8日、二女の結婚式が首都圏であった。すでに2年前に結婚しているが、「コロナ」で式は延び延びになっていた。
事前に、2つ要望を出した。1つは、「バージンロード」はやめてはどうか。その由来は、父親から夫へ娘を手渡す家父長制だからだ(2022年2月13日のブログ参照)。どうしてもやるなら付き合うけれど。もう1つは、披露宴で「両家を代表して」父親が挨拶するのもやめてはどうか。挨拶するなら4人の親全員で。
式の数日前、娘から「バージンロードは3人で歩くことにした」と連絡があった。娘と母親と私だ。パートナーと話し合った末の結論に感謝し、心の中で拍手を送った。
そして本番当日。式場へは「新婦」の前に、「新郎」がご両親とともに入場することを知った。その後にわれわれ3人。つまり「バージンロード」は6人で歩くことになったのだ(写真は再入場)。
式場のプランナーも、「こんなことは初めてです。お二人のご希望で」とほほ笑んでいた。
披露宴の最後の挨拶も、4人の親がそれぞれの思いを語った。
「結婚」は「入籍」「嫁」「主人」などの言葉に象徴されるように、家父長制、男尊女卑が典型的に表れる。結婚式は「バージンロード」のほか、「御両家」という表示・呼称など、「結婚」の家父長制を象徴する場でもある。
今回、娘とパートナーの叡智で、その壁に「一穴」を開けることができたような気がする。
とは言っても、根深い慣習を破るのはたやすくない。画期的な「6人ロード」だったが、最後に「新婦」の父親(私)が娘の手を取り、それを「新郎」に手渡す場面があった。「バージンロード」の由来の名残だ。娘たちの希望はここまではいき渡らず、式場の「常識」に従ったのだろう。
ことほど左様に、日本の家父長制、ジェンダーは根深い。娘たちには、その陋習を打ち破って、真に平等な夫婦関係・家族関係を作ってほしい。
私は、日本全体がそんな社会になるように、自分にできることをやって、娘たちと連帯したい。