さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

ジャブにカウンターを取れる 前田稔輝「令和の海老原」の切れ味

2020-08-10 08:17:22 | 関西ボクシング



ということで、昨日は枚方にて観戦してきました(^^)
久々の観戦でしたが、良い傾斜がついていて、前の人の頭を気にせず見られる二階席から、前田稔輝や下町俊貴の成長ぶり、矢田の再起をしっかり見られて、楽しい観戦となりました。

試合については当然皆様、YouTubeのライブ配信をご覧になられたかと思います。
あまりごちゃごちゃ書いても仕方ないんですが、それでも前田稔輝について、手短に。


新人王としては、東のMVPになり、全日本で下町俊貴に敗れたものの、その勝利を評価された下町がMVPに選ばれたように、強いルーキーだった印象が強い飯見嵐でしたが、その下町の後輩である前田稔輝に完敗でした。
前田は新人王獲得後の初戦で、わずか5戦目。もっと試合数を重ねたいところでしょうが、このご時世、格下選手を海外から呼べない情勢で、国内で相手を探さねばならない。
それはわかるのですが、今、飯見と闘うというのはどうなのか...と、ちょっと心配する気持ちもあったくらいです。

しかし初回、飯見の重心がほんの僅か、前に出た瞬間を捉えた、振りの小さい左。
そして2回、飯見の左ジャブに合わせたカウンターの左。
いずれも、飯見にすれば、パワー込めて右打って、そこに合わせやカウンター取られるならまだしも、ちょっと出たり、ジャブ出したりしたところに小さいパンチを打たれ、しかもそれで倒されてしまうんでは、もう何もやりようがない。
その時点で八方ふさがりというか。

実際、2回、最初のダウンのあと、それまでは何か仕掛けようという意志が見えていた飯見が、見るからに手詰まりになってしまい、全然手が出ませんでした。
最後、前田が左を二発決めてストップとなりましたが、流れとしては必然。前田稔輝の凄みが伝わってくる、見事な勝利を見られて、久々の観戦はこの試合だけで十分値打ち有り、という満足度の高い試合でした。


前田は、往年の「カミソリパンチ」海老原博幸同様、当て際にナックルを強く握る(シェイク・ハンド)タイミングが抜群に良いのだろうな、と見える選手です。
最初のダウンなど、本当に腕を小さく振っただけに見えましたが、あれで東南アジアの噛ませ的格下選手ではなく、飯見嵐が倒れるとは...と驚きました。

今後、国内選手相手のマッチメイクとなると、ますます大変になってくるでしょうが、とにかく少しでも多くの試合経験を積んで、全体の肉付けを巧くやってほしいと思います。
ただ、僅かな試合数にもかかわらず、そして今回も短い試合の間に、押し引きの適切さなども見えたり、リードを出したかと思えば巧く省略したりと、単に切れるパンチを振りかざすだけではない冷静さや、防御や組み立ての意識も感じられました。
知性を感じる技巧派KOパンチャーとしての大成を...とは、現段階では話が大きすぎるかもですが、本当に期待の新人です。

日本拳法経験者という来歴もあり「令和のジロー」と称したいところですが、何かと差し障りがあってもいかんので、今回は海老原の名前を出してみました。
しかしこれはさすがに古いですかね。近いとこだと、やっぱり山中慎介でしょうね。


今朝、セミセミ以降の三試合動画アップされていましたので、ひとまず貼って、ご紹介。
下町俊貴も強くなってきています。矢田も再起なりました。色々試行錯誤していた?という感じでしょうか。








コメント (3)
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