さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

「次」への展開があって良い、と思える試合 豊嶋亮太、長濱陸に判定勝ち

2021-01-18 12:42:47 | 関東ボクシング



ということで土曜日はG+の生中継、OPBFウェルター級タイトルマッチの感想、簡単に。

チャンピオン長濱陸は、最近はYouTuberとしても活動しているそうですが、元々はミドル級、スーパーウェルターでは井上岳志に敗れるも、ウェルターでクドゥラ金子を下して戴冠したボクサーファイター。
対する豊嶋は、G+のカードに良く出てくる、若干ファイター寄りの好選手、という印象。

二人とも、これまでよく試合を見る機会があった者同士。
漠然としていますが、大柄なストレートパンチャー長濱に、戦力の平均値を全体的に上げて来た豊嶋、というイメージでした。


共に上昇期にある選手同士の対決だけあって、初回早々から左フックのクリーンヒット応酬。
試合自体に勢いがある、という言い方も変ですが、おお、これはしっかり見ないかん、という感じ。

思いの外、長濱がジャブ、ストレートの距離で闘えない。豊嶋が間を詰めて打つ場面が目立つ。
5回あたりから、豊嶋のボディブローが地味に決まり始め、6回くらいには、長濱の手数が徐々に、しかし目に見えて減っていく。

攻防自体は激しいものが続くがその反面、若干、両者とも単調でもあり、いわゆる「山場」は来ない消耗戦になるかな、と思っていた7回、豊嶋が好打を重ね、長濱がジャブで流れを変えようとしたところに、豊嶋の右がヒット。
長濱、足がよれてロープ際にダウン。

このまま豊嶋が倒すか押し切るか、というところで、長濱も9回に右をヒットして、連打で逆襲。
実況が思わず「逆転か!」と叫ぶほど、確かに良い攻撃でしたが、やはりダメージあってのことか、豊嶋にしのがれる。
ラストは豊嶋が好打を重ね、駄目押し的なラストラウンドで、勝利を確定させました。



前日本王者のサウスポー永野祐樹、九州の雄・別府優樹らと共に、日本ウェルター級の上位陣を形勢する、長濱と豊嶋の上位対決は、期待通りかそれ以上か、見方はそれぞれでしょうが、充実した内容の試合でした。
予想としては、長濱が突き放しにかかり、それが完全には出来なくとも、ストレートパンチを多くヒットして勝つだろう、と漠然と思っていましたが、豊嶋は突出した鋭さはないものの、フルラウンド安定して力を発揮出来る安定感があり、パワーの面でも伸びていて、その予想を覆しました。

両者の「系列」から見て、コロナ渦による外国人ボクサー招聘不可能な事態がなくても、遠からず組まれていたカードかもしれませんが、やはりこういうカードを「避け」ずに組むことには意義がある、という思いを強くしました。


試合後、日本の「頂点」である小原佳太への挑戦について、勝者の豊嶋は自らを厳しく評していたようです。
確かにそうかもしれませんが、それでも充分、挑戦資格を手にした、と言える内容だったし、それを見据えた話が打ち出されていれば、今回の試合への注目度も、もっと高まっていたのではないか、という気もします。
伊藤雅雪、三代大訓戦が注目を集めた要因のひとつに、勝者が吉野修一郎と闘うという「次」の話があったように。
そのあたりについては、見終えて「惜しいなあ」という気持ちにもなる、なかなかの好試合でした。



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ところで少し前に、この日の試合について「帝拳興行」と適当に書いてましたが、午後4時からのアンダーを見ていると、赤コーナーはずらりと角海老宝石ジムの選手ばかり。
角海老興行、だったのでありました。失礼しました。

で、角海老所属のB級デビュー選手が立て続けに登場。
詳しいことは何も知らないですが、飯村樹輝弥、という選手には、特に目を引かれました。
ルックスは、あのトラッシュ中沼風の髪型で、体つきや構えも似ている。
力みが伝わってこない感じの打ち方は、少し違うところですが、相手が試合後、しばし大の字のまま、という強烈な初回KO勝ちでした。
名前覚えとこ、という感じでした。



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ということで、一曲。
David Bowie “Jump They Say” です。








コメント (2)
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