アリの一言 

オキナワ、天皇制、朝鮮半島の現実と歴史などから、
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名護市長選・稲嶺陣営は翁長知事に「即時撤回」要求を

2018年02月01日 | 沖縄・翁長・辺野古・...

     

 名護市長選は4日の投開票まであと3日となりました。最大の争点は、言うまでもなく「普天間基地の辺野古移設・新基地建設」の是非です。

 しかし、沖縄県紙の報道で見る限り、その最大の争点が選挙戦の中で必ずしも大きくクローズアップされていないようには思えません。

 その理由の1つは、自民・公明・維新陣営の渡具知武豊候補が、「国と県の訴訟を見守る」として新基地賛成の本音を隠し、態度を明確にしていないことにあります。きわめて姑息な戦術と言わねばなりません。

  しかし、問題はそれだけでしょうか。

 新基地に反対する現職の稲嶺進陣営(「オール沖縄」)は1月30日付の琉球新報、沖縄タイムス両紙に、全面広告を出しました(写真左)。この中に、つぎのような一文があります。  「市長と県知事が許可しなければ新基地は止められる。」

 稲嶺候補の「新基地反対」の公約を示したものですが、おかしくないですか?

 確かに「市長と県知事が許可しなければ」、国が勝手に辺野古を埋め立てることはできません。ところが現に埋立工事は進行しています。なぜでしょうか。
 翁長雄志知事が辺野古・大浦湾の埋め立てを「許可」しているからです。
 正確に言えば、仲井真弘多前知事が行った「埋立承認」を撤回せず、「承認(許可)」した状態で放置しているからです。

 ただ放置しているだけではありません。世論に押されていったんは承認を「取り消し」ながら、最高裁の判決を受けて、自ら「取り消し」を取り消し、「埋立承認」を生き返らせたのです(2016年12月26日)。

  ここに今日の辺野古新基地をめぐる根本問題があります。
 ベースになる「埋立承認」が生きたままになっているから、その上に立って国(沖縄防衛局)が次々出してくる「岩礁破砕」「サンゴ移植」「石材運搬の港使用」などの派生的な申請に対して、「法的には認めざるをえない」(翁長氏)と言いながら次々許可しているのです。その結果が、今の埋め立て工事進行です。根本問題は、「埋立承認」の「撤回」です。

 念のために付言すれば、最高裁の判決は「承認」に瑕疵はなかったとしたにすぎません。「行政行為の『取り消し』と『撤回』とは、その要件も効果も性質の異なる概念」(仲宗根勇・元裁判官、1日付沖縄タイムス「論壇」)で、撤回にとってなんら支障にはなりません。

 翁長氏はもともと、知事選出馬に際して「新しい知事は埋め立て承認を撤回します」と明記した「知事戦に臨む基本姿勢」(2014年4月6日発表)に合意し、当選後も「知事選で示された民意は埋め立て承認を撤回する事由になる」(2014年12月17日県議会答弁、同18日付琉球新報)と明言しました。本来、当選直後に「撤回」すべきでした。百歩譲っても、「取り消し」についての最高裁判決が出た時点で撤回すべきだったのです。

 それをしないで、今日まで埋め立てが「承認」されている状態で放置し続けています。
 そして今回の名護市長選で翁長氏は、告示日の「応援演説」で「撤回」どころか「新基地阻止」さえ口にしませんでした。

 こうした翁長氏(「オール沖縄」陣営)の「撤回」(「新基地阻止」)に対する姿勢が、名護市長選にも影を落としていることは否定できないでしょう。

 稲嶺陣営(「オール沖縄」)が「市長と県知事が許可しなければ新基地は止められる」と言うなら、それに続けてこう言うべきです。
 「翁長知事に『承認撤回』の即時実行を求めます。」
 それでこそ、「辺野古新基地阻止」の本当の公約になるのではないでしょうか。