さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

浅いキャリアで驚きの精度と強度 京口紘人、荒法師アルグメドに競り勝つ

2017-07-23 22:57:26 | 関東ボクシング



ということで先ほどまで、有り難く生中継を見ておりました。
田口の試合が先で、ディレイだったことには少々驚きましたが...。
とりあえず今日はメイン、というか、最後の試合だけ、簡単に感想。


京口紘人は、宮崎拳一戦を府立で、昨年大晦日大田区で、直に見たのは二度。
あとはTVで一回、BoxingRaiseで数試合見ています。

短期間に速いペースで試合を重ね、OPBFは決定戦でベテランに圧勝、という流れでしたが、
初防衛でけっこう強いのとやって、判定も経験済み。
もちろんすぐ世界挑戦となると...と思う反面、若手としては相当強いからなぁ、とも思う選手でした。

ホセ・アルグメドは、高山勝成戦の印象しかないですが、大柄、荒い、タフで、己を知る巧さ、
悪く言えばズルさがあり、加えて「ボクシングはアタマや」というやり口も...という感じでした。
今日の試合も、概ねそのまんまの姿だったと思います。


序盤から、締まったガード、良いフォームでしっかり構えて迎え撃つ京口。
アルグメドは左右とも、強めに振って、徐々にフェイントも見せつつ、入ってくる。

京口の良いボディが決まって、2回早々からアルグメドは少し離れて突き放したい風。
ロングのパンチを振って、クリンチしたらまた離れ、という「方針」になった模様。

京口はアルグメドの打ち終わりやミスの後を、左ボディや右カウンターで打つ。
アルグメドは手数でまさるが、ポイントは微妙、京口の正確さを見る採点もありか。

5回くらいから京口のヒットの方が目立ち始めた印象。
7回、右フックを脇腹に決められたアルグメドが後退、京口攻勢。
アルグメドはスリップダウンやホールドが目に付くようになる。

こうなってくるとそろそろ「アタマボクシング」が始まるで...と思っていたら案の定。
9回、けっこう露骨に右と頭突きを狙ってくるアルグメド、しかし京口はそれに押されたかと
見えた直後に、左フック一発、顔面へ。ぐらついたところに追撃、右決めて倒す。

アルグメド、ダメージあり、右食ってピンチ。しかしレフェリー、何故か割って入り、再開。
京口がまた右決めて、これは次で行けるかと思ったが、終盤はアルグメドが脅威の粘り。
最終回は京口がヒットを重ねるも、自身もさすがに疲れたか、足がよれて前のめりでした。

採点はちょっとだけ、見た印象より開いたのもあるかな、と思うものの、勝ち負けは問題なし。
私はというと、115-112で京口と見ました。
辛く見ても、ダウンの分だけ京口の勝ちだと思います。

実況がしきりに「最短」と言っていたとおり、デビュー1年3ヶ月、8戦目での世界奪取ですが、
そのこと以前に、この浅いキャリアで、このやりにくい相手に、自分の型をしっかり維持して
最後まで闘い抜いたこと自体が、まずは相当凄い、と思います。

最終回はさすがに乱れましたが、あの乱れがもっと早くに出ていたら、勝敗にも響いていたことでしょう。
アルグメドは、それを見逃してくれるほど、甘い相手ではないでしょうし。


最短記録云々の是非は、また別の話として、語るべき点もあるでしょう。
若いのに大したもんやなぁ、と思う反面、こんな好素材を、早々に「世界」とつく試合に出して、
大わらわでタイトルに挑ませることが、必ずしも良いことなのかどうか。
色々思ってしまう部分も、正直にいってあります。

しかし、また1人、この先が楽しみなボクサーが現れた、という意味では、喜びの気持ちがあります。
難敵アルグメドに対し、パンチの精度でまさり、強い構えを終盤まで維持して、
この試練の一戦を乗り越えた京口紘人には、大いに拍手したいと思います。



コメント (4)
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