ということで、いよいよ師走も目前、とりあえず12月はいくつか、
観戦の目処も立ちましたが、11月は観戦ゼロとなってしまいました。
年末、世界戦ラッシュと並ぶ、或いはそれ以上のイベントかもしれない、
全日本新人王決定戦に向けて、西軍代表決定戦が先日、G+で放送ありました。
結果一覧の記事はこちら。一応、全階級について、簡単に感想を。
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ミニマム級は、竹田宙(S&K)が龍虎慎太郎(真正)に判定勝ち。
サウスポー対決、竹田がコンパクトに、インサイドから当て、
龍虎は外からロングのパンチ中心。
龍虎は左ボディストレートも時折決めていたが、竹田はこらえて、
正確にヒットを取っていた。採点はこの辺をしっかり見た、公正なものと見ました。
ライトフライ級、170センチの長身、見村徹弥(千里馬神戸)がアウトボクシング。
静岡在住のブラジル人、太田アレックス(西遠)の前進を巧みに捌く。
ジャブが良く出て、後続の連打も時折披露。若干腰高なのが気になるが、足は使えるか。
動くとき、止まるときの配分、その判断をしっかり出来れば、今後に期待。
フライ級、湊義生(JM加古川)は小柄なサウスポー濱上京武(島袋)と、接近して打ち合う。
上下のコンビが鋭く、ボディを効かせて濱上を止め、連打で3回TKO勝ち。
見た目は離れてもやれそうな感じだったが、こういうスタイルなのか、
濱上を止めるために敢えて打ち合ったのか?いずれにせよ、しっかり打ち勝っていました。
スーパーフライ級は、サウスポーのボクサーファイター大橋哲朗(真正)が、
長身の岡崎駿一(中日)を、正確なパンチと、無駄のない防御技術で制する。
常に最短距離を通って当たる左と、サイドにも出られる防御で、
岡橋の長いリーチを攻略していました。大橋は技能賞獲得、納得の一戦。
バンタム級は実力伯仲の好ファイト。
長身サウスポーの藤川祐誠(S&K)が長い左ストレート、右フックを決めれば、
津川龍也(堺東ミツキ)もダイレクトの右を決める。
2回は両者にヒットがあり、4回も激しい打ち合い。
ポイントはやや藤川か、ドローもあるかというところで、2-0で藤川。
ミニマム級同様、安易な地元贔屓を排した判定、という印象。
スーパーバンタム級、大柄なボクサーファイター英洸貴(カシミ)が、
原優奈(渥美)の巧みな防御に苦しむも、攻勢点とヒットで上回る。
原は距離の測定が良く、身体を翻して外す動きは冴えたが、
英の体格とパワーに押されてか、反撃の手が乏しかった。
フェザー級は早々の打ち合い、そして決着。
サウスポー竹本雄利(クラトキ)に対し、「のび太」のコスプレ?で登場した
テルのび太(緑)が早々にインファイトを仕掛けるが、サイドから食いつけているときもあれば、
竹本の正面に位置しているときもあり、さてどうなるかというところで、
竹本の左を決められ、ダウン。まともでした。
立ったが効いているのび太に対し、竹本右フックダブル。二発目が死角からヒット。
のび太、たまらずダウン、ストップ。
竹本はMVP受賞。冷静な対応が光りました。
スーパーフェザー級は終始激しい打ち合い。
寝屋川石田ジム第一号選手という福井貫太が2回、ボディ攻撃で取るが、
2012年以来のエントリーで勝ち上がってきた太田卓也(とよはし)が
猛然と反撃、4回は連打で攻勢。
最終の5回、福井が右を決めて太田が下がる。しかし太田、ここからまた反撃。
上下の連打で猛然と巻き返す。判定は2-0で太田、敢闘賞を受賞。
この日のベストファイトはこの一戦で決まり。
ライト級、大柄なファイター二熊亮成(平中BS)が出て、左右フックで先制。
2回、石脇麻生(寝屋川石田)はしっかりガードして、徐々にヒットを返す。
巧みに試合を「冷ました」あと、3回からボディを交えて対抗。
4回は右クロス、右アッパーで脅かし、ボディも決め、最後に連打で攻勢。
時に頭から来る、やりにくい相手に苦しみつつ、終わってみれば確かに差を付けました。
スーパーライト級は、年齢差11の対戦。
33歳のサウスポー、三津山ジムの富田雅季雄(「あきお」と読みます)が、
22歳、高校時代はラグビー部で、全国大会出場経験ありの岡田翔真(姫路木下)に
果敢な左右連打で攻め込むも、2回は岡田が反撃。右ボディ、左フック上下で猛ラッシュ。
3回以降も打ち合うが、若い岡田が右を上にも当て、粘る富田を振り切った。
ウェルター級はオーバー30同士の対戦。
35歳の松井敦史(薬師寺)は、3勝3KO無敗、全部初回KO。
対する入江弘樹の戦績は、1勝(1KO)4敗と、ちょっと見劣り。
初回、ロープを背負いつつ、柔軟な動きで外していた入江だが、
松井は無理に振り回すようなことはせず、じっくり見て狙う感じ。
松井が攻め、入江をコーナーに追い詰めて、右フックを外から、左ボディ、
そして今度は右ショートををインサイドに打つ。さらに追撃、入江防戦一方、打ち込まれてストップ。
松井は4連続初回KO。意外と言っては失礼ながら、攻めは理詰めで、感心しました。
ミドル級は試合中止。京原和輝(久留米櫛間)が、
棄権したハンマー・ゴリラ(JM加古川)に不戦勝でした。
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全体のレベルとしては、例年くらいか、やや上か、という印象。
あと、今年の東日本と違い、全体的にインファイトする選手が多かったかな、という感じも。
それも、クリンチは少なめで、比較的クリーンな打ち合いでした。時々アタマが当たる試合もありましたが。
もちろん、何でもかんでも打ち合えとか、足で外すなとか、クリンチ一切禁止!みたいな
極端なことは言いませんが、やっぱり「いざ鎌倉」となったときに、クリンチ以外頭にない、
みたいな選手は、見ていて魅力に欠けるのも確かです。
これはもう、見る側の勝手、その極地とも言えるものですが...。
全体でKOは2試合のみ、判定が多く、場内の客入りも、試合ごとにかなりばらついてましたが、
内容としては、見応えあるものが多かっただけに、残念でした。
さて、全日本のカードは、こちらに一覧がありますが...
勝算、予想については、どのみち当たるわけもないのですが、
このくらいの相手なら、なんとかなるやろう、と思うクラスもいくつかあります。
関西ナショナリズム全開で、五分五分くらいの星は期待したいところです...と、若干弱気(笑)。