井上拓真、獲得したばかりの東洋太平洋バンタム級王座を、防衛戦なしに返上。
空位決定戦は5月13日、大橋ジムの興行にて、中嶋一輝と千葉開の間で行われるとのことです。
拓真の返上理由は「次期世界挑戦に向けた準備」なんだそうですが、昭和末期のテイストです(笑)。
まあ、本当に何か話があるんならいいですが、別に後日改めて、言ったことに突っ込まれる心配もない業界ですから、狸さんも気楽にモノが言えるんでしょうね。
で、空位になった王座を、4位と12位で決定戦と...確かに若手同士の好カードではありますが、これがイーストアジアやパシフィックの王者を決めるカードかというと、間違ってもそうではない。
階級によっては「日本第二王座」「JBCインター」と揶揄されることもあったりしますが、そこにも手が届いていない。
誰の目にも明らかな事実です。明らかすぎて、もう誰もごちゃごちゃ言う気を失っている話ではありますが。
普通の価値観で言えば、王座が空位になり、次の王者を決めるカードが組めないなら、そのまま空位にしとけよ、というところでしょう。
けど、やっぱり「都合」かまさって、こういう話が当然のこととして通る。
そして、それを異を唱える方が変わり者みたいな...。
こういう事例が堆く積み重なった結果が、ボクシングに対する世の無関心であり、その事実に苦しんでいるはずのボクシング界ですが、その苦しみから逃れるために、さらに同じ方向に転がり落ちていく、という「絵」に見えます。
一介のファンでしかない者の目には、それをまたも見せられた感じで、心苦しいとしか言えませんが...。