アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

組踊-その歴史・伝統と新たな挑戦

2013年07月19日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2 組踊(くみおどり)は沖縄を代表する伝統芸能です。台詞と踊りを歌曲(舞台上で演奏)にのせて展開する独特の歌舞劇で、起源は18世紀の琉球王国時代。「復帰」した1972年に国の重要無形文化財に、2010年にはユネスコの「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されています。
 そんな組踊の歴史を学び、実際に鑑賞しようという取り組みが13日、国立劇場おきなわで、県の生涯学習事業の一環として行われました。組踊のために04年建てられた国立劇場で、本物の組踊を、低料金で鑑賞できる機会で、喜んで参加しました(写真はロビーと舞台)。
 この日の演目は「貞孝夫人」。夫亡きあと嫁ぎ先の家を守ろとする貞淑な士族女性の物語です。事前の講演の講師は大城学琉球大教授。組踊は本土の歌舞伎などに学びながら、ほとんどの演目の結末に琉球王府が登場し重要な役割を演じるのが特徴と知りました。「貞孝夫人」もそうでした。それは組踊がもともと中国の使節団・冊封使を歓迎する催しとして始まったことと無関係ではないようです。実は私は昨年本土で初めて組踊(「二童敵討」)を見ており、今回が2回目でしたが、劇場が素晴らしく、舞台の両そでに台詞のうちなーぐちを日本語に訳したテロップが流れるのに感心しました。これなら安心して鑑賞できます。
 ところで、今年3月、歌舞伎の坂東玉三郎が新作組踊「聞得大君(きこえおおきみ)誕生」(作・大城立裕)を演じ、「歌舞伎と組踊のコラボ」として話題になりチケットは早々と完売しました。ところが6月になって琉球新報、沖縄タイムス両紙に相次いで玉三郎の「身体様式」や「唱え」を酷評する投稿(沖縄国際大学教授と准教授)が掲載されました。7月にはそれに対する反論(県立芸大研究員)の投稿が載りました。もちろん私にはその批評の応酬に立ち入る能力などまったくありません。でも、組踊がこれまでの枠を超えて、より多くの人に鑑賞されるのはとても良いことではないでしょうか。批判を覚悟で大きな壁に挑んだ玉三郎はさすがです。伝統は守りながら、新たな挑戦で裾野を広げることは大歓迎です。沖縄では学校で組踊を演じ、その魅力を児童生徒に伝えようという取り組みも広がっています。
 沖縄の歴史、言語、音楽、踊りが一体となった組踊。もっと親しみたいと実感した1日でした。

<今日の注目記事>(19日付琉球新報1面トップ)※沖縄タイムスは2面に同様記事

  
 ☆<辺野古埋め立て 意見書2000通超 「告示・縦覧」が終了 県、利害関係精査へ>
 「米軍普天間飛行場代替施設の名護市辺野古への建設に向けて、沖縄防衛局が県に提出した公有水面埋め立て承認願書を住民に公開する『告示・縦覧』が18日、終了した。所管する県海岸防災課は、3週間の告示・縦覧期間中に受け付けた『利害関係人』からの意見書が同日までに2千通を超えたことを明らかにした。同課は『県内での埋め立て事業への意見書としては最多ではないか』と話しており、辺野古への埋め立てに対する関心の高さが浮き彫りになった」
 申請書縦覧については、もともと不備なまま県が受け入れたことや、期間が短いなどの問題がありましたが、2000通以上の意見書は、辺野古移設反対がいかに沖縄の強い世論であるかを改めて示しています。


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