さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

「最強の格下」に手こずる パッキャオ、雪辱果たすが「復活」は先送り

2014-04-13 23:41:02 | マニー・パッキャオ

今日の生中継、メインについて簡単に。


けっして弱い選手だとも思いません。かなり速くて巧くて強い、と言える部類の選手です。
でも、やはりティモシー・ブラドリーは、この手の試合に出る「顔」ではない。それを改めて見た試合でした。

もちろん、勝つために必死なことを責めるつもりはありません。
しかし、世界注目のビッグマッチ、と分類される試合において、
相手の左を食いたくないから、目線を切ってまで下を向き、頭を嫌がらせに振りかざして打つ、
ごまかしの手数で優勢を演出し、攻めて、引いて、印象点を取りに行く、とやっているのを見ると、
そのあまりの「格下」ぶりに驚き、節操の無さに呆れもします。
こんな風に闘わねばならないほど、力のない選手だとは思わないだけに、余計に。

途中で足の具合が悪くなったか、と西岡利晃が指摘していましたけど、
そうであったとて、あの闘いぶりというか、やり口では、
結果が残らなかったら、それ以外何もなし、それこそ手ぶらでリングを降りねばならない。
プロボクサーとして、そのことが怖くないのかな、考えが及ばないのかな、と不思議でさえありました。

試合後、同時通訳を困らせるペースであれこれつべこべくちゃくちゃと話してましたが、
今後二度と、彼をWOWOWの生中継で見ることはないでしょう。あ、前座ならあるか...。


で、そういう相手をひたすらもてあまし、手こずっていた。
それが今日のパッキャオに抱いた印象の全てです。

試合始まった時点で、まあこちらの目玉の勝手なんでしょうが、以前よりずいぶん小さく見えました。
あの思い切りの良い踏み込みから放つ左ストレートは、下を向くブラドリーに当たる角度がなく、不発。
ブランドン・リオス戦のように、左から右と当てての右回りを試みるも、
その身のこなし以上に大きく上体を振られてしまう。
そもそも相手に、強く攻めようという気がないのに、何故「捌き」にかかるのか、
パッキャオらしくもない弱気というか、その発想が納得できません。

とにかく、攻めるのも捌くもの中途半端で、どうにも煮え切らない感じのまま、試合は終わりました。

この試合を見て、勝ちは問題ないにせよ、今後に明るい展望はとてもじゃないが見えないでしょう。
相手の「なりふり構わず」が一定の次元を越えたものだったことは考慮するにしても、
そんなものは問答無用で叩き落としてしまうだけの速さや、踏み込みの思い切り、
そして精度があったはずのパッキャオの攻撃は、最後まで影を潜めたままでした。

これ、次の相手選びが、かなり難しくなりそうな感じもありますね。
少なくとも、我々がいまだに捨てきれない、メイウェザー戦実現という夢に関しては、
近づいたとか遠のいたとかいう以前に「それどころじゃない」という印象が残りました。
ちょっと残念な試合でした。

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする