さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

井上尚弥、三戦目決定(祝!TBS離脱)

2013-02-10 21:22:14 | 井上尚弥

井上尚弥、デビュー三戦目は松田ジムの佐野友樹と対戦。
日本人ランカー、しかも1位相手。
そして、大きなトピックスですが、フジテレビにてゴールデンタイムに生中継、とのことです。

報じられているフジテレビのプロデューサーのコメントには、思わず笑いが漏れました。


>「海外から相手を呼ぶのではなく、アメリカに殴りこんで、外国人選手を全員ノックアウトし、
>かつての野茂(英雄、元米大リーグ・ドジャース)のように強い日本人の姿を見せてほしい」


まあ、ひねくれた解釈をしようと思えば出来るコメントではあります。
しかし、私は、地上波TV局のプロデューサーが(どの程度、ボクシングに対して見識をお持ちかは存じませんが)、
日本のボクサーに対し、海外進出を夢に見て、それを希望した、という話を寡聞にして知りません。
従来型のドメスティックな構造の元に、最大の資金提供者として存在する、それが日本のTV局であり、
こういう方向性が見えたことは、おそらく過去に無かったかも知れませんね。

また、TV局から見て、このような希望を持てるだけの実力を持つと見なされる若手ボクサーというのも、
なかなか存在しなかった、それもまた事実でしょう。
我々ファンが、かつて辰吉丈一郎に壮大な夢をいくら見たところで、TV局にとっては、
彼はあくまで「浪速の」ジョーでなければ意味がなかったでしょうし。

マイケル・カルバハルの登場以降、その時々で程度の差こそあれ、
アメリカのリングにおいても、軽量級ボクサーの存在感は、かつてよりもずっと大きくなっています。
現在、ミニマムからフライまでの三階級において、デンバー・クエリョ、ローマン・ゴンサレス、
ブライアン・ビロリアと、各階級最強の選手がいますが、井上尚弥が、米大陸のリングで
これらの強豪と、或いは彼らに取って代わった選手とグローブを交えることを目標に、
充実したキャリアを重ねてくれるのなら、フジテレビへの「移籍」は大歓迎ですね。

もしこうした前提がきちんと守られるのなら、そのための切符代わりとしての
最短奪取狙いの、或いは「穴」狙いの世界挑戦計画も、とりあえずは良しとすべきかも、とさえ思います。


これがTBSだと、目先の「番組」のために、ありもしないタイトルを作ってしまい、
なおかつその先の強敵相手との試合を組まずにほったらかし、という実例が少なくともひとつあり、
今現在、ふたつめの例が生まれるかどうかの瀬戸際にあるわけですが、
フジテレビには是非、こうした俗悪な例を踏襲することなく、井上のキャリアを支援し、
高い志をもって共に闘い、勝利していってもらいたいものですね(^^)


しかし、三戦目で佐野とやりますか...。ちょっとびっくりです。
私は以前、松田ジムの興行をよく見に行った時期があり、彼の試合は何度も見ています。
いくら井上が凄いと言っても、かなりリスクがあるカードじゃないでしょうか。
TV局が安易な見通しを持って組んだとしたら、それは大きな間違いだという気もします。
とにかく、今から楽しみなカードですね。



コメント
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