アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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翁長知事の「辺野古代替案」提示は言語道断

2018年01月05日 | 沖縄・翁長・辺野古

     

 沖縄タイムスは1日付1面トップで、「県、辺野古代替案に着手」と報じ(写真左)、琉球新報も4日付1面で「知事、代替案提示へ」と後追いしました。

 沖縄タイムスによれば、翁長氏(県)はすでに「独自案の作成に着手」しており、「2018年度前半の公表を目指し作業を進める」。「翁長知事は…3月末に訪米する予定で、この場で県の考え方の『骨子』を発表」する予定です。

 「普天間問題で県が代替案を策定すれば、県政史上初」(1日付沖縄タイムス)です。それはそうでしょう、これほど異常なことはありません。翁長氏による「辺野古代替案」提示は言語道断です。

 ①    動機…「埋立承認撤回」せず「代替案」示す異常

 辺野古新基地に反対するなら「対案」を出せ、というのはこれまで安倍政権・自民党が言い続けてきたことです。だから、「翁長雄志知事はこれまで、『(辺野古移設が)嫌なら代替案を出せというのは理不尽だ。日本の政治の堕落だ』と県による代替案提示には消極的だった」(4日付琉球新報)のです。
 それがなぜ一転、「代替案」提示に変わったのか。「ここにきて、代替案提示にかじを切ったのは『「反対」だけでは目の前で進む工事を止められない』(県関係者)との強い危機感がある」(同琉球新報)からだといいます。

 とんでもない話です。「目の前で進む工事を止められない」のは、翁長氏が公約に反して「埋立承認撤回」を避け続けているからではありませんか。肝心の「撤回」についてはいまだに「法的な観点から丁寧に検討した上で対応する必要がある」(1日付琉球新報インタビュー)などと逃げ続け、自分がやるべきことをやらないで工事の進行を許しておきながら、安倍政権の掌に乗って「代替案」を示すなどもってのほかです。

 「工事を止められない」ことを「代替案」の口実にするなら、何はさておき、今すぐ「承認撤回」を行うべきです。

 ②    本質…沖縄県が米軍戦略の「代替案」を提示する異常。前代未聞の歴史的汚点

  沖縄県知事による「辺野古代替案」の提示は、どういう意味を持つことでしょうか。

 「県は『反対』との主張だけでは不十分だと判断した。安全保障や軍事的合理性も踏まえ、辺野古新基地が不要であること、沖縄以外の地域に海兵隊を分散しても抑止力は維持できることを示す」(4日付琉球新報)といいます。
 つまり、辺野古以外でも米軍が戦略上の目的(「抑止力の維持」)を果たせる方法を示す、すなわち米軍に代わってその軍事戦略を考え提示するということです。

 日米軍事同盟(安保条約)による米軍基地の被害を、これでもかと集中的に受け続けている沖縄が、その米軍に代わって軍事戦略を提示する。こんな理不尽なことがあるでしょうか。まさに前代未聞。もし実際に行われれば、歴史的な汚点と言わねばなりません。
 これは沖縄だけの問題ではなく、日本の反基地・平和運動にとってきわめて重大な問題です。

 ③    内容…基地負担・被害の拡散、米軍・自衛隊一体化促進。「県内移設」の可能性も

 翁長氏(県)はどのような「代替案」を検討しているのでしょうか。

 「県がベースにするのはシンクタンクの新外交イニシアチブ(ND)と…マイク・モチヅキ教授らの案」(1日付沖縄タイムス)といわれます。そのNDの案とは、「米軍再編後に沖縄に残る第31海兵遠征隊(31MEU)を、在沖米軍が訓練で使用する強襲揚陸艦がある米海軍佐世保基地(長崎県)へ移駐する案など」(同沖縄タイムス)です。

 沖縄タイムスはさらに詳しくND案を紹介しています(写真右)。それによると、佐世保などへの移駐のほか、①31MEUの活動を支援するための高速輸送船を日本側が提供する②31MEUが実施している人道支援・災害救助への自衛隊の積極参加を訴え、各国軍隊との連携を深める海兵隊司令部の連絡調整センターを沖縄に設置する―などです(1日付沖縄タイムス)。

 日本が(国民の税金で)米軍のために新たな装備(高速輸送船)を提供し、米軍はじめ外国軍隊と自衛隊の一体化を進め、沖縄を海兵隊司令部の中心にする。まさに日米両政府が進める日米軍事同盟のいっそうの対米従属的強化にほかなりません。

 しかも検討されている案の中には、「県内の既存の米軍基地内へのヘリポート建設や那覇空港の使用などを提起する案もある」(4日付琉球新報)というから驚きます。「県内移設」以外の何ものでもありません。

 ④    そもそも…「建白書」に対する明白な違反

 そもそも、翁長氏が知事に当選したのは、安倍政権に対する「建白書」(2013年1月28日)を一致点とする「オール沖縄」の支持があったからです。「建白書」は翁長氏が最低限守らねばならない基本テーゼです。
 その「建白書」は、普天間基地についてこう明記しています。

 「米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念すること

 「普天間基地撤去」についてはもともと、翁長氏ら「保守」の「県外移設」論と、共産党など「革新」の「即時無条件閉鎖・撤去」論の2つがありました。その共同(妥協)を図るため、「即時無条件」と「県外移設」の双方を取り下げたのが上記「建白書」の一致点です。
 にもかかわらず翁長氏が「県外移設」の「代替案」を提示することは、「建白書」に対する明白な違反です。

 NDなどが独自案として「代替案」を示すのはもちろん自由です。しかし、翁長氏が知事として「代替案」を提示することは、「建白書」に照らして絶対に許されません。

 共産党など「オール沖縄」陣営は、「建白書」に反する翁長氏の「代替案」提示を黙認するつもりでしょうか。直ちに抗議し、即刻やめさせるべきです。

 

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