アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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東京五輪の正体露呈した「旭日旗使用許可」

2019年09月14日 | 安倍政権と歴史認識

     

 「東京五輪・パラリンピック組織委員会」(委員長・森喜朗元首相=写真右中央)が、競技会場への旭日旗の持ち込みを禁止しない(許可する)と決定(3日)し、菅偉義官房長官がそれを追認・擁護した(12日)ことは、安倍晋三首相や森元首相ら歴史修正主義者の本性をむき出しにしたものであると同時に、安倍政権が強行する「東京五輪」の正体を露呈したものと言えます。

  この問題では韓国国会の文化観光委員会が、旭日旗の持ち込みを禁止する措置を東京五輪組織委に求める決議を採択(8月29日)していました。決議は旭日旗について「日本が帝国主義と軍国主義の象徴として使用した」ものであると指摘し、「侵略と戦争の象徴である旭日旗が競技場に持ち込まれ、応援の道具として使われることがないよう求める」としていました。

 これに対し組織委員会は、「旭日旗は日本国内で広く使用されており、旗の掲示そのものが政治的宣伝とはならないと考えており、持ち込み禁止とすることは想定していない」(5日付琉球新報=共同電)として韓国国会委員会の申し入れを一蹴しました。

 旭日旗が「日本国内で広く使用されている」とは驚いた言い分です。日本国内でも旭日旗を使っているのは、せいぜい陸・海自衛隊と右翼くらいです。森氏や安倍氏にはこれらの団体が大きく見えるとしても、それを一般化するのは無理な話です。

 そもそも旭日旗とは何かを改めて確認しておく必要があります。

 「海外侵略の走りであった台湾出兵(1874年)や江華島事件(1875年)でも、『日の丸』(旭日旗―引用者)は日本の力の『誇示』に使われています。…日清戦争から日露戦争、台湾割譲、南樺太割譲、そして韓国併合。日本はアジアへの膨張を進めていきますが、その先頭にはいつも『日の丸』がありました。…昭和天皇を大元帥に頂いた日本の『日の丸』は1937年7月『盧溝橋事件』を口実に、日中戦争に突入すると、またたく間に北京を占領。12月には南京を占領して『南京虐殺事件』を引き起こします。この南京城に立てた『日の丸』は虐殺のシンボルともなっています」(佐藤文明著『「日の丸」「君が代」「元号」考』緑風出版)(写真中は日露戦争の宣伝物=ソウルの植民地歴史博物館展示)

 だから韓国のハンギョレ新聞は、昨年10月、韓国主催の国際観艦式に自衛隊が旭日旗を掲げて参加しようとした際、次のような社説を掲載しました。
 「1870年に日本陸軍が最初に使った旭日旗は、日本が太平洋戦争を起こしてアジア各国を侵略する際に全面に掲げた旗だ。それ自体が日本軍国主義の好戦性を象徴している。韓国や中国など周辺国が旭日旗掲揚に反発するのもこのような理由からだ。それでも海上自衛隊は16本の光の筋が描かれた旭日旗を、陸上自衛隊は8本の筋の旭日旗を使ってきた。『侵略国家』『戦犯国家』という事実を否定する処置だ。(中略)国際社会は旭日旗に固執する自衛隊と平和憲法改正を公言した安倍晋三総理を見つめて、日本の軍国主義復活を憂慮している。日本が真に平和を望むならば、自ら旭日旗を降ろすべきである」(2018年10月2日付ハンギョレ新聞社説)

 韓国国会の「禁止要求」をあえて拒否し、競技場への持ち込みを公認した組織委・安倍政権の意図が、侵略戦争・植民地支配の歴史を否定するとともに、旭日旗をシンボルとする自衛隊のアピールにあることは明白です。
 それが9条への自衛隊明記を目論む安倍改憲策動と一体であることも言うまでもありません。

 安倍首相は「東京五輪」をこうした改憲策動へ向けた国際的アピールに利用しようとしているのです。それが天皇徳仁のお披露目の場でもあることも無関係ではありません。天皇と自衛隊を一体化させて改憲へ弾みをつける。それが「安倍・東京五輪」の狙いです。

 「旭日旗許可」はけっして韓国との外交問題ではありません。日本の侵略戦争・植民地支配責任にどう向き合うかという日本人自身の問題です。


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