アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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サッカーW杯・人権侵害に抗議広がる欧州、お祭り騒ぎの日本

2022年11月21日 | 差別・人権
   

 サッカーワールドカップが20日、中東のカタールで始まりました。日本のメディアは、「初のベスト8なるか」など「日本代表」の勝敗に焦点を当て、「国」を挙げたお祭り騒ぎを煽っています。

 しかし、欧州・豪州は違います。カタールのさまざまな人権侵害に対する抗議、観戦ボイコットが広がっているのです。

 W杯に直接関係しているカタールの人権侵害は、会場建設などに携わった外国人労働者の搾取・虐待です(写真中)。

 英ガーディアン紙は2021年2月に、W 杯開催が決まってからの10年間で、6500人以上の外国人労働者が死亡したと報じ、欧州に大きな衝撃を与えました。
 アムネスティ・インターナショナルはその根源に「カファラ」という搾取制度があることを指摘し、カタール政府やFIFA(国際サッカー連盟)に改善を申し入れてきましたが、事態は改善されていません。(2月3日のブログ参照https://blog.goo.ne.jp/satoru-kihara/d/20220203)

 加えて問題になっているのが、LGBTQ(性的少数者)に対する人権侵害です。

 カタールでは同性愛行為が法律で禁じられていますが、国際人権団体は今年10月、「当局が性的少数者を不当に拘束、虐待している」として渡航に注意を促しました(18日付沖縄タイムス=共同)。

 10月27日には、オーストラリア代表の選手らがこの問題で、「効果的な改善策」を要求する異例のビデオ声明を出しました(17日付日経新聞)。

 欧州各地で起こっている抗議・ボイコットの動きは次の通りです(共同、日経、NHKの報道より)。

ドイツ プロリーグ「ブンデスリーガ」のスタジアムに「ボイコット・カタール」の横断幕が掲げられてきた(写真左)。
 ベルリンやミュンヘンでもパブリックビューイングの目立った計画はなく、横断幕を掲げる店も多い。
 11月1日にドーハを訪れたナンシー・フェーザー内務・スポーツ相は、「全ての人にとってW 杯は安全な祭典であるべきだ」と発言。
 選手団のチャーター機の機体に「多様性尊重を」のメッセージ。

スペイン バルセロナのコラウ市長は10月下旬、同国代表戦の観戦に公共施設などを提供しないと表明。提供すれば「人権を侵害する国の共犯になる」からだという。

フランス 人権問題などを理由にパリやマルセイユが観戦イベントを開催しないと宣言。

デンマーク 死亡した労働者を追悼する黒いユニフォームも。

オランダ 選手が外国人労働者に面会予定。差別に反対する腕章。

元代表選手ら 元ドイツ代表主将のフィリップ・ラーム、元フランス代表主将のエリック・カントナらが「ボイコット」の声を上げる。

 日本はどうでしょうか。選手や政治家からカタールの人権侵害に対する抗議やボイコットの声が出ているでしょうか。メディアは欧州の動きを伝えるだけで、自ら批判の論説・主張を掲げているでしょうか。そして、サッカーファンをはじめとする市民は、カタールW 杯の暗部、人権侵害の実態にどれだけ目を向けているでしょうか。

 人権侵害(差別)を見て見ぬふりをして、「勝敗」だけを眼中に競技に没入し、「日の丸」を振ってそれを応援し、メディアがそれを煽る。こんな人権後進国の実態から脱却しなければなりません。
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