アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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安倍改造内閣は天皇制強化シフト

2019年09月16日 | 天皇制と安倍政権

     

 台風15号の被害をしり目に安倍晋三首相が11日行った内閣改造(第4次安倍再改造内閣)は、改憲シフトと言われていますが、もう1つの側面を見落とすことはできません。それは、今回の改造が天皇制の強化を目論む天皇制シフトだということです。

  なかでも7年間首相補佐官として安倍氏を裏で支え、安倍氏のブレーンともいわれる衛藤晨一氏が初入閣(沖縄・北方、1憶総活躍相)したことは重要な意味をもっています。
 安倍首相が思想的・政策的に強い影響を受けているのが右翼改憲組織の日本会議ですが、衛藤氏はその中心人物です(写真左・安倍氏の後ろが衛藤氏。写真中は玉城沖縄県知事と会談する衛藤氏)。

  新内閣で安倍氏を含む19人の自民党閣僚のうち、「日本会議国会議員懇談会(日本会議議連)」のメンバーは15人(79%)。「神道政治連盟国会議員懇談会(神道議連)」メンバーは17人(89%)にのぼります(俵義文著『日本会議の全貌』掲載表から集計)。
 閣僚以外でも、新たに自民党幹事長代行に起用された稲田朋美氏、選対委員長の下村博文は両議連の中心メンバーです。

  なかでも衛藤氏は別格です。衛藤氏は日本会議議連で長年幹事長を務め、同議連の中心になってきました。日本会議(1997年5月30日結成)の前身は「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」ですが、「日本を守る会」の中心は、「生長の家」の青年行動組織・日本青年協議会(日青協)でした。衛藤氏はもともと「生長の家」の出身で、日青協の結成(1970年11月3日)当時からの中心メンバー。他には椛島有三(現日本会議事務総長)、松村俊明(同事務局長)、百地章(同政策委員)の各氏らが同期のメンバーでした。日青協結成当初の委員長が衛藤氏で、書記長が椛島氏(故・村上正邦氏の証言。青木理著『日本会議の正体』平凡社新書より)。二人は文字通り両輪となって日青協、日本会議を牽引してきました。

  日本会議が改憲団体であることは周知の事実ですが、同時に強烈な皇国史観にもとづく天皇制賛美団体であることを見落とすことはできません。

 日本会議は「設立宣言」で、「有史以来未曾有の敗戦に際会するも、天皇を国民統合の中心と仰ぐ国柄はいささかも揺らぐことなく…発展した」と広言。「元号法制化の実現、昭和天皇御在位60年や今上陛下の御在位などの皇室のご慶事をお祝いする奉祝運動、教育の正常化や歴史教科書の編纂事業…自衛隊PKO活動への支援…新憲法の提唱など…力強い国民運動を全国において展開」(「日本会議とは」)してきたと誇示しています(写真右は「天皇奉祝運動」の一例)。

 衛藤氏が昨年8月6日、首相補佐官でありながら、百地章氏らとともに、新元号は次期天皇(徳仁)が公布すべきだと菅官房長官に申し入れたことは記憶に新しいところです。「背景には、新元号の閣議決定前に新天皇の内諾である『聴許』を得るべきだとの考え方がある」(2018年8月7日付朝日新聞)と報じられました。
 「聴許」とは天皇が政府(首相)から報告を受けた政治事項に許可を与えることで、天皇の政治関与を禁じた現行憲法に反することは明白です。衛藤氏は首相補佐官でありながら、天皇の憲法違反行為を公然と要求したのです。

  その衛藤氏を、これまでの裏方から表舞台に出したことは、安倍首相が9条改悪とともに、「天皇元首化」(自民党改憲草案第1条)など日本会議が要求する天皇制強化へ向け新たな動きを図ろうとしているものと言えるでしょう。


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