アリの一言 

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「高江・ヘリパッド建設」を「大歓迎」した翁長氏

2016年10月10日 | 沖縄・翁長・辺野古・...

     

 翁長雄志沖縄県知事は8日の菅義偉官房長官との会談で、安倍政権が強行している高江・ヘリパッド建設に対し、「大変歓迎」と述べました。
 翁長氏はこれまでヘリパッド建設に対しては容認しながら、態度を明確にしないでごまかしてきましたが、この日の発言はこれまでの枠を超えたものといえます。翁長氏にとって、また翁長氏を支持する「オール沖縄」の議員・会派、市民にとっても大きな節目です。

 会談で菅氏は、「米軍北部訓練場の年内返還」の意向を示し、翁長氏はこれに対し、「大変歓迎をしながら返還については承った」(会談後の記者会見、9日付琉球新報)と述べました。ヘリパッド建設には直接言及しなかったといいます。
 しかし、翁長氏のこの発言は、ヘリパッド建設を「大変歓迎」すると言ったことにほかなりません。なぜそうなのか。

 菅氏は会談後の記者会見で、「北部訓練場の年内返還」と「ヘリパッド建設」の関係について聞かれ、こう答えました。
 「完成の見通し、進捗状況が順調だときょう確認できたので、米軍に対しても、年内返還という形で交渉していきたい」(9日付琉球新報)」
 「完成」とは高江に新たに造るヘリパッドのことです。「訓練場の年内返還」と「ヘリパッドの年内完成」は一体だと菅氏は言明したのです。
 しかも菅氏は、そのことを会談で翁長氏に直接説明したと言います。
 「翁長知事と両副知事と4人で、非常にいい雰囲気の中で会食した。私から沖縄を視察した状況、特に北部訓練場において過半の約4千㌶について年内に返還をすることで交渉している、工事も順調であることを報告した」(同)

 翁長氏はこの「工事も順調」、すなわちヘリパッドは年内に完成する見通しだとの菅氏の「報告」を聞いて、「大変歓迎」だと答えたのです。翁長氏の「大変歓迎」の中に「訓練場の返還」と一体の「ヘリパッド完成」も含まれていることは否定しようがありません。

 翁長氏はまた、菅氏との会談で、最高裁に上告した辺野古新基地建設問題や前日(7日)再開を強行した米海兵隊攻撃機ハリアー問題については、一言も触れませんでした。その理由を会見で聞かれた翁長氏はこう答えました。

 「理由は何もない。間合いというか。普通にいう要望事項だと10も20もあるが。話の成り行きというかストーリーが今回何もないので」「ケース・バイ・ケースというのがある。…今日は時間の範囲もありそういう話でとどまった」(9日付琉球新報)

 あきれた珍答弁です。「間合い」?「成り行き」?「ストーリー」?「時間がなかった」というのは翁長氏の言い訳の常とう句ですが、今回は、「最後に5分間残っていたから、安慶田副知事が八重山のトゥバラーマを三線で演奏して終わった」(同)と自ら言うに至っては、開いた口がふさがりません。菅氏に三線を聞かせることが「辺野古」より大事なのか!

 こうした翁長氏の対応に対しては、さすがに与党県議からも、「(辺野古ー引用者)裁判に臨む知事と、菅氏と会う知事が別人格に見える」(10日付琉球新報)との声が出ています。
 しかし翁長氏の「裁判」(県民世論)と「菅氏」ら(政府・自民党)に対する態度の使い分けは、今回に限ったことではありません。記者会見などでは「強硬姿勢」を見せても、菅氏や安倍首相、二階自民党幹事長らとの直接会談では言うべきことを何も言わないのが翁長氏の通常です。「別人格」ではなく、政府・自民党に対する姿勢こそ翁長氏の「人格」なのです。

 今回の「菅・翁長会談」にも、実は伏線がありました。2日前の6日、東京の自民党本部で沖縄物産展が行われ、翁長氏はわざわざ上京してこれに出席、二階氏らと歓談しました(写真右=琉球新報より)。そしてその場で、「翁長知事は菅官房長官と別室で約5分間面談した」(8日付琉球新報)のです。事前の打ち合わせであったことは明白です。
 しかも翁長氏は物産展の開会式でこう述べました。「自民党のますますの発展と関係者のご健勝を心から祈念申し上げる」(10日付沖縄タイムス)。あまりの賛辞に自民党本部でも「驚く人もちらほら」(同)だったとか。

 翁長氏の顔が、高江や辺野古の新基地に反対している住民・県民ではなく、古巣の自民党の方へ向いていることは明らかです。

 それでもまだ県政与党は、「戸惑い」(琉球新報)、「違和感」(沖縄タイムス)のレベルにとどまっています。一刻も早く「翁長タブー」から脱却し、翁長氏に対して必要な批判を強めていくことが、「オール沖縄」各党・会派、市民、そしてメディアの責任ではないでしょうか。
 

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