アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

相馬「かえる新聞」にこめた思い

2014年08月26日 | 原発・放射能と政治・社会

PhotoPhoto_2 福山市には「広島・福山から福島・相馬を想う会」という会があります。
 市内の「カフェ・ポレポレ」では、2011・3・11の震災直後から、毎月「震災復興応援ライブ」が行われています。
 このライブは、出演するミュージシャンが500円募金して演奏し、相馬市・南相馬市を応援するプロジェクトに全額寄付するというユニークなものです。
 継続した支援活動の大切さ、音楽の力を改めて痛感します。

 その「想う会」が、広く市民とともに相馬に想いを馳せようと、さる17日、市内のショッピングモールで「相馬盆唄・盆踊り大会」を開催しました(写真左)。

 一般参加者は多くはありませんでしたが、取り巻いて見ている人たちは結構いました。私は久しぶりに盆踊りの輪の中に入りました。

 会場で、思わぬ収穫がありました。「そうま・かえる新聞」という「コミュニティ・ペーパー」のバックナンバーがいただけたことです。

 「そうま・かえる新聞」は2011年12月の相馬市でのライブをきっかけに準備号が作られ、翌12年2月に創刊。以後、2カ月に1回発行されています。
 編集スタッフは全員別に本業がありますが、とても“素人”の編集とは思えない、内容の豊かさとビジュアルの美しさに驚嘆します。
 発行部数は約2万部にものぼり、希望者には無償で送付されるほか、ライブ会場などで配布されています。

 毎号掲載の「相馬市・南相馬市放射線レベル測定値」など、原発・放射能情報はもちろん、ミュージシャンの活動紹介、全国のアーティストとの交流などが特徴です。
 「方言のなぞなぞ」コーナーがあるのは、「ふるさと」と「言葉」の関係を改めて考えさせられます。沖縄で「ウチナーグチ」の普及運動が広がっていることを思い起こしました。

 「そうま・かえる新聞」の題字下にはこうあります。

 「子どもたちに明るい未来を手渡すため、わたしたちは生き方を『変える』。
 いのちを何よりも大切に『考える』。
 まちをゲンキに『変える』。」


 「そうま・かえる新聞」の「かえる」は、ただふるさとへ「帰る」だけではないのです。生き方を「変える」。そして、社会を「変える」。

 被災者のみなさんとともに、この「かえる」を胸に刻みたいものです。

 ※「そうま・かえる新聞」の問い合わせは、同編集部 e-mail = somakaeru@yahoo.co.jp
   来る10月12日、初の「そうま・かえる新聞」主催ライブが南相馬市で開催されます。

 <見過ごせない報道状況>

 NHK、本土大手紙はなぜ「8・23辺野古県民大集会」を報道しないのか


823 さる23日、沖縄・辺野古のキャンプ・シュワブ前では、当初の予定を2倍近く上回る3600人の市民の参加で、「止めよう辺野古新基地建設!8・23県民大集会」が行われました。

 沖縄の琉球新報、沖縄タイムスが号外発行も含め、大々的に報道したことは言うまでもありません。
 私は琉球新報HPのライブ中継のおかげで、福山にいながら「参加」することができました。
 沖縄の民意を知る重要な県民集会でした。

 ところが、「公共放送」たるNHKは、当日の夜から翌日に至るまで、このニュースを1秒も報じませんでした。民放は当日深夜から翌日朝にかけてニュースで取り上げました。

 本土の大手紙は、「朝日」(西日本版)が、翌日の第2社会面で「辺野古怒りの人波」の3段見出しで、写真付54行の記事を載せました。
 しかし、「毎日」「読売」には全くありませんでした。中国新聞や山陽新聞も報じませんでした。

 本土の人間が沖縄の差別的現状に対して、いつまでも傍観者的なのは、本土メディアに大きな責任がある、とは再三指摘されていることですが、今回も改めてそれが証明されました。

 メディアの社会的責任とは何か。繰り返し問い続けなければなりません。


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