見方はあるのでしょうが。

長身、懐深い西谷相手に、離れては正確な左ジャブを当てて行く。
沢山数を出して安心したい、という風ではなく、余計な数を打たない、という風。

そうかと思えば、ガードを締めつつ、頭を上手くつけて身体を寄せ、西谷の手数を封じる。
その上で、離れ際にパパッと打って、浅いがヒットを取っていく。

出たり入ったり、くっついたり離れたり、こまめにステップを踏んで西谷のパンチの大半を外し、でも動き過ぎてもいない。
ボディ打たれたら同じパンチですぐお返し。
目に見えて打ち込み、クリアに取った、というでもないのに、リードして終わる、という具合で、序盤を抑えていく。

逐一思うに任せぬことばかりの西谷、サウスポーにスイッチしての左アッパー連打も少し出るが、対応される。
挽回を図って出た5回、三代の左フック、右アッパーがヒット。
西谷一瞬止まったところに、すかさず右の追い打ちが来て、西谷ダウン。
大の字になった西谷、それでも何とか立ち、ゴングに救われるが、帰るコーナーを間違える。

6回、西谷は半ば捨て身で、スイッチして左アッパー、右フックを強振して出るが、三代は「やらせて」おいて、右カウンター。
一撃で西谷倒れ、レフェリーが即座に試合終了を宣する、痛烈なKOでした。


※ラウンド数、誤記しておりました。失礼しました。


序盤は、この地味なリードの仕方を8回繰り返して、三代が静かに勝つのかなあ、と思って見ていたんですが、見た印象以上に、西谷の焦り、ないしは消耗?は大きなものだったのかもしれません。
8回戦だったことも、試合の組み立てに影響したのでしょうか、挽回を図るのを急かざるを得なかった、というところかもしれません。
しかしそこを三代が鋭く捉え、しっかり仕留めて勝つ、というのは、やはり以前の三代のイメージとは少し違っていました。
確かに竹中良戦のような「勝ちっぷり」もありはしましたが、基本的にはポイントアウトするイメージでしたので。


年末、開催が危ぶまれているさいたまの大興行にて予定されている、吉野修一郎vs伊藤雅雪戦の勝者との対戦が期待される三代ですが、昨年の伊藤戦勝利により、その「権利」は当然あるにせよ、今回の試合内容が今ひとつだったりしたら、その待望論がある程度割り引かれる可能性はあったでしょう。
それに、基本的には派手な、華々しい「アピール」になるような試合を期待するタイプでもない、という思い込みもありました。

しかし、土屋修平をKOし、尾川堅一を苦しめた大柄なスイッチヒッター、西谷和宏を見事に仕留めた今日の試合は、文字通りの「アピール」として鮮やか、お見事としか言いようがありません。
正直に言うと、ちょっと驚かされました。

今頃何を言うとるのや、とお叱りを受けるかもしれませんが、昨年の伊藤雅雪攻略は、フロックではなかったようです。
日程は多少、ずれ込むことを余儀なくされるかもしれませんが、来年以降の国内ライト級「ウォーズ」が、改めて楽しみになってきました。



コメント (3)
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