アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

W杯で「旭日旗」を制止された「日本の恥」

2022年12月01日 | 侵略戦争・植民地支配の加害責任
   

 カタールのサッカーW杯、日本がコスタリカに敗れた27日の試合で、日本人サポーターが「旭日旗」を広げて応援し、国際サッカー連盟(FIFA)から「直ちに制止」された、と韓国のハンギョレ新聞日本語電子版(28日付・29日付)が報じました(写真左=同紙より。目隠しは私)。

 「旭日旗」は天皇制帝国日本によるアジア侵略・植民地支配の旗印であり(写真右は日清戦争の絵)、現在は海上自衛隊、陸上自衛隊の隊旗です(写真中)。まさに侵略戦争と軍隊を象徴する旗です。

 ハンギョレ新聞は「旭日旗」をこう説明しています。

「旭日旗は日本の自衛隊が使用する公式の旗だが、戦犯旗としても通る。日本が第2次世界大戦のアジア諸国侵略で使用したもので、日本帝国主義の象徴だ。日本国内では大国だった昔を思い出させる旗だが、韓国、中国、東南アジアなどでは日本軍に踏みにじられた残酷な過去を思い出させるのが旭日旗だ」(28日付)

 27日の事態について韓国の識者は次のように指摘しています。

「これはFIFAがついに旭日旗での応援を公式に制止したものであり、きわめて意味が大きい。…アジアのサッカーファンだけでなく全世界のサッカーファンを尊重するきわめて適切な措置だったと判断する。…今回のことで日本は国際的な恥を免れず、二度と旭日旗で応援してはならないという教訓にしなければならない」(誠信女子大学・ソ・ギョンドク教授、29日付ハンギョレ新聞)

 ハンギョレ新聞によれば、「旭日旗問題」は「カタールW杯開幕前から」ありました。

「ドーハに位置する有名ショッピングモールでは、外壁に大きな旭日旗の応援写真が掲げられたが、現地同胞とネットユーザーたちの抗議で撤去された。4年前の2018ロシアW杯では、FIFA公式SNSに旭日旗を用いた日本の応援写真が掲載され、数時間後に削除されている」(28日付ハンギョレ新聞)

 スポーツ応援での「旭日旗」使用が問題になったのは、W杯だけではありません。

 多数の反対を押し切って安倍晋三政権(当時)が強行し、いま大会組織委員会も絡んだ汚職疑惑が噴出している昨年の東京五輪。この時も「旭日旗」が問題になりました。

 韓国政府(文在寅政権=当時)は2019年8月、国会(文化観光委員会)で、「侵略と戦争の象徴である旭日旗が競技場に持ち込まれ、応援の道具として使われることがないよう求める」とする決議をあげ、大会組織委員会(森喜朗会長=当時)に申し入れました。

 しかし組織委はこれを一蹴し、競技会場への「旭日旗」持ち込みを容認する決定を行いました(2019年9月3日)。菅偉義官房長官(当時)は記者会見でこれを追認しました(9月12日)(2019年9月14日のブログ参照)。

 東京五輪は無観客となったため、「旭日旗」問題が表面化することはありませんでしたが、問題の根は残ったままでした。それが顕在化したのが今回のW杯だといえます。

 「旭日旗」問題の根源は、自民党政権の侵略戦争・植民地支配に対する無反省、歴史改ざんの策動です。

 そして今、自衛隊が日米軍事同盟強化の下、ミサイル基地化、「敵基地攻撃」能力保持など軍事行動を大きく拡大している中で、隊旗である「旭日旗」が国際大会の競技場で広がることは、日本の軍拡をイメージさせるものと言えます。

 しかし、日本のメディアは(私が見た限りでは)この問題を一切報じていません。そのため今回の事態は日本ではほとんど知られていないのではないでしょうか。「日本は国際的恥」だという韓国など諸外国との認識の乖離は歴然としています。

 サッカー・スポーツファンのみならず、日本の市民は「旭日旗」の歴史的・今日的問題を自らの問題として捉える必要があります。

この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 高村薫「ウクライナ講演」か... | トップ | いま騒ぐべきはW杯ではなく大... »