アリの一言 

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共産党は参院広島でなぜ野党候補を「推薦」しなかったのか

2021年04月27日 | 野党共闘

    
 25日投開票の3つの国政選挙(参院広島再選、参院長野補選、衆院北海道2区補選)で、菅・自民党は全敗しました(北海道は候補者も立てられず)。立憲民主党は「候補者1本化の成果」(枝野幸男代表)を強調しています。しかし、3つの選挙の「野党共闘」の実態は単純ではなく、そこには重大な問題が潜んでいました。

 長野では立憲民主の公認候補を共産党、国民民主党、社民党が推薦。北海道は同じく立憲民主の公認候補を国民民主と社民、共産党道委員会(中央委員会ではない)が推薦。そして立憲民主が最も重視した広島では、無所属(諸派)の宮口治子氏を立憲民主、国民民主、社民が推薦し、共産党は「自主支援」(中国新聞)にとどまりました。共産党は宮口氏の選挙母体である統一組織「結集ひろしま」にも加わりませんでした。

 広島再選の告示日に、共産党は「市民と野党の統一候補の勝利に全力を尽くす」(村上昭二党広島県委員長)との党談話を発表し宮口支持を強調しました。事実、選挙戦では「チラシ47万枚の配布、電話や訪問による支持拡大など、できることを全てやった」(村上氏、25日付中国新聞)と、宮口氏当選に大きな役割を果たしました。

 その共産党が、なぜ宮口氏を「推薦」せず、「自主支援」にとどめたのでしょうか。
 その背景には長野補選の経過がありました。

「長野補選では告示直前、立憲の候補者が地元の立憲や共産などと結んだ政策協定が波紋を広げた。共産色の強い内容に国民民主と支持団体の連合が反発立憲の枝野氏が連合に陳謝して収束したものの、国民民主は推薦を一時白紙にした」(26日付朝日新聞)

「立民候補が共産などの県組織と交わした政策協定に原発ゼロや日米同盟見直しが明記され、保守的な議員の多い国民民主党や支援組織の連合が反発。立民の枝野幸男代表らは釈明に追われた」(26日付琉球新報=共同配信)

「立憲はこの騒動以降、共産との距離の取り方に神経をとがらせた」(同朝日)、「立民は連合などへの配慮から、北海道、広島で共産を推薦政党の輪から除外。支援にとどめた共産は不快感を隠さない」(同共同配信)

 共産党は広島で宮口氏を「推薦」しなかったのではなく、できなかったのです。「推薦政党の輪から除外」されたのです。それは反共組織・連合の意向であり、連合に頭が上がらない立憲民主がそれに従った結果です。

 その根底には、「原発ゼロや日米同盟見直し」という、まさに「政権交代し、新しい政権をつくる」(志位和夫委員長、4月23日広島市での講演。24日付「しんぶん赤旗」)うえでの核心的政策において、共産党と連合、国民民主、立憲民主の間には大きな溝があるということ、そしてそれを政策協定に盛り込もうとすれば、連合、国民民主は必ず反発し、共産党の主張は葬られるということです。

 にもかかわらず共産党は、「来るべき総選挙で共闘の勝利を目指す」(26日、小池晃書記局長)と、「野党共闘」に固執しています。一方、連合の幹部は、「長野と同じようなことが衆院選で起きたら、組織の結束にヒビが入る」(26日付朝日新聞)と公言し、総選挙では長野のような「共産色の強い」政策協定は絶対に認めないことを強調しています。

 以上のことは何を意味しているでしょうか。

 立憲民主党がきたる総選挙で目指そうとしている「野党共闘」とは、自民党との「1対1」の選挙で立憲民主が勝つための、連合主導の右派共闘であり、政策的には原発ゼロや日米同盟見直しなどを容認しない、自民党亜流政策に他ならないということです。共産党は、そんな「野党共闘」に固執し続けようとしているのです。

 それがもたらすものは、共産党自身のますますの右傾化にほかなりません。事実、広島の宮口氏は「原発再稼働」について、「反対」ではなく「どちらとも言えない」(20日付中国新聞)と公約しました。共産党(党員・支持者)はこの宮口氏の政策ビラを「全力で」大量に配布することになったのです。

 大事なのは「野党の1本化」なのか、それとも核心的な重要政策の実現・前進なのか。共産党(中央委員会・党員・支持者)は、総選挙を前に、あらためて熟考すべきではないでしょうか。

 

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