さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

その存在そのものが、これからも「恩恵」であり続ける 川端賢樹、引退記念興行

2015-03-30 19:19:17 | 関西ボクシング


昨日は半年ぶりに姫路へ小旅行でした。
前回は福崎町というところでしたが、今回はさらにそれよりひと駅さらに進んで、市川町というところにある
「ひまわりホール」という会場で、川端賢樹引退記念興行を見てきました。

前回の福崎町エルデホールは、大阪で言えばIMPホール風でしたが、今回のひまわりホールは
新大阪のメルパルクホールに似た感じ。前回より大きな会場でした。

場内、前回同様に盛況で、江口啓二さん同様、川端賢樹「さん」もまた、ジムでの指導を中心に、
地域に根付いた活動をしているのだろうなと感じました。

客席には現役時代からの支援者やファンの他に、今現在、川端さんに指導を受けていると覚しき、
10代半ばから後半の、ちょっとヤンチャそうな?若者たちも大勢見かけました。
彼らは、引退セレモニーの際、通路を通った川端に対し、一斉に立ち上がって、揃って礼をして川端を見送りました。

リングを去った川端賢樹は今、人々にとってどういう存在であるのか。
それはあの光景を見れば、よくわかります。良い光景を見ました。


川端のラストファイト引退については、過去に思うところを書いたので、繰り返しはしません。
会場からの帰路、小さな山々に雨上がりの霞がかかる、緑豊かな風景を眺めながら、このような地域から、
あれだけボクシングファンの間で広範に知られ、支持されるワールドレベルのファイターが出たことは、
本人の努力と闘志、それを支えた周囲の人々が成し遂げた、ひとつの奇跡であったのだと、改めて思いました。
そしてその恩恵は、様々な形でこの地に引き継がれていくのだろう、と。


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あと、三谷将之「さん」と握手を交わす場面もあり、これも良かったです。
かつては同じジム所属、その後所属が正式に高砂ジムとなってから、日本王座を争った、
一回り年齢の違うチャンピオン同士の闘いは、今も目に焼き付いています。
闘い終え、それぞれの思いを抱えつつ、笑顔で称え合うふたりの姿が再現されたように思いました。
これもまた、良い光景でしたね。

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試合についてですが、正午からキッズボクサーたちの試合があり、これが6試合。
えらくセンスのある子、体格の良い子もいて、けっこう驚かされる試合を沢山見られました。


午後1時からはプロの試合が男女合わせて8試合。これが会場の使用時間の都合もあってか、
休憩一切無しに次から次へと行われました。

日頃、大会場での興行やなんかで、長い休憩に出くわしたときはブツブツ文句ばかり言っていますが、
こうも忙しなく、試合終わったと思ったら次の選手入場~、とアナウンスされると、これはこれで大変です。
ドレッシングルームも大忙しだったんじゃないでしょうか。何事もほどほどが良いのだな、とひとつ賢くなった?観戦でした。


メインとセミは8回戦。
メインは姫路木下の宮崎隆司が、グリーンツダの川瀬吏一と1-0のマジョリティドロー。
前回はマッチメイクの都合上、128ポンドでリングに上がった宮崎でしたが、
今回は以前、日本ランクに入っていた時のウェイト、スーパーバンタム、122ポンドの試合。

しかし減量が苦しかったのか、今ひとつキレがなく、川瀬の右クロスでダウンするなど、苦戦でした。
その後は一進一退で、最終回に猛反撃して意地を見せましたが、私には若干劣勢かと見えた試合でした。
次はフェザー級くらいに上げたほうがいいかも知れません。


セミの藤田裕史(姫路木下)vs丸岡航平(江見)は、ゆったりした構えとスローテンポのスイッチヒッター、
藤田がパンチの正確さでまさり、3回にダウンを奪って3-0で勝利。
威圧感の無い風貌の藤田が、要所で良い角度のパンチを決め続けました。



あとは全部4回戦。新人王予選も二試合ありました。

バンタム級、清瀬天太(姫路木下)は田中隆介(森岡)に3-0判定勝ち。スピード、手数で勝りました。
これで6戦4勝(1KO)1敗1分。

スーパーフライ級は玉田汐響(シオン、と読みます 井岡ジム)が中島翔太(姫路木下)に3-0で勝利。
玉田がデビュー戦なのに対し、中島が5戦目(過去4戦で3勝1敗)という組み合わせでしたが、玉田が勝ちました。

これ以下はいわゆるオープン戦。
前回デビュー戦で初回KO勝ちをした真正ジムの小坂裕介は、その後1敗して、1勝1敗の戦績で三戦目。
しかし芹澤天明(姫路木下)に3-0で敗れ、2敗目となりました。

私が昔応援していた選手の息子さんは、二戦目で初勝利、初回TKO勝ち。
しかし相手の左肩脱臼によるストップで、果敢に攻めていたとはいえ、不完全燃焼の試合だったでしょう。
この試合のために何ヶ月も練習を重ねてリングに上がり、しかしその成果が常に、存分に与えられるとは限らない。
プロボクサーの生きる日々はかくも険しい。そう、改めて実感させられる試合でした。

そして、この勝ち星を後にどう振り返ることが出来るかは、今後の闘いぶりに全てが掛かっているのでしょう。
影ながら健闘を祈りたいと思います。


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最後に余談ですが、キッズの試合のみならず、この日はリングアナウンスを一度聞いただけでは
良く理解出来ない名前の選手が、けっこう数多くいました。
いわゆる「きらきらネーム」っていうやつなんですかね。

プロの「玉田汐響(しおん)」というのにもびっくりしましたが、キッズの中には、
パンフで確認しても、なんて読むんかわからん、という名前が沢山ありました。

これも時代なんですかねぇ...今はまだ「いのうえなおや」なんていう、ごくごく普通の名前がプロのトップですが、
あと10年もすると、ドえらい名前の選手のファンにならないかん、という時代がやってくるのかもしれませんね(^^;)


コメント
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