アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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「朝鮮学校無償化差別」の撤廃が政治の試金石

2021年10月16日 | 朝鮮半島・在日コリアン差別と日本

    

 岸田文雄首相は就任以来、「成長と分配」を繰り返し、立憲民主党の枝野幸男代表も「分配こそ重要」と強調しています。しかし、「分配」というなら何よりも真っ先に取り組まねばならない課題があります。
 それは、高校無償化制度から朝鮮学校が完全に排除されている差別政策を直ちに是正することです。

 高校無償化法は2010年4月に施行されましたが、全国の朝鮮高校(10校)だけがその対象から排除され「審査」にかけられました。
 翌年、その排除を確定にする記者会見を行ったのが、下村博文文科相でした(12年12月28日)。これは第2次安倍晋三政権発足から実に2日後、待ち構えていた決定でした。

 以来、朝鮮学校の在校生、卒業生、親たち、教師たちは苦悩の日々の中、不当な差別政策を改めさせるため、全国5カ所で裁判を起こしてたたかってきました。
 しかし、今年7月27日、最高裁が広島朝鮮学園の上告を棄却し、「無償化裁判」は敗訴で終結してしまいました。

 安倍政権が朝鮮学校を無償化から排除したのは、「拉致問題に進展がない」(下村会見)などの政治的思惑、朝鮮民主主義人民共和国敵視政策からです。それによって憲法の平等原則、子どもの教育権を蹂躙することが許されないことは言うまでもありません。

 しかもこれは、たんに教育権・平等の問題ではなく、在日朝鮮人に対する「植民地主義に伴う差別」(田中宏一橋大名誉教授)であることに核心があります。

 「安倍政治の清算」というなら、まずなによりもこの差別政策を批判し、朝鮮学校の無償化排除を撤回させなければなりません。

 見過ごせないのは、この問題では立憲民主(前身の民主党)の責任がきわめて重いことです。なぜなら、法律施行時に朝鮮学校を排除して審査にかけ、その後「韓国・延坪島砲撃事件」を口実に「審査を凍結」(2010年11月24日)したのは、当時の民主党・菅直人政権だったからです。

 立憲民主はこの問題について、今日に至るまで何の総括・反省も行っていません。朝鮮学校差別という重大問題で、立憲民主は自民党と大同小異と言わねばなりません。

 立憲民主だけではありません。日本維新や国民民主など右派政党はもちろん、立憲民主と「閣外協力」を約束した日本共産党も、この朝鮮学校に対する差別政策の撤廃については何も言及していません。

 これは日本の政党・政治の腐敗を象徴するものであり、日本人・日本社会の大問題です。
 外国人実習生、留学生、難民申請者などに対する人権侵害も含め、在日外国人への差別政策・差別行政に目を向けない「政治戦」がいかに空疎なものか銘記する必要があります。

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