アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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学校現場に押し寄せる「天皇奉祝」の波

2019年09月07日 | 天皇制と安倍政権

     

 徳仁天皇の「即位礼正殿の儀」「パレード」(10月22日)へ向けて再び天皇制キャンペーンが強まろうとしています。メディアによる翼賛報道とともに、見過ごせないのは安倍政権(文科省)や保守団体による教育現場に対する「天皇奉祝」圧力の強まりです。

  安倍政権は今年4月2日、徳仁天皇即位に際し、「御即位当日における祝意奉表について」なるものを閣議決定しました。そこにはこう明記されています。「1、国旗を掲揚すること。2、地方公共団体に対しても、国旗を掲揚するよう協力方を要望すること。3、地方公共団体以外の公署、学校、会社、その他一般においても、国旗を掲揚するよう協力方を要望すること」

 これに基づいて、総務省は地方自治体へ、経産省は商工会議所へ、そして文科省は全国の教育委員会へ「国旗掲揚」の通達を出しました。

  さらに文科省は、退位・即位直前の4月22日、「天皇陛下の御退位および皇太子殿下のご即位に際しての学校における児童生徒の指導について」と題する第2弾の通達を出しました。そこで「国民こぞって祝意を表す意義について、児童生徒に理解させるようにすることが適当に思われる」と念押ししました。

 学校に対する圧力は文科省だけではありません。

 明仁天皇・美智子皇后(当時)は4月23日、裕仁(昭和)天皇の墓に「退位の報告」を行うため武蔵野陵(八王子)を訪れました(写真中)。地元八王子では町会自治連合会を中心に「天皇奉迎実行委員会」がつくられ、その「奉迎」に八王子の3つの小学校の児童が動員されたのです。
 以下、元中学教員で「君が代」の強制に不起立でたたかった根津公子さん(八王子在住)の報告(「靖国・天皇制問題情報センター通信」8月号)から。

 実行委は4月15日「八王子奉迎(沿道お迎え)対応について」とする文書を出し、「国旗小旗は当日沿道にて町会自治会連合会の方から配布します。沿道では、子どもたちが前列でお迎えできるよう御配慮方お願いします」と要求しました。
 八王子市教委はこの文書を甲州街道沿いの3小学校へ送るとともに、「参加の可否・参加人数」などの報告を求めました。校長のひとりは市教委の通知を、「(沿道に児童を)立たせろと命令はしないが、忖度しろということ」と受け止めました。

 3小学校とは別に、高尾沿道の浅川小学校は5、6年生を動員。校長は「連合会から話があって、あえてそれをやらないのは、反対の意思表明だ。(天皇に)敬意を持つのは、日本国のルールであり、文化だ。共産党も代替わりに賛意を表明している」。
 また、3校の校長は「教職員から奉迎に反対はなかった」とし、浅川小校長は「教職員も喜んだ」と述べた。

 ここには、テレビで繰り返し放映される沿道の「天皇・皇后歓迎」の舞台裏が垣間見られます。また、日本共産党を含めすべての政党が「天皇祝賀」で一致し翼賛化している中、教職員組合も黙認あるいは積極的に同調している実態も分かります。

 日本社会全体の天皇翼賛化は学校現場にも当然押し寄せます。それの加え、児童・生徒に天皇(制)賛美を刷り込むもうとする力が強まっています。それは今日における「皇民化教育」と言っても過言ではありません。きわめて重大な状況です。 

 帝国日本の侵略戦争・朝鮮植民支配の重要なテコとなった「皇民化教育」。その歴史の教訓をあらためて想起し、広め、教育現場における天皇制圧力、「天皇奉祝」の波を押し返すたたかいが必要です。


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