長谷川穂積引退表明、正直言うと驚きでした。
過去の例からいっても、たぶんもう一試合、防衛戦を闘うだろうと思い込んでいました。
もちろん、このまま引退するのが一番良い、それが出来ればなぁ、と思ってはいました。
しかし、何かとあれこれ難しい世界でもあり、そうはならないのだろうな、とも。
今回、現実に王者のままの引退が実現したことは、事情はどうあれ、長谷川ファンとしては嬉しいことです。
9月の勝利は、単にそれ自体が望外の喜びでしたが、進退がこうして決まった今、
思い返せば、あれ以上幸福なフィナーレはなかったのだ、と思えます。
終わりよければ全てよし、といいますが、どちらかというと「さらによし」とでも言えましょうか。
過去に、長谷川に匹敵する業績を残し、それを越える広範な支持を得たボクサーの中にも、
いずれ来る「ボクサーでなくなる」時を、不幸な形で迎え、過ごしている者もいます。
それを思えば、長谷川穂積がこのような引退をかなえたことは、僥倖とさえ言えるのではないでしょうか。
彼への思いは、尊敬や感謝と共に、ときに分不相応な「評」も含め、
長年に渡りこのブログで書き綴ってきました。
この10数年、ボクシングファンとして、良くも悪くも様々なことを思いましたが、
長谷川穂積の存在そのものが、時に諦観に覆われてしまうファンとしての思いを、
いつも救ってくれていたように思います。
ボクシング「業界」の卑小さ、自業自得により、日本のボクシングそのものが
数多くのタイトルホルダーを抱える反面、確実に、日々やせ細っている現実の前に、
一介のファンの思うことなど、本当に無力です。
しかし、かつてその状況の中、ボクシングそのものの価値を、凄さを、
自らの闘いぶりで端的に表現し、ボクシングそのものを護る砦のように存在した
天才サウスポー、長谷川穂積の記憶は、永遠に消えることはありません。
そしてこれからも、かつての長谷川のように存在しうるボクサーの姿を、
私は、変わることなく追い続けるのだろうと思います。
今はただ、長谷川穂積の幸福な引退が実現したことを祝福したい。
彼への感謝と共に、そして変わらぬ尊敬の気持ちを込めて。それが率直な気持ちです。
長い間お疲れ様でした。数々の素晴らしい試合をありがとうございました。
====================================
今朝放送の「せやねん」動画紹介しておきます。
数日で消しますので、お早めに。
その1。
その2。
その3。