アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

翁長知事の本音が露呈した3つの重大発言

2017年11月28日 | 沖縄・翁長知事

     

 翁長雄志沖縄県知事の辺野古・米軍基地に対する姿勢、そして翁長氏の支持母体である「オール沖縄」について考えるうえで、見過ごせない発言が、翁長氏の口から相次ぎました。

①「就任3周年政治資金パーティー」(21日、写真左=沖縄タイムスより)でのあいさつ。

 <辺野古新基地建設を念頭に「腹八分、腹六分で我慢も大切。0点か百点かではなく、沖縄の政治の60点を実現する」>(22日付沖縄タイムス)

 辺野古新基地阻止の闘いは、基地を造らせないか、建設強行を許すかのどちらかです。その点ではまさに「0点か百点か」です。ところが翁長氏は「新基地建設を念頭に」、「60点を実現する」という。つまり、安倍政権と妥協するということです。
 新基地建設阻止において「60点」はありません。妥協して基地を造らせてしまえば、それは安倍政権に対する屈伏です。

②在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官との会談で(20日=写真中)。

 <翁長氏 日米が世界の人権と民主主義を守ろうというのが日米安保条約だ。>(21日付沖縄タイムス「会談要旨」から)

 翁長氏が「日米安保容認」派であることは周知の事実ですが、ここまで安保条約を賛美した言葉は初めて聞きました。
 日米安保条約は言うまでもなく軍事同盟です。しかも「安保法制」によってますます自衛隊と米軍の一体化(自衛隊の米軍従属化)が強まり、危険が増しています。沖縄の基地被害の元凶も日米安保です。その安保条約のどこが「世界の人権と民主主義を守る」ものなのでしょうか。
 日米安保条約をここまで賛美する翁長氏が、辺野古新基地はじめ、高江ヘリパッド、嘉手納基地、八重山諸島への自衛隊配備など、日米安保に基づく沖縄の基地強化とたたかえないことは自明です。

③同じく「就任3周年パーティー」でのあいさつで。

 <翁長知事はあいさつで…「(保革)互いの政治の中で新しい沖縄をつくる。ぜひオール沖縄に心を寄せてもらいたい、腹八分で和を取ってパワーをつくり、文化をつくるのが沖縄の良さだ」…「いま私に対する批判があるのも承知している。沖縄が言い合って孤立の道を歩んではいけない」と指摘。>(22日付琉球新報)

 翁長氏に対しては、さすがに「オール沖縄」陣営の中からも批判の声が表面化しはじめています。
 たとえば「パーティー」の前の15日にも、「基地の県内移設に反対する県民会議」の山城博治共同代表らが県庁を訪れ、県が、埋立石材海上搬入のための奥港使用を許可したことを撤回するよう要請しました。
 山城氏は、「知事はあらゆる手段で新基地に反対すると言っていたが、現状は公約違反、言行不一致だ」(16日付琉球新報)と翁長氏を名指しで厳しく批判しました(写真右=琉球新報より)。

 パーティーでの翁長氏の発言が、山城氏らの批判を念頭に置いたものであることは間違いないでしょう。翁長氏はこうした自らへの批判は「いけない」、「言い合って」はいけないと言うのです。それは「和」を乱すことになると。

 すなわち翁長氏にとって「オール沖縄」とは、自分への批判は行わず、「和」をもって支持を持続させ知事選で再選を果たすための「翁長翼賛体制」であるべきだ、ということです。これが図らずも露呈した翁長氏の本音です。

 「オール沖縄会議」をはじめとする「オール沖縄」陣営のみなさんは、それでいいのでしょうか?


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